FIRE達成後の投資がシニア世代からの資産運用に近い理由とは?

FIRE達成後の投資がシニア世代からの資産運用に近い理由とは?|リビングコーポレーション

 

こんにちは、FIRE達成者Kです。今回はFIREを維持するための「資産を守る段階の投資」についてお話いたします。資産を大きく増やす投資ではなく、元本棄損リスクを抑える投資手法ですので、特に50代からの資産運用に活かせる考え方です。

また、投資を始めたばかりの方にも、ぜひ参考にしていただければと思います。



<FIRE達成後の投資の目標は「資産を守ること」>

FIREでは、年間生活費の25倍以上の資産を形成し、それを年利4%以上で運用できれば元本を減らさずに収入が支出を上回る状態になるという考え方基本とします

 

より安定性を優先する場合には想定利回りを2%台に落とし、不足した分を副業や簡単な労働収入により補填する「サイドFIRE」という考えもあります。

どちらにしても、元本を棄損させないことを第一に考える投資手法を取るため、FIRE達成後は「資産を守る投資」が基本となります。

 

攻めの投資で大きな成功を目指すよりも、失敗を少なくするほうが継続性があると考えています。

守りの投資においては、ミスをいかに少なくするか、1回の取引で大きな損失を出さないかが重要となります。



<リスクを抑える投資をする理由とは?>

ではなぜリスクを抑える投資をするべきかと言うと、もし元本を棄損してしまった場合、単にお金を失うだけでなく、「稼ぐ力」も失うことになるからです。

 

投資で稼ぐ力とは、自身が持つ資金力に比例します。

例えば、100万円を年利4%で運用できた場合、税引き前で年間4万円の利益となります。

1000万円では40万円、1億円では400万円です。

 

投資元本が多ければ多いほど、利回りが低くても稼ぐ力は大きくなり、お金を働かせることができます。

FIREは基本的に年間生活費の25倍資産形成できたところから始まるため、この投資元本を守れなければ、前提条件が崩れて継続性にも疑問が生じてしまいます。

 

FIRE達成後の生活を維持するには、このような考え方を徹底、リスクマネジメントすることが重要となり、リスクを抑える投資を行う必要があります。



<年代別のリスク許容度の違いを知る>

FIREのリスクを抑える投資手法は、年代で言うと50代・60代からの資産運用に適していると考えます。

 

20代・30代の若い世代は、おそらく投資元本は少ないものの、現役年数が長いため今後の給与収入を計算することができます。

給与収入で補填できることで取れるリスクは高くなり、「資産を増やすための投資」を積極的に行えると考えることができます。

 

一方、50代・60代になると、投資元本は多くても今後の給与収入が限られてくるため、リスクはあまり取れなくなります。

今ある資産を守り、少しずつ増やしていく投資を実践していくことが重要です。

 

この考え方が無いために、退職金をリスクの高い投資に回してしまい、大切なお金を失うといったケースも見受けられます。

 

つまり、20代から40代までは「資産形成」を考え、50代後半からは堅実な「資産運用」を考えることが大切だと私は思います。

自身の今の年齢や収入、今後のライフプランを分析し、リスク許容度を正確に知ることから資産運用が始まるのだと考えます。

 

20代の時はFIREという言葉は無かったものの、専業投資家を目指していたため、新興株や先物取引、FXなどハイリスク・ハイリターンの投資も実践してきました。

大きく資産が増える成功経験の一方で、1回の取引で大きく失った失敗経験もあり、この経験があったからこそ、今の資産を守る投資手法を実践できていると思います。



<やってはいけない投資とは?>

資産を守る段階の投資では、元本棄損を防ぐことが最大のポイントとなります。

この段階の投資でやってはいけないこと、避けるべきことを4つ挙げていきます。

 

・利回りだけで判断すること

投資で大きく資産を増やしたいと思うことは悪いことではありません。

しかし、投資においてローリスク・ハイリターンな投資手法や商品は無く、リスクとリターンは必ず比例すると言えます。

 

年利10%を大きく超えるリターンの期待がある商品には、一方で大きなリスクが存在することを正しく理解する必要があります。

特に、月利10%など極端な利回りを表記している商品には注意が必要で、手を出さないことが賢明だと思います。

 

投資においてリスク、不確実性や振れ幅と言い換えることができます。

つまり、リターンが大きいということは、一方で不確実性が高くリターンの振れ幅が大きいことで、思わぬ大きな損失を被る可能性があるということです。

 

リスクを取って高利回り商品に投資する際は、資金を集中するのではなく、余剰資金の中の額で投資することで資金を大きく失わないための防御策になります。



・仕組みが分からない商品に投資すること

投資商品には様々な種類があるため、中には自身が投資した資金がどのような状況になれば増減するのかさえ、分かりにくい商品も存在します。

 

証券会社が特定の顧客に販売する「仕組債」や、ネット証券でも購入できる「レバレッジ型投資信託」は、仕組みが複雑で商品の中に先物やオプションなどのデリバティブ取引での運用が組み込まれている場合があります。

 

デリバティブ取引はどちらかと言うと大きな資金を運用する投資のプロ向けの取引であり、一般個人投資家が仕組みやリスクを充分に理解するのは簡単ではありません。

 

債権や投資信託などと同等と勘違いし、商品内容を理解せず投資することで、大きく資産を失かねない危険性もあります。

 

投資全般に言えることですが、自が投資する商品について、内容や仕組みが分かりにくいものには投資しないほうが無難です。



・手数料が高い商品への投資

今は証券会社やインターネットを通じて簡単に投資ができる時代となり、手数料も安くなっている傾向ありますが、中には良く見ると手数料が高く、リターンの期待値が低くなってしまう商品も見受けられます。

 

投資の期間が長くなるほど手数料を払う期間も長くなるため、中長期目線の投資こそ手数料が年間いくらなのかをよく理解する必要があります。



・他人の意見で行う取引

ネットやSNSの情報は様々で、有意義なものもありますが、中にはポジショントークのような買い煽りも存在します。

SNSのフォロワーが多いから信用できるということなく、他人の意見は参考程度に留めておくべきだと思います。

 

また証券会社の担当者に勧められたからとう理由だけで、安易に推奨商品を購入することもリスクがある取引と言えます。

 

投資は自己責任の世界のため、自分だけで投資判断できない商品や手法には手を出すべきではありません

投資で大切なことは、自分自身の投資判断基準を持つということだと考えます。

 

他人の意見に流されず経験を積み、自分なりの投資手法を確立できれば、将来的に大きな成果を上げることができるかもしれません。



今回は、「資産を守る段階の投資」について私の体験を基に解説してきました。投資は一獲千金を狙えるという世間的なイメージがあることは事実ですが、これは「投資」と「投機」の違いが理解されていないからだと感じています。FIREやシニア世代の投資手法を学ぶことで、リスクを減らした堅実な資産運用ができ、結果的に資産形成にも繋がると思います。