【FIREの投資】資産を守る段階の投資の考え方とは?

FIREの投資 資産を守る段階の投資の考え方とは?|リビングコーポレーション

こんにちは。FIRE達成者Kです。
今回は資産を増やす段階の積極的にリスクを取った投資ではなく、FIREのような資産を守る段階の投資の考え方と手法についてお話しさせていただきます。
リスクが比較的低く、投資元本を棄損させないことを目的にする投資手法ですので、投資初心者の方にもぜひ参考にしていただければと思います。


<資産を守る段階とは?>


先ずFIREとは、年間生活費の25倍の資産を形成し、それを投資により年利4%で運用し投資元本を減らさずに、収入>支出の状態にすることを目指すライフスタイルです。FIREをする段階で資産形成ができている前提のため、この資産力を活かして不労所得を得ていく仕組みです。

このようにFIREは、資産を元手にして「お金に働いてもらう」という考え方の元に成り立っているため、元本となる資金を減らすことは一番避けたいことです。労働が自身の健康が無ければ収入を継続的に得ることが難しくなるように、不労所得を得るには自身の資金が保たれることが重要なポイントです。

つまりFIREは、「資産を増やす段階の投資」ではなく、「資産を守る段階の投資」を考えて実践していかなければなりません。FIRE以外の人は関係がないように思うかもしれませんが、誰でも投資により資産を減らしたくないと考えているはずです。特にマーケットが特定の要因により不安定な際は、資産を守ることに重点を置くことが得策だと言えます。


<資産を守ることの重要性>


マーケットでは定期的に予期せぬことが起こります。数年前に感染症の世界的な流行や、地政学的リスクによる混乱を予測できた人はいないはずです。人生もそうかもしれませんが、何が起こるかわからない中でも計画性を持って生き抜かなければなりません。

投資は長期間おこなうことで、勝率が高まってくることは過去のデータが証明しています。つまりマーケットに継続的に参加することが、資産を増やす可能性を高めることだと思います。

投資において一番やってはいけないことは、自身のリスク許容度を超えた投資です。最悪の場合、1回の取引で全ての資産を失う可能性もあります。こうなると、給与収入での入金力があったとしても、精神的に前向きに相場と向き合うことは困難になってしまいます。

私は、投資とは予測できない不確実性との共存だと思っており、その中で成功することもあれば、失敗することも必ずあると考えています。大きな資金を運用する投資のプロや、有名な敏腕投資家でも百戦百勝の人はいないはずです。必ず失敗の経験があり、その経験を活かして成功を収めています。彼らに共通することは、失敗してもマーケットに参加し続けていることです。

たとえ一時的に損をしたとしても、マーケットから退場せずに参加できるだけの資産を守っていれば、いつか取り戻せる可能性は充分にあります。不確実性の中で資産を管理することこそが将来の資産形成に繋がると思います。


<分散投資の考え方>


投資の有名な格言のひとつに「卵は一つの籠に盛るな」があります。これは、一つの金融商品だけに集中投資せず、複数の商品に分けて投資して、リスクを分散しなさいという意味です。

分散投資の考え方には、「商品の分散」「地域の分散」「時間の分散」などの考え方があります。それぞれ理にかなった手法だと思いますが、これも世界の経済環境や社会情勢に大きな影響を受けます。現在の状況を分析し、最適な分散を考えることが重要だと思います。


<環境に見合った分散法とは?>


コロナウイルス感染拡大により、世界経済は大きな影響を受けました。まだ終息したとは言えない状況ですが、マーケットは次の段階を織り込みにいっていると見られます。次の段階とは、経済政策を緩和から引き締めに変化させてきていることです。

世界の主要国はコロナウイルスの経済的影響を少なくするため、様々な金融政策を緩和しています。それによりマーケットは回復し、経済指標にも良い指標が出てくるようになり、同時にインフレリスクが意識され始めました。アメリカの中央銀行は利上げを示唆し、マーケットは政策金利上昇を織り込んだ価格になってきています。

このように経済政策の変化によりマーケットの状況も変化します。この環境の変化を機敏に読み取り、最適な行動をとることが投資家に求められることだと思います。マーケットの状況に変化があるということは、その投資手法も変化させなければなりません。

分散投資も投資手法のひとつなので、見直しが常に必要だと考えます。例えば、アメリカの金利が上昇するのであれば、日米の金利差が開き円安になることが予測できます。実際に利上げ観測からは円安状況になり、円安へ向かうスピードも早くなっています。

では、この円安になってきている状況で取れる行動は、「通貨の分散」だと思います。日本で働いている場合、ほとんどの人が円資産で給料をもらっています。つまり円に集中投資している状況と言えます。円安になるということは、円の資産価値は下落しているので、リスクを抑えるためにドル資産を持つことは有効な分散投資となります。


<価格変動の有無の分散>


環境の変化により、分散の手法も変更することは有効ですが、これは資金面だけでなく精神面にも言えることです。

最近はさまざまなリスクからマーケット全般が不安定になってきています。マーケットが不安定になると起こる特徴は、大きな材料が無くても乱高下を繰り返し、一日の価格変動幅も高くなる傾向になることが挙げられます。

資金の大部分を価格変動がある金融商品に投資している場合、日々10%を超える増減を繰り返すことも珍しくありません。人は誰でもそうですが、資金が増えることは許容できますが、確定損ではないものの大きく資金が減っていることをなかなか許容することができません。

これは慣れの問題かも知れませんが、大きな資金を投資に回している場合、資金が減少することにより精神的に疲弊してしまい正常な判断ができなくなってしまうことも考えられます。投資はメンタル面に大きく左右されるものです。

これを防ぐためには、価格変動がない金融商品にも分散投資することが最適だと思います。具体的には、私も投資している不動産クラウドファンディングは価格変動がありません。日々、一喜一憂することなく、良いファンドを選ぶことができれば待つだけの投資で精神的にも楽に過ごせるメリットがあります。

古くから考えられている商品の分散として有名なのは、株式と債券の組み合わせです。価格変動の大きい株式と、比較的価格変動が小さい債券の組み合わせは有効ですが、最近は株式も債券も同時に大きく値を落とすことも多く見られる光景です。完全に価格変動がない新しい商品との組み合わせの方が、資産を守る投資を考える上では有効だと感じます。

今回は資産を守る段階の投資についてお話ししてきましたが、最近は市場環境や経済状況が変化する速度も速くなってきている印象があり、変化に柔軟に対応できないと資産を守ることができない時代が来ているのかもしれません。

資産を増やす段階の投資では、ある程度のリスクテイクは必要だと思いますが、まだ投資初心者やFIREのような資産を守る段階の投資の場合、いかに資産を減らさないかを目標のひとつにしていくことも重要だと思います。