投資の失敗しやすい取引の傾向を解説!

投資の失敗しやすい取引の傾向を解説!|リビングコーポレーション

投資を実践する中で、失敗に終わる取引は必ずあります。大きな資金を動かす機関投資家や、有名な個人投資家も失敗した経験がない人はいないと思います。しかし、その頻度が多いと損失が大きくなり、精神的にも投資を続ける気持ちが失せてしまうかもしれません。このような失敗に終わる取引は、どのように起こるのでしょうか。今回は、投資の失敗する取引の原因と対策を解説していきます。

 

<他人の情報を鵜呑みにする取引>

最近はSNSやブログで投資に関する様々な情報も簡単に入手することができます。有益な情報もありますが、中にはポジショントークと言われる何らかの意図を持った、買い煽り、売り煽りの発信もあります。

 

知らない人の情報を鵜呑みにして、自分自身が理解していない商品や銘柄を取引することはリスクの高い投資で、思わぬ大きな損失を被る可能性がある行動と言えます。株式や為替、暗号資産(仮想通貨)は日々価格変動があるため、得た売買情報と全く同じポジションを持つことはほぼ不可能です。情報発信者の中にはすでにポジションを持っていて、高値で売り抜けたい思惑で買い煽りの発信をする場合も考えられます。

 

これを防ぐためには、他人の発信する情報は参考程度にとどめ、具体的な売買に関しては真似をしないようにすることが大切です。投資は自己責任であり、他人には何の責任もありません。ネット上で得た情報をすべて信じて、おすすめされている金融商品や銘柄を理解せず売買することは、やめたほうが良い投資手法と言えます。他人に流されることなく、自分で情報の分析ができ、納得して投資判断ができるまでは大きな取引は控えたほうが無難です。

 

これはインターネット上の情報だけでなく、証券会社や銀行からの情報も同様です。証券会社の営業マンや銀行員は金融のプロですが、相場は水ものという言葉もあるように、マーケットには不確実性があります。想定を超えた予測もできない事柄が起こる可能性もあります。いくらプロがお勧めしている銘柄や金融商品でも、100%利益を得られる取引にはなりません。お勧めされた商品だから大丈夫という考えは危険です。その銘柄や商品に対して、十分に理解し、リスクとリターンを考えた上で、購入や取引をすることが重要と言えます。

 

<話題のテーマ銘柄に投資しすぎること>

市場が注目するテーマに関連する銘柄は大きく値上がりする可能性があります。テーマ関連銘柄を取引することは悪い事ではありませんが、重要なのは売買のタイミングです。注目テーマを知るタイミングによっては、完全に値上がりした後に買ってしまうことがあります。いわゆる天井買いとなり、その後は大きく値下がりし、損切りすることさえできなくなってしまうことはよくある話です。特に大きく値上がりしている銘柄は、価格上昇とともに変動幅も大きくなっているため、短い期間で数十パーセントの価格変動も考えられます。このようなボラティリティの高い銘柄やセクターに多くの資産で売買することは、大きく資産を増やす可能性がある一方で、大きく資産を減らしてしまうリスクも考えられる取引ということを理解する必要があります。

 

これを防ぐためには、自身のリスク許容度を知る必要があります。人は資産が増えることはもちろん許容できますが、資産が減ることは許容しにくいものです。しかし投資は元本保証ではないため、資産が減る場合のシミュレーションをすることも必要です。リスク許容度は自身の資産規模や考え方、投資手法により異なるため、投資する前にしっかりと考えることが大切です。

 

また直近の値動きが大きな変動をしている銘柄や金融商品への投資は、資産の何割までしか投資しないというルールを設ければ、想定の範囲内での損益で取引を終了することができるため、資産を必要以上に減らすことはありません。テーマ株や関連銘柄への投資は、集中投資するのではなく、分散の一環として小額で行うことが安全だと思います。

 

<資産量を超えた取引>

株式投資の取引のなかに信用取引があります。信用取引とは、証券会社に預けた現金や株式を担保(証拠金)にして、この金額の3.3倍ほどまで株式の取引ができる制度です。これをレバレッジ取引と言います。レバレッジとは「てこの作用」の意味です。

 

信用取引のメリットは少ない資金でもレバレッジを活かし、自身の資金の3.3倍ほどの取引ができることです。このことで少ない資産でも大きな取引や株数を増やす取引ができ、資産を大きく増やせる可能性があります。しかし証拠金取引のため、証拠金維持率が一定以下になった場合、強制的に建玉が決済される場合があります。また信用取引ならではの手数料がかかる場合があります。

 

信用取引を利用するうえで一番気を付けないといけない点は、何らかの理由で価格が急変した際や、ストップ安になった場合、強制的にロスカットされるラインで取引が成立せず、建玉が決済することが出来ない時があります。この場合、差し入れている証拠金以上の損失を被る可能性があります。証拠金取引以外の現物株式取引や、ほかの金融商品では自分の資産以上の損失は基本的にはありません。10万円で現物株式取引を始めた場合、考えられる最大損失は10万円と確定できます。しかし信用取引は自己資金以上に損失が出て、追証(追加保証金)を差し入れないといけない事態が発生する可能性を理解して取引しなければなりません。

 

最大損失額が確定できない取引方法となりますので、自身のリスク許容度以上の損失を被る可能性が想定されるため、資金管理は難しくなります。投資初心者や取引資金が少ない場合、信用取引は行わないほうが安全だと思います。資金が少ない中で信用取引した場合、少しの値動きでも証拠金維持率が下がる速度も速くなります。信用取引を有効に利用し、資産増加のスピードを速くできることは一つの投資手法ではありますが、短期間で資産を増やそうという考えは、反面で資産を短期間で失う恐れもあるということで危険な取引になる可能性があります。

 

<短期売買を繰り返す取引>

株式取引の手法に1日に何度も売買を繰り返すデイトレードがあります。デイトレードは短時間に何度も繰り返し売買する場合が多く、その都度、損失や利益も繰り返されるため資金管理も難しく、一般的には難易度が高い取引とされています。

 

デイトレードに参加している投資家の中には、取引のプロである機関投資家や、大きな資金を持った個人投資家がいます。デイトレードには独自の相場を読む力と資金力が求められ、瞬時の判断を繰り返す能力も必要となります。デイトレードでライバルとなる投資家は投資経験と高いトレードスキルを持っている場合が多く、資産と経験が少ない人が常勝できる環境にはありません。

 

投資は中長期目線で少しずつ行った方が勝率も高くなるため、超短期の売買はできるだけ避けたほうが安全です。しかし資産を大きく増やす機会があるのも事実で、デイトレードを行う際は決められた資金で、ロスカットのラインを決めた上で取引することが重要です。

 

今回は損失がでやすい取引や投資手法をご紹介しました。いずれの場合も、自分の資産規模や取引のルールを決めた上で売買することが大切だと思います。投資の大きな目的は資産を増やすことですが、すべての取引がうまくいくわけではありません。失敗を受け入れ、その原因を検証し、次回の取引に活かせることができれば勝率は上がってくると思います。成功体験と失敗体験を繰り返し、少しずつ成長できることも投資を行う上での魅力のひとつだと思います。