株式投資と不動産クラウドファンディング投資の税金や手数料について解説!

株式投資と不動産クラウドファンディング投資の税金や手数料について解説!|リビングコーポレーション

 

株式投資や不動産クラウドファンディング投資で得た利益に対しては税金がかかります。
投資を行う前に、取引に関わる手数料や税金がどれくらいかかるのかを確認することは、資金管理の目安にもなります。
今回は、投資の利益にかかる税金と、取引に関する手数料について解説していきます。

 

<所得の種類とは?>

税法上、所得の種類は10種類あります。
その種類は、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得と、これらに当てはまらない所得の雑所得の計10種類です。

 

<株式投資の税金の種類は?>

株式投資の利益には、株式の売買差益による譲渡益と、所有している期間に払われる配当金の二つの利益があります。
譲渡益は譲渡所得、配当金は配当所得に当てはまります。

株式の売買差益には、原則としてこの利益以外の所得と分けて(申告分離課税)、20.315%の税金が課税されます。
税率20.315%の内訳は、所得税が15.315%、住民税が5%です。

所得税は、2037年まで東日本大震災の復興特別所得税が15%に対して2.1%上乗せされ、計15.315%となっています。
株式を売買して、その差益にかかる税金のため、確定していない利益(含み益)には課税されません。

例えば、1,000円の株を100株購入し、1500円に値上がりした際に100株すべて売却した場合、

1,500-1,000=500(差益)
500×100株=50,000円(売却益)
50,000×20.315%=10,158(税金)
50,000-10,158=39,842(税引き後利益)

となります。手数料は含んでおりません。

配当金の利益にも、原則として譲渡益と同じく20.315%の税金が課税されます。
上場株式の配当金の場合は、総合課税、申告分離課税、申告不要を選択することができます。

例えば、配当利回り2%の株式を100万円分所有している場合、

100万円×2%=20,000(配当金)
20,000×20.315%=4,063(税金)
20,000-4,063=15,937(税引き後の配当利益)

となります。

なおNISA口座での取引に関しては、5年の非課税期間があり、この間は譲渡益、配当金共に税金はかかりません。


<株式で損失が出た場合は?>

株式の取引で損失が出た場合、この譲渡損失を翌年以降3年の期間に渡り、繰り越すことが可能です。この繰り越し3年の期間で、利益があった場合は、相殺することができます。
ただし、この制度を利用するには、この期間中、毎年確定申告をする必要があります。


<株式の特定口座と一般口座>

株式取引の口座を開設する段階で、証券会社の口座を選ぶことができます。
口座種類には3つあり、特定口座(源泉徴収あり)、特定口座(源泉徴収なし)、一般口座があります。

特定口座(源泉徴収あり)を選べば、証券会社が損益の計算を行い、年間取引報告書を作成してくれるため、確定申告が不要になる場合もあります。
特定口座(源泉徴収なし)、一般口座での取引は、原則的には確定申告が必要となります。


<不動産クラウドファンディングの仕組み>

不動産クラウドファンディングは、現物の不動産投資を小口化した投資商品です。
インターネットを通じて投資家から資金を募り、事業者は不動産物件を取得し、運営と管理を行います。
この不動産運用から得た賃料収入や、不動産売却益などを分配金として投資家に支払う仕組みです。

日々の価格変動がなく、投資後も管理の必要が無いこと、小額からでも投資できることなどメリットが多く、注目を集めている商品です。


<不動産クラウドファンディングの税金>

不動産クラウドファンディングは、分配金が投資家に支払われる際に、事業者が源泉徴収を行います。
所得税と復興特別所得税の20.42%が源泉徴収された後の金額が投資家の口座に振り込まれます。

例えば、4%の想定利回り、運用期間12か月のファンドに100万円投資し、ファンドが無事に償還された場合、

100万円×4%=40,000(分配金)
40,000×20.42%=8,168(税金)
40,000-8,168=31,832(税引き後の分配金)

となり、投資家は税引き後31,832円のリターンを得られることになります。

不動産クラウドファンディングの分配金は、税法上の雑所得に分類されます。
株式投資の譲渡所得、配当所得とは別の所得分類になることを理解したうえで投資することが重要です。
雑所得は総合課税の対象となり、投資家によっては確定申告が必要になる場合があります。

基本的に確定申告が必要な場合は、雑所得が20万以上ある場合、給与収入が2,000万円を超えている場合などが挙げられます。
確定申告については、税務署や税理士に問い合わせるか、国税庁のサイト等を参照してください。


<不動産クラウドファンディングで損失が出た場合>

不動産クラウドファンディングの損益は雑所得にあたるため、株式投資のように繰越控除できないことは注意が必要です。
また雑所得は、その他の所得から差引損益通算はできません。
投資により損失が出た際は、雑所得内での損益通算は可能です。


<取引にかかる料金について>

株式投資と不動産クラウドファンディング投資の税金を解説いたしましたが、投資を行う際はその商品の特徴と、税金、取引にかかる料金をしっかりと理解することが大切です。

株式投資は証券会社によって、売買の手数料が大きく異なります。
ネット証券で安い手数料の会社から、店頭口座で高額な手数料の証券会社もあります。

また株式投資の信用取引は、現物取引とは異なり信用金利や貸株料などがかかる場合があります。
信用取引は、比較的安い手数料となり、売りから入れるメリットがありますが、売買手数料以外に発生する料金を理解することも大切なことです。

投資をする際には、取引にかかる料金や税金を含めた損益をしっかりと計画することが重要です。
事前にこのシミュレーションがされていないと、思惑と違う展開になった際でも損益を確定できなくなる恐れがあります。


<不動産クラウドファンディングの手数料>

不動産クラウドファンディングを運営している事業者に口座開設をした場合、口座開設料金や口座維持や管理に関する料金はかかりません。

開設した口座へ入出金する場合は、手数料がかかる場合があります。
事業者によっては特定の銀行間の手数料が無料になる場合がありますので、振込手数料が無料や安くなる方法を確認してみることで、お得に投資できる可能性があります。

不動産クラウドファンディングのファンドへ投資する際は、株式や投資信託でかかる場合が多い購入手数料や買付手数料はかかりません。

株式投資や投資信託では、様々な手数料がかかる場合があり、投資自体は上手くいっても、手数料などを差し引くとマイナスになってしまう、いわゆる手数料負けも発生します。

不動産クラウドファンディングは取引にかかる手数料などが発生しないため、投資前にファンドが上手くいった際のリターンが確定しやすいというメリットがあります。


最近は投資商品の種類も増え、色々な商品に手軽に投資できるような環境になってきました。
それぞれの投資商品の特徴、取引にかかる料金や税金を理解し、資産運用に組み入れていくことは、有効な投資手法だと思います。