株式投資型クラウドファンディングとは?特徴を徹底解説!

株式投資型クラウドファンディングとは?特徴を徹底解説!|リビングコーポレーション

投資型クラウドファンディングのひとつに分類される、株式投資型クラウドファンディングは、今注目の投資商品です。

今回は株式投資型クラウドファンディングの特徴とメリット・デメリットを解説いたします。

 

<株式投資型クラウドファンディングとは?>

株式投資型クラウドファンディングとは、非上場のスタートアップ企業やベンチャー企業のプロジェクトを、クラウドファンディング事業者がインターネットを通じて投資家に出資を募り、投資家は出資した額により非上場株式や株主優待を受け取る仕組みです。

 

投資家と企業をマッチングさせる役割をする事業者はプラットフォームと呼ばれ、スタートアップ企業やベンチャー企業の厳正な審査をして、審査を通過した案件のみを公開して投資家を募集しています。

 

将来的に出資した企業が成長し、IPO(株式新規公開)やM&A(事業の買収・売却)に至ることが目標で、これを達成できればイグジット(出口)となり投資家は大きなリターンを得られる可能性があります。

 

数年から10年ほどの長期投資の投資商品で、IPOやM&Aが実現すると、大きな利益が期待できる特徴があります。

 

非上場株式は一部の銘柄以外は市場での売買ができませんので、ハイリスクな点もあり、注意も必要です。

 

日本では株式投資型クラウドファンディングが最初に実施されたのは、2017年で比較的新しい投資商品ですが、年々市場規模は拡大しており今後も成長が見込まれています。

 

<少額から投資が可能>

株式投資型クラウドファンディングは、プロジェクトによっては10万円以下から投資することができます。

投資金額は1社につき1年間50万までの上限が設けられています。

 

通常はスタートアップ企業やベンチャー企業に投資する場合は、数千万以上の資金が必要とされており、かなりハードルが高い投資でしたが、小口化されることで少額からでも投資可能となりました。

 

株式投資型クラウドファンディングは、スタートアップに投資するエンジェル投資家の体験が、インターネットを通じて気軽に行うことができる画期的な投資商品と言えます。

 

<株式投資型クラウドファンディングのメリットとは?>

出資した企業の成長を共に感じることができることや、エンジェル税制対象企業に投資した場合は、税制上の優遇措置を受けられる点、プロジェクトによっては社会問題や環境問題に取り組む企業に出資することで、社会貢献につながる点も株式投資型クラウドファンディングの大きなメリットです。

 

株式投資型クラウドファンディングへ投資後に受け取ることができる非上場株式は、一部を除き基本的に売買することができません。

その分だけリスクは高くなり注意が必要ですが、通常イグジットまでは数年から10年ほどの期間を要するため、長期間の投資となります。

 

そのため、投資した企業に中長期的な目線で支援ができることも、株式投資型クラウドファンディングのメリットのひとつです。

株主として企業や起業家に近いところで見守ることができ、企業によってはその間に株主優待を受けることができます。

 

自分が出資した企業の成長を共に感じられ、起業家の夢やビジョンを共有することができ、将来的に取引所に上場した場合には、大きなリターンと達成感を感じられると想像します。

 

株式投資型クラウドファンディングはハイリスクな面もありますが、ハイリターンを得られるチャンスと、通常ではできない体験型の投資だと言えます。

 

<株式投資型クラウドファンディングのイグジットとは?>

株式投資型クラウドファンディングにおいて、イグジットは大きく分けて3つの項目があります。

 

投資したスタートアップ企業が、IPOにより証券取引所に新規株式上場し、誰でも株取引ができるようになるイグジットに至った場合は、投資家は大きなリターンを得られる期待が大きいです。

 

株式投資型クラウドファンディングでIPOのイグジットができたプロジェクトは、過去に1件の実績があります。

2019年に募集されたスポーツ球団のプロジェクトで、2021年にTOKYO PRO Marketへ上場となりました。

 

株式投資型クラウドファンディングの前身の制度である、グリーンシート経由では過去に19社が上場しています。

 

他にはM&A(事業売却・買収)や相対取引により、株式を他の企業に売却するイグジットがあります。

 

<投資型クラウドファンディングのデメリットとは?>

メリットが多い株式投資型クラウドファンディングですが、デメリットもあります。

 

通常の株式投資の場合、値上がりや値下がりに対して自分の意志とタイミングで自由に売買ができます。

しかし株式投資型クラウドファンディングは、投資後に受け取る株式は非上場株のため、基本的に好きな時に売買ができません。

これは流動性が極端に低いというリスクで、大きなデメリットと言えます。

 

この流動性リスクを改善するために、事業者の一部では銘柄限定で売買ができるセカンダリーマーケットを開設する動きがあり、注目を集めています。

 

こちらのセカンダリーマーケットが開設され、流動性リスクが改善されるなら、株式投資型クラウドファンディングの投資人口は大幅に増加する可能性があります。

保有している非上場未公開株を自由に売買できれば、投資家は利益を得る機会が多くなります。

 

次にイグジットを迎えるまでに解散や倒産するリスクです。

投資した会社のイグジットは、通常は数年から10年ほどかかる場合が多いです。

 

株式投資型クラウドファンディングで資金調達するベンチャー企業の場合、この間に事業が上手くいかず、解散や倒産してしまうリスクがあります。

投資先の会社が倒産した場合、投資した資金は戻ってこない可能性が高くなります。

 

このように株式投資型クラウドファンディングには流動性リスクと倒産リスクがあり、これらのデメリットが投資意欲を低くしている要因になっていると考えられています。

 

<体験型の投資商品>

株式投資型クラウドファンディングは、プロジェクトの成長とイグジットを期待しながら、応援したい分野、将来性豊かなサービスや商品、また環境問題の改善や社会をより良くする事業に投資できるという社会貢献の意味合いもあります。

 

通常は見ることができないスタートアップ企業の起業家の苦労や成長を、投資したことにより間近に体験することができます。

 

プロジェクトによっては、株主優待や投資先企業の経営に関する会議に出席することができる案件もあります。

 

投資商品としてリターンを期待することはもちろん、通常はできない経験に投資できる面もある商品です。



株式投資型クラウドファンディングは、ハイリスクな面もありますが、ハイリターンを得られるチャンスがあり、インターネットで少額から手軽に投資でき、投資後の管理も特に必要ありません。

 

同じ金額の投資額で比較した場合、ハイリスクな分、株式投資よりリターン期待度は大きくなります。

投資を通じて応援したい企業の成長を間近で見守ることができ、起業家の夢を支援することもできます。

 

普段はできない体験に、少額から投資できる株式投資型クラウドファンディングは、新しい投資の新しい形を提案する商品だと思います。