株式投資における取引スタイルの種類とは?それぞれの特徴を解説!

株式投資における取引スタイルの種類とは?それぞれの特徴を解説!|リビングコーポレーション

 

株式投資には、取引にかける時間別に異なる投資スタイルが存在します。今回は時間別の投資スタイル4種類を解説し、それぞれのメリットとデメリットを考えていきます。


<時間別の投資スタイルの種類>

株式投資の取引において、時間的な拘束の長短により、投資スタイルが異なってきます。
一般的に4種類の投資スタイルに分けられています。次からは、それぞれの投資スタイルを解説していきます。


<スキャルピング>

数秒から数十分単位で何回も繰り返しトレードする手法で、一瞬の値動きによる売買差益を期待して行う取引です。

保有している時間が極端に短いため、利益は小さいことが多いですが、繰り返し何度も取引することで利益を積み重ねていくことが特徴です。

エントリーしたと同時に、利益確定と損失確定のラインを設定し、逆指値注文を入れる場合もあり、利益が少ない分、損失も限定できることはメリットと言えます。

資金が少なくても信用取引を活用し、レバレッジをかけた取引にする場合も多いため、トレードが上手くいけば短時間で効率的に資金を増やせるチャンスがあります。
その一方で、期待したほど値動きが無い時や逆に大きく動いてしまった場合は、大きな損失になる可能性もあるため、経験が必要な取引であり、運の要素が大きい取引とも言えます。

次に紹介するデイトレードと混同される場合も多いですが、デイトレードの保有時間をさらに短くし、1日に何十回から何百回とトレードを重ねていくことがスキャルピング取引の特徴です。

一瞬の判断の違いで利益や損失に大きな差が出るため、チャートや板情報を読み取るスキルと、反射神経も必要な取引と言え、スキャルピングで継続的に資産形成できる人はごく限られた人のみでしかないという見方が強いです。


瞬間的な値動きを狙う取引のため、通常の株式取引では重要視される、その銘柄の企業業績や業界全体の動向にはあまり左右されない取引です。

監視するチャートも一般的な日足や週足ではなく、5分足や1分足などより期間が短いチャートを見て取引する場合が多くなり、集中力と判断力が必要となります。

プロの投資家や機関投資家、資金力のある個人投資家の動向に左右され、チャートや板情報も必要なため、常にザラバを監視できる人に向いている取引と言えます。
このような理由からスキャルピングの手法は、投資初心者よりは経験足のある中級者から上級者向けの取引と言えるでしょう。


<デイトレード>

その名の通り、1日の取引時間の中でエントリーとイグジットを完結させる取引スタイルです。
東京株式市場の取引時間は、午前9時から午後3時のため、デイトレードの最大保有時間は6時間となります。利益や損失に関わらず、その日のうちに決済し持ち越さないため、夜からのニューヨーク市場の影響を受けないことが特徴です。

デイトレードはスキャルピング取引に比べると、保有時間は長くなりますが、一般的には短期売買に分類され、1日に複数回トレードを繰り返す場合もあります。

トレードする銘柄の企業業績などファンダメンタルの部分はあまり重要視されず、数十分から数時間単位での株価の上下動を期待して行う手法です。
テクニカル指標やチャート、板情報を意識し、投資判断していくことがデイトレードの特徴です。

「デイトレーダー」という言葉もあり、投資についてあまり詳しくない人は、デイトレードが株式取引の基本と認識している人も多いと思われます。
PCのモニターを複数設置し、様々なチャートを見ながら取引しているイメージも強い印象があります。

デイトレードのリスクに関しては、持ち越さないためリスクは限定的ではありますが、1日の内に大きく変動した場合、思わぬ大きな損失を被る可能性もあるため、ロスカットラインを明確に定めるリスクマネジメントが必要となります。

デイトレードはスキャルピング同様、トレード方針を明確にすることが重要となるため、ある程度の経験足が必要で、また運の要素も大きい事もあり、投資中級者から上級者に適している取引手法と言えます。

デイトレードを行う場合は、自身の資金量やリスク許容度を理解し、自分のルールを設定し、それを順守するトレードを行えることが必要となります。


<スイングトレード>

1回の取引を数日から数週間単位で考え、売買する投資スタイルです。
この手法が株式投資では主流と考えられています。

短い場合は2~3日、長い場合でも数週間の保有期間となるため、一般的にはスイングトレードも短期売買に分類されることが多いです。

中長期的な成長に期待して投資すると言うよりも、短期的な株価の上下動による利益が出た場合に利益確定する手法となります。

しかし何日間か株式を保有したまま持ち越すため、海外市場の価格変動の影響は受けやすい取引と言えます。

スキャルピングやデイトレードは瞬間的な価格変動を狙う取引のため、株価を常に監視する必要がありますが、スイングトレードはポジションを取ってから絶対に取引画面から目を離せないということはありません。

スイングトレードのメリットは、数日から数週間の取引の前提のため、取引の結果が出るまでの時間的拘束が短く、効率的に資金を増やせる可能性があることです。

また仕事などでザラバを常に監視できない忙しい人でも、株式投資ができることも利点と言え、サラリーマンにも適した投資スタイルと言えます。

スイングトレードで重要なことは、エントリーする前に購入価格に対して、どれくらい変動したら利益確定や損失確定を行うか計画をしっかり立てることです。

明確な想定が立てられていない場合、短期売買でエントリーしたにも関わらず、想定外の値動きになったため、仕方なく中長期目線に変えてしまい、その結果として塩漬けとなり身動きが取れなくなる可能性があります。

取引するにあたって、準備がしっかりとされていれば、リスクは抑えることができる取引手法です。スイングトレードも自分の取引ルールを定め、しっかりと守ることが必要となります。


<長期保有>

数か月から数年単位、長い場合は数十年単位の保有を目的とした中長期目線の投資スタイルです。
株価の変動の差益であるキャピタルゲイン狙いの面もありますが、保有期間中の配当や株主優待といったインカムゲインも狙える投資手法です。

短期的な株価変動を気にすることなく、自分のペースで株式投資を行なえるため、精神的なストレスもあまりないことがメリットです。投資の結果が出るまでの期間が長いことは、デメリットと考える人もいますが、途中で投資戦略を修正できる点は、他の投資スタイルに比べて優位性があるとも言えます。

集中的に資金を投下するのではなく、購入時期の分散が適正に行えれば、購入価格は平均化され時間を味方につけてじっくりと投資することができるため、投資初心者には向いている投資スタイルと言えるでしょう。

余剰資金で小額から株式投資を経験することで、投資リテラシーも向上し、勝率が高くなることも期待できます。


今回は4種類の投資スタイルについて解説してきました。それぞれにメリット・デメリットがあり、その人により向き不向きもあります。この機会に自身の資金量やリスク許容度、性格を分析し、より良い投資スタイルを研究してみてはいかがでしょう。