投資を始めたばかりの時は、成功することもあれば、知識や経験が少ないために失敗することもあると思います。投資は元本保証ではないので、損してしまう時もあります。
投資初心者のありがちな失敗はどのようなものか、またその回避方法を解説していきます。
<1,一つの商品に全額投資してしまう>
有名な投資格言に「卵は一つのかごに盛るな」という言葉があります。
持っている卵の全てを一つのかごに盛って、もしもかごを落としてしまったら、卵全てが割れてしまう可能性があります。
投資も同じで、持っている資金を一つだけの商品や銘柄に集中投資した場合、その一つが上手くいかなかった時は大きな損失を被る可能性があります。
逆にその一つがうまくいけば、大きな利益を得られる可能性もありますが、ハイリスク・ハイリターンな投資は初心者のうちは避けたほうが良いです。
回避方法としては、投資商品の分散、購入時期の分散、投資する国や地域の分散、様々な通貨で投資する通貨分散をすることで、リスクを抑えることができます。
一度の取引で持っている資金のほとんどを失う可能性がある取引はやってはいけない投資方法です。
株式の信用取引やFX、先物、暗号資産取引などはレバレッジ取引と言って、自分の持っている資産以上の金額を投資する事ができる仕組みがあります。
上手くいけば大きなリターンが期待できる半面、最悪の場合、自分の資産以上に損失を被る可能性があります。
特にボラティリティ(変動幅)が大きな商品や銘柄へのレバレッジを効かせた取引はリスクが高く、短期間で30%ほど反動する商品もあります。
投資する商品の内容を知ることは大切ですが、一日でどのくらい値段が変動するのかを知ってから投資することも重要です。
投資は長く継続的に行うことで勝率が上がります。
一度の取引で大きなリターンを狙えることも投資の面白さかもしれませんが、これは上級者向けの取引方法です。先ずは堅実な投資を心がけましょう。
また投資は余剰資産の一部のみで行うことをお勧めいたします。
<2,他人の意見で投資判断してしまう>
最近はSNSで簡単に投資の情報が得られる便利な時代になりました。しかしSNSの情報の中には良い情報もありますが、鵜呑みにして実践すると思いがけない大きな損害を被る情報もあり、玉石混交な状態です。
投資初心者は知識と経験が少ないため、他人が発信した情報を参考にしたい気持ちは分かりますが、それを信用して投資判断してしまうことは大変危険です。
SNSの情報の中には特定銘柄の売買の煽りや、間違った情報、偏った意見もあります。
多くの情報の中から、正しい情報を見極める能力が付くまでは、他人の意見は参考までにし、内容全てを信用して投資判断しないようにすることが重要です。
他人の意見を参考にする場合でも、発信者の立場を確認することは大切です。
例えば、情報発信者がある特定の銘柄を買っていて、値上がりを誘発させるためにその銘柄を勧めることも考えられます。
このようなポジショントークは流動性の低い銘柄や、変動幅が大きな銘柄が多いため、大きな損失につながる場合もありますので注意が必要です。
情報発信者が第三者の立場の人でも、経済や投資商品の仕組みの知識はあるものの、実際に自分の資金での投資経験が無い場合、その情報をすべて信用することは危険です。基本的に他人のお金が増えても減っても関係が無いからです。
有名な投資家や上手い投資家でも必ず失敗の経験はあります。失敗した経験を乗り越えて継続的に投資に関わっており、成功している人の情報には説得力があります。
こう言った失敗を回避する方法は、投資実行は必ず自分の意志と判断で行うことです。
他人の意見に惑わされている時点で、自分で投資判断ができていないことになります。
投資は自己責任なので、投資しようとしている商品や銘柄を自ら充分に分析し、納得した上で投資することが重要です。
またよく分からない商品や、説明されても理解できない商品を「みんなが買っているから」や「多くの人がSNSで勧めているから」という理由だけで、購入してしまうことはリスクが高い投資です。
その商品がどういう仕組みで、どういう状況になったら利益や損失になるのかを充分に理解し、自分の資金額とリスク許容度を考慮し投資判断すれば、分からない商品に投資する事は避けられます。
投資商品の利回りが高ければ得られる利益も大きくなります。当然利回りが高い商品の方が良いと思いがちですが、そうではありません。
投資全般において言えることとして、リスクとリターンは比例します。
高い利回りの商品はその分だけ、投資家は高いリスクを背負うことになります。
投資商品には必ずメリットとデメリットがあります。
利回りだけに惑わされず、正しく仕組みを理解し、自分で分析したうえで投資することが必要です。
<3,想定と違う展開になっても損切りできない>
人の心理として、少しの利益は喜んで受け入れることができますが、損失は少しでも受け入れることができない傾向があるそうです。
投資もまさに同じで、少しの利益が出た時点で利益確定する行動は取れますが、自分の想定とは違い、損失が出つつある場合はなかなか損失確定することはできません。
損失を確定して次のチャンスを狙った方が効率的だと分かっていても、自分の資産が減ることを確定する行動は取りにくいものです。
ロスカットするタイミングを逃してしまった場合、高い確率で起こることはますます損失が広がることです。
もちろん助かる場合もありますが、「助けて」とただ祈る状況になっている時点で、かなり不利な状況に追い込まれていることは否定できません。
最近のマーケットは一旦方向性が決まると、極端にその方向に動く傾向もあります。
最悪の場合、少しの損失で終わることができた取引が、短期間で思いもよらない大きな損失になり、資産のほとんどを失ってしまうケースも見受けられます。
投資において一番やってはいけない取引は、一度の取引だけで自分の資産の多くを失う取引です。マーケットには期限が無いので、多少失敗しても継続して参加することを考えたほうが建設的だと思います。ずっと参加できれば、勝てる確率も上がるからです。
またロスカットの機会を逃してしまうと、その分だけ資金が拘束され、違う投資で成功する機会も奪ってしまう可能性もあります。その間の精神的なダメージも大きいと思います。
こういった機会損失を失くすためにも、少しの失敗の時点でロスカットした方が良い場合が多いです。
このようなロスカットできない失敗を回避する方法は、ロスカットのマイルールを決めて機械的にロスカットをしていくことです。
例えば個別銘柄の場合、事前に充分なシミュレーションを行い、何パーセント下落したらロスカットする、価格直近の安値を割ってきたらロスカットするなど数値的にルールを明確にし、その注文をあらかじめ入れておくことで、想定以上の損失を防ぐことができます。
逆指値注文といわれる注文方法ですが、ほとんどの証券会社で出来るはずですので、その仕組みを理解し活用すれば、大きな失敗を防ぐことができます。
投資は成功する場合もあれば、失敗することもあります。
全勝することはどんなにすごい投資家でも不可能なことです。
今は成功している投資家でも過去には必ず失敗の経験があります。
失敗した経験を活かして、次に繋げることが投資においては重要だと思います。