資産形成をする上で注意が必要な金融商品と投資手法を解説!

資産形成をする上で注意が必要な金融商品と投資手法を解説!|リビングコーポレーション

資産形成を行う上で、色々な金融商品に分散投資することは有益な手法です。しかし、一部の銘柄や金融商品の中にはリスクが高く、複雑な仕組みの商品もあります。思わぬ損失を防ぐためにも、それぞれの特徴を知り、メリット・デメリットを理解してから投資することが重要です。今回は資産形成で注意が必要な金融商品を解説いたします。


<仕組債>

以前は富裕層向けの商品で、証券会社の店頭口座での販売が多い印象でしたが、最近は一部ネット証券でも購入できるようになっています。

仕組債は文字通り、債券の種類のひとつにはなりますが、一般的な債券とは異なる特徴があります。一般的な債券は、株式よりもリスクが低いとされていますが、仕組み債はハイリスク・ハイリターンの商品と認識されています。

仕組債は、金融派生商品(デリバティブ)を組み入れて運用されている債券で、比較的高利回りが特徴です。特定銘柄の株価、為替や株価指数と連動する商品構成になっており、これらの指数の値動きにより、運用期間や償還日、利回りも変動する特徴を持っています。

仕組債で最も注意が必要な点は、「ノックイン」判定になると、出資した元本が大きく棄損する可能性がある点です。ノックインとは、事前に設定された下落率の範囲を超えた場合に判定されるラインで、ノックイン後には元本が大きく棄損した状態で償還されることもあります。

仕組債は、一般的に認識されている債券とは性質が異なり、利回りや運用期間なども変動するため、理解せずに投資した場合、思わぬ大きな損失に繋がる場合があります。一般的な債券に比べ、ハイリスク・ハイリターンの商品となるため、想定利回りにだけ目を奪われないように注意する必要がある商品です。

もちろん仕組債のすべてが悪いわけではなく、仕組債で利益を得ている投資家も多数存在します。大切なのは、投資しようと検討している仕組債が、どのようなスキームなのかと、どういう条件になったらどのくらい損益が出るのかを詳しく理解し、自身のリスク許容度と合致するかを考えた上で投資を行うことです。


<レバレッジ型投資信託>

レバレッジ型投資信託は最近ネットを中心に話題を集める商品です。投資信託の種類に入りますが、一般的な投資信託とは性質が異なり、急な値動きになることには注意が必要な商品のひとつです。

一般的に投資信託は、中長期の積立て投資にも向いており、初心者にも最適な金融商品です。一方レバレッジ型投資信託は、普通の投資信託と同じく特定の株価指数に連動するように運用されるファンドですが、その連動にレバレッジがかかっており、2倍や3倍の連動率になるように設定されている点が特徴です。

レバレッジ型投資信託の代表的な商品は、米国のナスダック指数の2倍の値動きになるように運用される「レバレッジナスダック100」が挙げられます。レバレッジとは、元々はてこの原理の意味ですが、それが転じて投資では自己資金の数倍の取引をする手法の意味で使用されます。元手となる資金が少なくても大きな取引ができるため、大きな利益を狙える反面、大きな損失が出る可能性もあるリスクの高い取引です。

またレバレッジ型投資信託は2倍の値動きを目指すため、先物取引にも投資されている点も、一般的な投資信託と異なる点です。先物自体が悪いわけではありませんが、相場が不安定になるとマーケットの変動率も上がる傾向にあります。短期間で大きな値動きになる場合があり、仮に10%値下がりした場合には、倍の20%の損失になります。

基本的にはレバレッジ型の商品は短期での投資に向いており、長期的目線での積立て投資などには適合しないとの見方もあります。「積立NISA」では、レバレッジ型の投資信託は購入できないようになっています。

レバレッジ型の投資信託は短期での投資では有効な場合もありますが、その仕組みや特徴を理解したうえで投資することが重要です。短期での投資で購入した商品が、思惑が外れ大きな下落になった場合、急遽中長期の投資に切り替えることはリスクの高い投資方法と言えます。当初の投資方針通り、短期での投資として損切りを検討することも資産を守る手段のひとつだと考えられます。


<SNSの情報を鵜呑みにした取引>

近年ではSNSなどインターネットでの情報収集が簡単にできるようになっています。投資に関しても同様で、以前であれば、経済新聞や証券会社、投資のプロからのみ得られた投資に関する情報が、SNSを通じて簡単に入手できる時代となりました。

ネットの情報には有益なものもありますが、中には誇張した表現や、買い煽り、売り煽りのような大げさな発信もあり、これらを鵜呑みにして売買することはリスクの高い投資になる可能性があります。

特にある特定のリスクの高い銘柄や投資手法だけを推奨し、他の手法を否定する情報発信には注意が必要です。「この銘柄は今後必ず上がる」「買うなら今しかない」など誇張とも取れる表現を使用した情報には裏がある可能性もあります。

もしその人が本当に株価を正確に予測できる能力があるのなら、全く知らない他人を巻き込まず、自分だけで大きな資産を築くことができるはずです。投資の世界には「必勝法」は無く、どんなに有名な投資家でも予想を外すことはあります。

「必ず儲かる」「月利○%」「年利○○%のリターン」などの謳い文句には注意が必要です。投資は元本保証ではありませんので、絶対ではありません。こういったキャッチーなフレーズを使って勧誘してくる商材やセミナーには注意しましょう。


<短期間での一括集中投資>

投資と聞くと、一獲千金を狙うイメージがあるのは事実です。テレビや雑誌を見ると、投資でかなり儲かった、大損したなど刺激的な報道や記事も散見されます。

短期間に大きな利益を目的にする行為は投機に分類されます。お金を増やすという目的は同じですが、投機は運の要素が強くなり、時にはギャンブルのような行動になる危険性もあります。

短時間に売買を繰り返す取引はデイトレードと呼ばれ、この取引で大きな利益を得るトレーダーも存在します。しかし、短期間で大きなリターンを得られる可能性があることは、反面、短期間で大きな損失を出す可能性もあるということになります。特にデイトレードは経験と瞬間的な判断力、相場を読む力が求められ、誰もが成功できる分野ではないと考えられています。

長期的な資産形成を目的とする投資は、時間と商品、資産の分散が大切です。短期間に一度に一括投資する手法ではなく、購入時期、投資商品、地域、通貨など様々な要素を分散して投資をすることで、リスクをコントロールすることも可能になります。

マーケットは期間限定で開かれているわけではありません。継続的に参加することで、将来的に利益を得られる確率は上がります。資金計画を立てて、少しずつ継続性を持って投資していくことが資産形成に繋がると思います。

 

今回は資産形成をする上で注意が必要な金融商品と投資手法を解説いたしました。投資はマイナスイメージやギャンブルと同一視されることもありますが、これは投機的な行動を指しており、長期的な資産形成の考え方は投機とは異なります。
注意が必要な商品は、基本的には手出ししない、また商品の特徴をよく理解したうえで小額から投資することが重要です。資産形成は正しい考え方と自分なりの投資手法を身につけ、長期的、継続的にマーケットと向き合うことが大切だと言えます。