S&P500の利回り推移を解説!着目すべきポイントは?

S&P500の利回り推移を解説!着目すべきポイントは?|リビングコーポレーション


海外の株価について調べていてS&P500という指標を見たことがある人もいるでしょう。インデックスファンドに興味を持っている人もよくS&P500利回りを目にすることがありますが、これらはどのような意味があるものなのでしょうか。

 

S&P500利回りとは

S&P500利回りについて理解するためには、S&P500についてまず把握する必要があります。S&P500とはアメリカのs&pダウ・ジョーンズ・インデックス社が分析して公表を行っている株価指数です。

 

アメリカではいくつもの会社が株価指数を発表していますが、その中でもS&P500はアメリカの株価指数として最も広く用いられています。ダウ・ジョーンズ工業株価平均と並んで2大株価指数とも呼ばれていて、アメリカの経済動向を探る上で重要な指標となっています。インデックスファンドでもこの二つの指標は頻繁に利用されているのが現状です。

 

S&P500利回りはS&P500に関連している投資商品の持っている利回りのことを全般的に指します。最も典型的なのはS&P500に取り上げられているアメリカの株式会社の平均利回りです。

 

S&P500に選ばれている企業はアメリカの中でも大企業が多いので、安定した株価を保っているところが多くなっています。一方、S&P500をインデックスとしているインデックスファンドの利回りのことをS&P500利回りを呼ぶ場合もあります。

 

この場合には必ずしも投資先はS&P500に含まれている企業とは限りませんが、基準価額の推移がS&P500に合うように設計されているので、実際にはS&P5000に含まれている企業が多い商品がほとんどです。

 

このように投資信託を選んだとしても基本的にはS&P500に選ばれているアメリカ企業の業績によって利回りが変動しやすいのが特徴となっています。

 

S&P500利回りは平均的にどのくらいか

投資先として選ぶかどうかを判断するにはS&P500利回りが高いかが気になるでしょう。S&P500に選ばれている企業も数が多いので、利回りにも大きな幅があります。

 

年によって違いはありますが、15%以上の高利回りの株もある一方で、ほぼ0の利回りになっている企業の株もあります。平均的には6%~10%の年平均理利回りを推移してきていて、近年になって少し回復してきたというのが実情です。

 

ただ、平均利回りは社会情勢の影響を大きく受けることから、安易に去年と同じくらいの利回りになると判断することはできません。個々の企業の状況についてはIR情報を確認して、翌年度の経営方針がどのようになっていて、配当をいくら出す予定にしているかを調べるのが大切です。

 

インデックスファンドの場合にはS&P500利回りは2%~7%が一般的になっています。インデックスファンドは投資信託の一種なので、単独のアメリカ企業の株式に投資するのに比べてリスクが分散されます。その分だけ期待される利回りが低めになっていると考えると良いでしょう。

 

インデックスファンドにも色々なタイプがあって、S&P500を指標にしていればどのファンドもほとんど同じというわけではありません。

 

利回りもこれだけ幅があることからわかるように、基準価額の推移がS&P500に合うようにしてあるだけで、分配金の仕組みなどは異なっています。インデックスファンドを選ぶときには利回りだけにこだわらないように注意しましょう。

 

S&P500利回りの過去10年の平均

S&P500のアメリカ企業の株式で中長期投資をしたいときや、インデックスファンドを使って長い目で見た資産形成をしたいときには10年くらいの期間でどのくらい利益を生み出せるかを知りたいでしょう。

 

過去のS&P500利回りを見てみると参考になるデータが得られます。過去10年間で見てみると年平均のS&P500利回りはおよそ7%くらいになっています。

 

いつからいつまでの10年間にするかで大きな差がありますが、10年に1回くらいは大きなピークを迎えて下落し、谷を作ってまた上昇するといった傾向を示しているのが特徴です。

 

例えば、最近の下落はリーマンショックによって引き起これていました。基本的には大きな経済変動がある程度の周期性で発生しているため、10年くらいの運用で平均化すると7%前後の利回りに落ち着くのが近年の動向です。

 

ただ、これも1990年くらいから始まった動きなので、今後も同じような周期性を持った上下動を繰り返していく保証はありません。現状としては比較的S&P500利回りは高い水準になっているため、今後10年を考える上では向こう数年でS&P500利回りが上がる方向に向かうか、下がってしまうかを見て判断するのが考え方の一つでしょう。

 

なお、過去30年の運用で考えると平均利回りは10%くらいになります。

 

S&P500利回りのランキングからわかること

S&P500のアメリカ企業やS&P500のインデックスファンドに投資するために有用な情報はランキングからも手に入ります。S&P500利回りのランキングはインターネット上でも簡単に入手できます。

 

S&P500各社の配当利回りを見れば、これからどのくらいの利回りで運用できるかを大まかに予想することが可能です。株価と配当金もランキング上に併記されていることが多いので、投資にいくら必要で、年間でどのくらいの配当を受け取れるかも試算してみることができます。

 

ランキングを見てみるとわかるのは、必ずしも株価と利回りには相関がないことです。10%を超えるような利回りの株の株価が10ドルを下回っていることもあります。株価が高いと配当額も高くなければ利回りは高くならないので当然とも言えるかもしれません。

 

ただ、十分な資金がなければ高利回りの株式投資はできないというわけではないと理解しておくと良いでしょう。

 

一方、インデックスファンドの場合にはまとまったランキングがあるわけではなく、流通しているファンドの一部がランキングになっているのが一般的です。

 

S&P500利回りランキングを見てみると利回りと基準価額がわかり、詳しいサイトなら配当金も記載されています。一目で多くのファンドを比較できるのはランキングを使うメリットなので、投資先を選ぶときには有用な情報ソースになります。

 

S&P500利回りのメリットとデメリット

S&P500利回りに着目して投資をするのにはメリットもデメリットもあります。S&P500はわかりやすい株価指数なので初心者でも取り組みやすいのがメリットです。

 

各種経済指標の発表などと動きが連動しやすいなどの特徴があるので、慣れると価格の動きを予測しやすいでしょう。ただ、現物取引は個々の企業の動向によって左右されやすいのでリスクも高いのがデメリットになります。

 

安心して取り組めるようにするには分散投資になっているインデックスファンドが魅力的です。ただし、分散投資にしてS&P500の経済成長にリンクするように基準価額が動くように設計されているため、指標の動き以上の基準価額の増加は見込めないので注意しましょう。

 

また、現物取引で長期投資をする場合にはS&P500に選ばれている企業は魅力があります。アメリカの株価指数として主流のS&P500を計算するのに選ばれているほどなのでアメリカ経済の状況をよく表している代表企業ばかりになっているからです。

 

S&P500は全体として見ると右肩上がりで成長しているので、長期的な投資をすれば比較的低いリスクで大きなリターンを見込めるでしょう。なお、S&P500利回りに着目するときに悩みになるのが、個々の企業のIR情報などは基本的に英語でしか手に入らないことです。

 

全体の動向は日本語の情報発信があるので問題ありませんが、個別の企業の動きを追いながら株式投資をしたい場合には英語力が必要になります。

 

S&P500利回りに着目しよう

アメリカの株価指数のS&P500に関わる株式投資やインデックスファンドは利回りが比較的高い水準にあり、株価の推移が追いやすいのが魅力です。現物取引をするか投資信託をするかをよく考えて投資に取り組むようにしましょう。