NISAの口座とは?特徴は?複数持てるの?

NISAの口座とは?特徴は?複数持てるの?|リビングコーポレーション

 

個人投資家として資産運用をしていきたいという人が増えてきました。NISA口座について聞いたことがあるけれど、何かよくわからないという人もいるでしょう。ここではNISA口座に関わる基礎的なことをわかりやすく解説します。


NISA口座とは何か


まずはNISA口座とはどのような口座なのかを理解しておきましょう。NISA口座とはNISAと呼ばれる制度を利用するために必要な証券会社の口座です。NISAとは2014年1月に制度として定められた個人投資家を支援するための仕組みです。


NISAは少額投資非課税制度で、ニーサと呼ばれています。非課税制度という名前からわかるように少額取引に関して非課税にすることを定めているのが特徴です。


個人投資家として投資に足を踏み出したいというときに悩みになりがちなのが、まとまった資金がなくて本当に利益を生み出せるのかということです。投資は余剰資金で行うのが基本で、生活に必要な資金を投入してしまうのは合理的ではありません。


投資に失敗してしまうとその資金が目減りしてしまい、大きな失敗の場合には全額を失うか、負債を抱えることになってしまいます。


そのため、リスク分も考えて余剰資金内に収まるようにしておき、万が一のことがあったとしても生活に支障をきたさないようにするのです。ただ、それゆえに少額資金しか投資に使えないことが多いのです。


少額資金では利回りが高くても利益になる金額は少なくなってしまいます。それでも利益を得やすい状況を作るために、少額資金での投資に限って非課税とする仕組みにしたのがNISAです。


そして、NISAを適用して資金運用をするために必要なのがNISA口座となっています。


NISA口座の特徴


NISA口座は一定金額までは取引による利益が非課税になるため、少額取引でも手元に残るお金が多くなるようにしているのが特徴です。NISA口座は証券会社で開設することができる仕組みになっています。


日本に在住で20歳以上の人であればNISA口座を開設可能です。非課税投資枠として定められているのが毎年120万円までで、最長5年間適用できます。


NISA口座は投資可能期間が2014年から2023年までなので、延長がなかったとすれば今から口座開設をしてもあまり期間がありません。NISA口座の開設には特に費用がかからないのが一般的で、投資を始めたいと思ったら証券会社に申込書や身分証明書などを提出すれば良いだけです。


また、20歳未満の人についてもジュニアNISA口座を開設できます。ジュニアNISAは未成年者少額投資非課税制度と呼ばれていて、2016年1月から利用可能になっています。
ジュニアも2023年までと定められているので、最長5年間の運用ができるものの、今からでは限られた期間しか適用できないので注意しましょう。ジュニアNISAの場合には二親等以内の親族が口座管理を担うことになるため、親や祖父母が口座開設もすることになります。


なお、ジュニアNISA口座では非課税投資枠は毎年80万円までで、通常のNISA口座より少なめです。ただ、払出し制度があるなど、ジュニアNISAには通常のNISAにはないメリットもあります。


NISA口座は複数持てるのか


NISA口座を使うと非課税投資枠が手に入るので複数の口座を持ちたいという人もいるでしょう。例えば、口座が2つあれば120万円ずつ毎年運用できるから、240万円も投資できると考えるかもしれません。


あるいは証券会社Aの投資信託に魅力的なものがあって投資したいけれど、証券会社BのETFにも投資したいという場合もあるでしょう。このように複数の証券口座で取引することで資産形成をしやすくできるのは確かです。


ただ、NISA口座については1人1口座と定められているため、複数の証券会社で口座を作ることはできません。同じ証券会社で2つ開設することもできないので注意しましょう。


ただし、1家庭1口座ではないので、夫婦で口座をそれぞれ持つことはできます。家族全員で1つずつNISA口座を持つことも可能です。特に夫婦の場合には生計を共にしていて一方が働いていてもう一方が専業主婦か専業主夫ということもあります。


このようなケースではパートナーが働いて稼いだお金をNISA口座に入れて運用することができます。ですが、あくまで自分の口座でしか取引はできないので、パートナーの分のNISA口座も開設して自分が運用するといったやり方は認められません。


NISA口座は本人が管理しなければならないということは肝に銘じておきましょう。不正行為が発覚すると口座が使えなくなってしまうこともあるので決してルールに違反してはなりません。


NISA口座は変更できるのか


NISA口座を複数持つことはできないとなるとどこの証券会社で口座開設をするべきかで悩んでしまいがちです。


ただ、一度作ってしまったNISA口座は変更することは可能です。運用をしていたけれどあまり成績が良くないから、他の証券会社にNISA口座を移したいという場合には手続きをしましょう。


NISA口座を他の証券会社に変更するには、現在口座を持っている証券会社に金融商品取引業者等変更届出書を提出します。書式は証券会社が持っているので、連絡して送付してもらうと良いでしょう。


届出書を提出すると証券会社で手続きが進められて、非課税管理勘定廃止通知書が発行されます。この時点でNISA口座を閉じることができたので、新しいNISA口座を別の証券会社で開設できます。口座開設のときには非課税管理勘定廃止通知書の提出が必要になります。


また、運用をしているとNISA口座をつみたてNISA口座に変更したい場合もあるでしょう。NISA口座とつみたてNISA口座はどちらか一つしか選べないので、もし積み立てをしていきたいなら変更するのが得策です。


この場合には同じ証券会社でつみたてNISA口座にするなら、変更届出書を受け取って提出するだけで済みます。他の証券会社で開設したい場合には上記の方法と同様にNISA口座の変更届出書を提出し、新しく口座開設をする証券会社でつみたてNISA口座を選べば大丈夫です。


NISA口座のデメリット


NISA口座は魅力が大きいように見えますが、デメリットもあるので念頭に置いておきましょう。NISA口座では取引できる金融商品が限定されてしまっています。NISA口座を使うときには証券会社がNISA口向けに提供している金融商品の中から選ばなければならず、それ以外の金融商品に投資するには一般口座や特定口座が必要になります。


また、対象になっている金融商品がもともと制限されている点にも注意が必要でしょう。国内や海外の株式投資、ETF、J-REIT、海外REITはNISA口座で取引できます。上場投資証券や株式投資信託新株予約権付社債もNISA口座で運用できる対象です。


しかし、非上場株式やeワラント、MMFやMRFは対象外になっています。また、預貯金についてもNISA口座では運用できません。この他にも債券、FX、金、株価指数先物取引なども利用できないので注意しましょう。


今まで投資をしてきた人にとっては新規で購入した商品しか対象にならないのもデメリットです。保有している株式や投資信託などを新たに開設したNISA口座に移すことはできないのです。


また、NISAで取引を始めた人は非課税期間が終わってしまった後に注意しましょう。その時点で非課税ではなくなってしまうので実質的に利回りが減ります。その際にどうやって運用していくかを非課税期間中によく考えておくのが大切です。


NISA口座を使える機会を生かそう


NISA口座は少額資金で投資をしたい人を主な対象とした支援のための制度です。1人1口座しか持てませんが、投資の利益を大きくしやすくなります。2023年までは利用できるので、良い機会を逃さないようにNISA口座を活用していきましょう。