金利と不動産投資の関係性とは?金利上昇局面での考え方について

金利と不動産投資の関係性とは?金利上昇局面での考え方について|リビングコーポレーション

 

最近、マーケット全体が金利の動きに敏感になってきています。金利上昇は、不動産投資にも大きな影響を及ぼす要因の一つです。今回は、金利と不動産投資の関係性と、金利上昇によるメリット・デメリットを解説していきます。



<金利上昇の背景>

金利は中央銀行の政策経済の健全性、インフレーション率の変動など影響を受け特にアメリカの金融政策決定会合後の発表は、世界中のマーケットに大きな影響をもたらしています。

様々な経済指標の変動が金利上昇を引き起こし、それが不動産市場にどんな影響を及ぼすを理解することは大切です。

 

金利の変動は経済状況を反映しており、通常、金利上昇は経済が好調(好景気)であることを示すとされています。

景気が良い時に物価は上昇しやすい傾向があり、インフレ対策として中央銀行金利を引き上げることがありますが、これは金利上昇の背後にある要因の一つです。



<金利と不動産投資>

不動産投資は、安定した家賃収入(インカムゲイン)を得られる手段として広く認知されており、最近は不動産価格上昇による売買差益(キャピタルゲインを得る投資家も増えていますが、一般的に不動産投資は金利上昇局面に弱いとも言われています。

 

金利が上昇すると、不動産市場にどのような変化がもたらされるのでしょうか

金利上昇が不動産市場に及ぼす影響を正確に評価することは、投資家にとって重要なポイントとなります。



<金利と不動産価格の相関関係>

一般的に、金利と不動産価格は逆相関の関係にあります。

金利が上昇すると、住宅ローンの金利も上昇し、不動産の購入が難しくなります。

これが、不動産価格に下落圧力をかける大きな要因と考えられています。

 

この逆相関関係は、金利上昇時不動産市場において価格の変動が起こりやすいことを示しています。

金利が上昇すれば、住宅ローンのコストが高くなり、借入金額が増えるため、おのずと金融機関のローン審査も厳しくなります。

不動産投資をする場合のほとんどは、金融機関から融資を受け、不動産ローンを組んで物件を購入しますが、ローン審査の厳格化による住宅需要の減退や、コストの増加による利益の減少などの不動産価格下落リスクによって、新規購入の不動産市場への参入難しくなります。



<不動産ローンと金利上昇の影響>

不動産ローンとは、建物や土地といった不動産を担保にして借り入れできるローンを指しますが、不動産購入を目的とした不動産ローンは、次の2種類に分けることができます。

 

・住宅ローン

住宅ローンは、自宅の購入や増築などにかける居住用物件専用のローンで、投資用の不動産ローンより低金利で融資を受けることができ、住宅ローン控除(減税などの優遇措置も大きことが特徴です。

 

・不動産投資ローン(アパートローン)

不動産投資ローンは、一般的に、アパートやマンションなどを投資用(自己の居住目的以外)で購入する際に利用できるローンです。

住宅ローンと比較すると、ローンの利率は高く減税措置もありませんが、住宅ローンよりも高額な融資を受けられる点が特徴です。

自己資金に融資をプラスすることでレバレッジ効果を利でき、より大きな取引が可能となります。

一方で、不動産投資ローンは審査の基準細く、期間も長引くことが多く、中には審査が通らず融資が下りないこともあります。

 

住宅用も投資用も、不動産購入する際には、ほとんどの人がローンを活用します

したがって、金利上昇時には金利動向の様子見から買い控えが発生する想定されます。

従来の低金利環境では、低金利ローンの利用が一般的ですが、金利上昇時には資金調達が難しくなるため、新たな方法を考える必要が生じます。

 

また、すでにローンを組んでいる人にとっては、金利上昇によ返済額増加インフレの影響、家計圧迫される可能性が出てきます。



<金利上昇が不動産市場に及ぼす影響>

金利上昇は、不動産投資市場に大きな影響を及ぼす可能性があります。

急激金利上昇すると、これに伴不動産価格も急激に変動する可能性があり、不動産市場全体に不安定性が生じ、売買が成立しないケースも起こり得ると考えられます。

このような状況の場合、投資家はリスクを慎重に評価し、資産の価値選定に注意を払う必要があります。



<金利上昇時の対応策とは?>

金利上昇環境では、ローンの返済負担が増加するため、個人に限らず企業においても新規プロジェクトの資金調達が難しくなり、新たな資金計画を立て直す必要が生じます。

 

例えば個人であれば、借入時の金利を一定期間または完済まで継続できる長期固定金利のローンを検討することで、金利上昇に伴うローン返済額の増加のリスクを軽減できます。

金利の固定期間中は返済額が変わらず、あらかじめ金額が把握できるため、資金計画が立てやすいというメリットあります。

 

一方、変動金利型のローンは固定金利比べ低金利ですが、金利上昇の影響を受けやすいというデメリットがあります。

金利上昇時には、変動金利から固定金利への借り換えや、繰り上げ返済を検討することも、リスクの軽減に繋がります。

 

資産の再評価や支出の最適化を通じて、金利上昇に対する柔軟性を高めることが大切です。



<キャッシュフローの変化>

不動産投資におけるキャッシュフローとは、家賃収入からローンの返済や各種経費を差し引き、最終的に手元に残る現金を意味しますが、不動産投資の成功には、このキャッシュフローの健全性が不可欠です。

 

金利はキャッシュフローに大きな影響を与えるため、金利が上昇し住宅ローンの返済額が増加した場合、不動産オーナーは賃料を引き上げる選択をせざるを得なくなる可能性があります。

また、保険料や運営コストも増加する可能性あるため、キャッシュフローの変動を正確に把握し、投資戦略を立て直す必要が出てきます。



<金利上昇のメリット>

金利上昇は、不動産市場へポジティブな影響をもたらすこともあります。

 

低金利時代である近年は、不動産価格も高騰し続けていますが、金利が上昇することで、不動産市場の健全性たれ、過度な価格上昇抑制される場合があります。

不動産が適正な価格で安定すること、新規購入層の市場への参入容易になること予想されます。

これは、不動産投資市場の拡大と安定性向上に繋がるかもしれません。



今回は、金利と不動産投資の関係性と、金利上昇がもたらすメリットデメリットについて解説してきました。金利上昇が不動産投資に与える影響は大きく、地域や市場の状況によっても影響は異なるため、リスクを慎重に分析し対応することが重要です。日本ではまだ当面の間、低金利が続くと予想されますが、今後、金利上昇に転じる可能性あります。こうした状況に備え、金利の変動に適応できるよう資金計画を見直し、修正していくことも大切です。