元本保証は信用して良いの?株式投資や投資信託との関係を解説!

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元本保証とは経済ニュースなどで、時折目にすることがある言葉ではないでしょうか。元本保証という言葉をきちんと理解していると、投資系のトピックをより正確に読み解くことが可能となります。

 

本文ではその元本保証や各資産運用との関わりについて解説していきましょう。元本保証とは経済ニュースなどで、時折目にすることがある言葉ではないでしょうか。元本保証という言葉をきちんと理解していると、投資系のトピックをより正確に読み解くことが可能となります。本文ではその元本保証や各資産運用との関わりについて解説していきましょう。

 

元本保証とは

まず、元本とは金融商品の購入や投資のために支払った元手の金額を意味します。そして、元本保証とは文字通りその元手の金額が保証される仕組みです。


通常、投資は運用期間中にその金融商品の価値が変動し、元手と比べてより高い価格になることもあれば、元手を下回る価格となる可能性もあります。よって、元手より低い価格のタイミングで売却してしまうと、投資した本人にとって売却損が発生してしまうのです。


しかし、元本保証が設定されている状態では運用期間終了後、確実に元手の金額分は手元に戻ってきます。そのため、元本保証は投資者にとって、マーケットの状況に関わらず一定の安全が保証される仕組みと捉えることもできます。


しかし、100%元本保証と言える投資方法は非常に少なく、銀行が破綻しない前提では、銀行への普通預金と定期預金がその要件を満たす資産運用方法です。この2つは非常に利回りが低いため、まず投資対象という視点では捉えられていないのが現実です。


また、正確には元本保証と言い切れないものの、実質的に限りなく元本保証に近いという投資対象も存在します。


ただ、ここで注意しければならないのは、極めて安全であるという性質を謳った金融商品のキャッチコピーを見た際、資産運用をしようという人間が100%元本保証されるものだと勝手に思い込んで、投資判断を行ってしまうケースがあるということです。


安全性が高い資産運用方法であっても、社会経済的に思わぬ事態が発生するとその影響で元本割れが起こる可能性もゼロではありません。


元本保証と株式投資の関係

上述したように、完全に元本保証と言える資産運用方法は普通預金と定期預金しかありません。定期預金であっても、その利回りはわずか0.01%にすぎず、資産を増やすための投資対象と呼ぶにはあまりにリターンが乏しいというが実態です。


それに対して、大きく資産を増やすことにつながる投資方法として代表的なのが株式投資です。株式投資は経済の動向や人々の投資心理からも容易に影響を受けてしまう程、変動の激しい投資対象です。


そのため、保有する株式の価値が元手の金額を下回ってしまう元本割れという事態も十分に起こる可能性があります。また、株式は民間企業が発行する債券であるため、その民間企業の経営が行き詰り最悪倒産してしまうと保有している株式が紙くず同然になってしまうというリスクも無視できません。


それでも、株式が人気の投資対象であり続けているのは、短期間でも一気に利益を得ることができる投機性に優れているからです。


そして、株式はインフレに応じてその価値も上昇する傾向が強いため、インフレで生じる各種損失を補って余りあるリターンをもたらしてくれるという側面もあります。


いずれにせよ、元本保証という仕組みとは程遠い資産運用方法である株式投資ですが、ハイリスクの分、他の投資対象にはないメリットを有しているということも確かです。


元本保証と投資信託の関係

投資信託は、比較的リスクを抑えることができる投資方法です。そもそも投資信託とは、複数の投資家が拠出した資金を、運用会社の資産運用の専門家が、株や金融派生商品そして不動産などに投資し運用を行い、その運用成果を投資家たちに還元する仕組みとなっています。


まず元手の資金を複数から募るという点、そして資産運用の専門家が運用を行うという点、さらに投資対象は多岐にわたりリスクをカバーできるという点、こうした特徴から安全性の高い投資対象だと理解できるはずです。


しかし、先述した投資信託の特徴を見直してもらえればわかる通り、元本が保証されるという要素はどこにも見当たりません。実際、運用のプロの腕前でもカバーしきれないような、突発的な市場変動が起きた場合は、損失が大幅に膨らみ投資家にとって元本割れという事態が起こりうるでしょう。


ただ、投資信託商品のバリエーションは非常に豊富で、同じ投資信託であっても、リスクが高めでハイリターンが望めるものから、リターンはそこそこでも高い安定性を期待できるものまで、投資家の方針に応じて選択することができます。


また、たいていの投資信託はどの分野に重点的に投資するのかテーマが定められており、直接的な資産運用は第3者に委ねますが、その商品選びという点では資金を拠出する投資家自身の判断も重要になってきます。


元本保証と保険の関係

資産運用方法の中で、極めて元本保証に近い資産運用方法は、保険の中でも円建ての貯蓄性保険となります。円建ての貯蓄性保険は条件付きで元本保証が実現できる運用方法で、その条件とは満期まで保険料を払い続けるということです。


こうした仕組みは、元本保証と区別して「元本確保」と表現されることもあります。この元本確保とは上述の円建て貯蓄性保険のように、満期時点において元本を確保できるように設計されているものです。


そして満期前、運用期間中に解約する場合は、その運用成績の状態によって元本割れとなる可能性があります。このように条件次第で元本割れすることはない貯蓄性保険ですが、明らかにその利回りは小さく、いつでも換金できるという意味での流動性もありません。


もう少し運用益を増やしたい場合は、外貨建の保険という選択肢もありますが、為替変動という元本割れリスクが新たに加わります。


こうした観点から保険などの金融商品を勧める際は、業者側もコンプライアンスをしっかり守って商品の告知を行っているケースがほとんどのはずですが、如何せん元本保証型と元本確保型はその文字から想起されるイメージを含めて非常に似通っています。


購入者の側としても、そうした安全と称される金融商品のタイプとは、果たして元本保証と元本確保いずれに該当しているのか、後々のトラブルを避けるためにも念入りに確認を行う姿勢が大切となります。


元本保証が崩れてしまうケース

銀行預金や定期預金、そして円建て貯蓄性保険などは、無条件もしくは条件付きで元本保証されている資産運用方法と言えます。ところが、資金の預け先の金融機関や保険会社が万一破綻してしまうようなことがあると、安全とされていたはずの元本の保証が危うくなるという事態が発生します。


そうした場合に備えて、一定のセーフティーネットとなる預金保険制度という仕組みが存在します。この預金者を保護する制度により、利息の付く普通預金や定期預金、いわゆる元本保証と謳われていた資産運用は、合計1000万円までとその利息分が保証してもらえます。


この枠を超えてしまった額については、残念ながら破綻した金融機関の状況次第で預金者の元に戻ってこないケースもあるとされています。この合計1000万円とは、同一名義の預金者による全資金を合算して算出される金額です。


よって、同一金融機関の複数口座に800万円ずつ入っているという場合、トータルでは預金額の保護範囲を超えてしまうため、この制度をもってしても元本は保証してもらえません。


また、生命保険会社破綻の場合は生命保険会社保護機構の存在により、生命保険会社の責任準備金の90%までが保護されるという仕組みがあります。


これにより元本100%の保証には及ばないまでも、万一のケースでも元本にある程度近い金額の保証が行われるであろうということが推察できます。


元本保証だけで全てを決めない

元本保証の資産運用と聞くとそれだけで安全性が高いイメージが付いてまわりますが、実際の所はその金融商品の特徴や経済状況に応じて、様々なイレギュラーなケースが存在する可能性も否定できません。投資者や預金者自らがその資産運用を理解して納得できた状態で意思決定を行う姿勢が最も必要とされるでしょう。