いま注目のオルタナティブ投資とは?メリット・デメリットを解説!

いま注目のオルタナティブ投資とは?メリット・デメリットを解説!|リビングコーポレーション


最近「オルタナティブ投資」という言葉を見聞きすることが多くなりました。近年では、個人投資家でも利用できるオルタナティブ投資が増えてきている印象があります。今回は、オルタナティブ投資の種類とメリット・デメリットを解説していきます。



<オルタナティブ投資とは?>

オルタナティブ投資とは、株式や債券など伝統資産と呼ばれる投資対象ではない、新しい投資対象や手法のことを指します。

 

英語でオルタナティブ(alternative)は、「代替」「代わりの」という意味合いです。

このことからオルタナティブ投資は、従来の投資対象に代わるものに投資する手法です。

 

従来は機関投資家など投資のプロ向けの印象が強い投資手法でしたが、最近は個人投資家でも利用できるオルタナティブ投資が増えてきています。



<オルタナティブ投資の種類>

オルタナティブ投資は、株式や債券以外の投資対象を指すため、多種多様な商品があります。

 

具体的には、不動産、REIT、プライベートエクイティ(未上場企業の株式)、ヘッジファンド、デリバティブ(先物)、コモディティ(商品)、クラウドファンディングなどが挙げられ、近年では暗号資産、NFTなどブロックチェーン技術を使った商品もオルタナティブ投資の種類です。

 

今回はこの中で、個人が利用しやすい3種類のオルタナティブ投資について解説いたします。



・コモディティ(商品)投資

コモディティとは一般的な製品やサービスを指しますが、投資においては貴金属や農作物、美術品などに投資することを言います。

 

最近は、金(ゴールド)やプラチナなどの貴金属への投資、絵画などアートへの投資が活発になっています。

 

これは世界的なインフレ懸念があることも影響していると思われます。

金などの貴金属への投資は、歴史的にインフレ時には需要が増す傾向があります。

 

一般的にインフレ時は通貨の価値は下がりますが、金の価値は連動しない場合が多くなっています。

このことからインフレ時の現物資産として金を所有することは有効な投資手段とされています。

 

また金には「有事の金」という言葉もあります。

戦争やテロなどの地政学リスクが高まった際は、世界経済の先行きに不透明感が高まり、マーケットは不安定になります。

 

このような状況では、株式や債券などの伝統資産の価値(価格)は下落する場合が多いですが、金は安全資産と考えられているため、有事の際に買われる傾向があります。



・実物不動産投資

不動産投資もオルタナティブ投資のひとつとなりますが、株式や債券と並び伝統的な投資方法として認識されています。

 

株式投資は一般的にハイリスク・ハイリターンとされており、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンの投資手法と考えられています。

 

不動産投資インフレ下で有効な投資手法です。

インフレ時には物価が上がるため、お金の価値は低下する傾向にありますが、不動産は現物資産のため、物価上昇とともに価格も上がる傾向があります。

 

所有している物件を賃貸し、家賃収入(インカムゲイン)を得る投資であるため、物価上昇とともに家賃も上がり、賃料収入(収益)が増える可能性もあります。

 

金利上昇時には融資のローン金利が上昇するリスクはありますが、株式市場の価格変動にすぐに連動しにくいため、分散投資になり得ます。

 

最近は原材料や人件費の高騰、不動産価格自体の上昇もあり、物件購入にかかる初期費用は高くなる傾向がみられ、どちらかと言うと大きな資産を持っている人向けの投資手法とも言えます。

 

 

・不動産クラウドファンディング

不動産クラウドファンディングは、従来からある不動産投資を小口化し、額から投資できる比較的新しい投資商品です。

 

不動産クラウドファンディング事業者は複数の投資家から出資を受け、現物不動産を取得し、管理・運用を行います。

物件の運用で生み出された、賃料収入や売買差益から投資家に分配金を支払う仕組みです。

 

仕組みが単純で投資した資金の流れも明確なため、初心者でも仕組みを理解しやすく投資判断がしやすいことが特徴でオルタナティブ投資の中でも注目度が上がっています。

 

また上場企業やそのグループ会社が参入していることにより、透明性と安全性が高まっており、安心して投資できる環境が整ってきている印象です。

 

前の項目で解説した現物不動産投資は歴史長く安定した収益が期待できる人気の投資手法のひとつですが、一般的に物件を購入するには大きな資金が必要で、ハードルが高い面もあります。

 

一方、不動産クラウドファンディングは1万円程度から投資可能で、インターネットで全て完結できるため手軽に始めることができ、投資後の管理は不動産のプロである事業者が行うため必要ありません。

 

現物不動産で都内の好立地の物件に投資しようとすると、区分投資でも1部屋で1億円ほど必要な場合もあり、1棟投資であれば莫大な初期費用が必要です。

 

個人ではなかなか投資できない、従来は富裕層向けの優良な物件に投資できる点も、不動産クラウドファンディングが注目されている理由と言えます。



<オルタナティブ投資のメリット>

株式や債券などのように原資産の価格変動に連動しない投資手法が多いため、株式投資とオルタナティブ投資を組み合わせることにより、リスクの分散効果が期待できる点は大きなメリットです。

 

以前は株式と債券は相反する動きをする場合が多く、この二つの投資を組み合わせることで分散投資になると考えられていました。

しかし近年では、株安になった際に同時に債券安になるケースもあり、充分な分散投資にならないという見方が広がっています。

 

株式市場が下落相場になると、株式投資で利益を得ることが難しくなります。

しかし、オルタナティブ投資を実践することで、下落相場やマーケットが不安定になっている場合でも、利益を得られる可能性があります。



<オルタナティブ投資のデメリット>

一方で、オルタナティブ投資は種類が多く、中には仕組みが複雑でハイリスク・ハイリターンな商品もあるため、個人で実践するは難しい取引もあるという点はデメリットでもあります

 

株式や債券に対して、オルタナティブ投資は高利回りの商品が多いことはメリットですが、投資においてリスクとリターンはトレードオフの関係性であり、リターンが大きいということはその分リスクも大きくなります。

 

興味を持った投資手法がある場合、それがどのような仕組みで、リスクがどの程度あるのかをしっかりと理解してから取引をする必要があります。

 

よく分からない商品に投資することは、思わぬ大きな損失を被る場合があり、注意が必要です。

投資全般に言えることですが、自身のリスク許容度を知ったうえで、額から投資することが重要と言えます。



今回はオルタナティブ投資の種類とメリット・デメリットを解説してきました。オルタナティブ投資は、株式や債券などの伝統資産と組み合わせることにより、リスクを分散することが期待できます。さまざまな種類があるため、よく商品の特徴を分析し、自分に合う商品を見つけることにより投資の幅を広げることができる投資手法だと言えます。