投資を始めようと思っている時におすすめされやすい積立NISAですが、どんなメリットがあるのか、どこの証券会社を選べばいいのか分からないことが多くあります。そこで、積立NISAのメリットなど気になる情報を紹介していきます。
積立NISAとは?
積立NISAは2018年から始まった少額の長期積立・分散投資を行うための制度です。一般的な投資信託と異なり手数料が低く分配金の支払い頻度も少ないというデメリットはありますが、リスクが低いため知識がない初心者でも始めやすい投資信託となっています。
日本に住んでいる20歳以上であれば誰でも口座を開設でき、毎年40万円の新規投資額を上限に分配金や譲渡益が非課税として取り扱われることになっています。
積立NISAの非課税期間は20年間となっており、非課税期間が終了するとNISA口座から一般口座や特定口座に払い出される仕組みとなっていますが、2037年までの限定制度となっているため利用できる期間は限られています。
また、NISAには積立NISA以外に一般NISAがありますが、非課税処置を受けることができるNISA口座は1人1口座となるため、積立投資か一般投資のどちらか選ばなくてはなりません。
ただし、年単位であれば前年の10月から12月までに手続きを行うと、積立NISAと一般NISAを変更することも可能です。NISA口座の非課税期間は20年間となっているため、積立NISAで年40万円投資した場合累計800万円までの投資による利益を課税されることはありません。
投資である以上元本割れを起こすリスクもありますが、積立NISAは節税しながら長期的にコツコツ積み立てをすることができるため、銀行での積立定期よりも収益が高くなるというメリットもあります。
楽天証券とSBI証券どちらがお得?
株や投資信託で分配金や値上がり益が出た場合は20.315%の税金が引かれてしまいますが、NISA口座は非課税となるため収益の100%を得ることが可能です。けれど、証券会社によってサービスなどが異なっているため、自分にとって利益のある会社を選ぶことが大切です。
NISA口座を開設できる証券会社は複数あり、利用者数が多いのが楽天証券とSBI証券です。楽天証券の積立NISAは取扱商品本数が162本と多く100円から積み立てを行うことができますが、最大のメリットは楽天ポイントがたまることです。
月間保有残高によって50ポイント~300ポイントが貯まるだけでなく、投資信託の積立の引き落としに楽天カード払いを選択するとさらにポイントが貯まります。貯まった楽天ポイントで買い物をしたり、株式投資に利用したりすることも可能です。
また、SBI証券の積立NISAも月間保有残高によって0.02%~0.1%のポイントが貯まるサービスがあり、取扱商品本数163本から毎日・毎週・毎月から自分でタイミングを選んで100円から積立することができます。
楽天証券とsbi証券どちらも国内株式の買付手数料は0円、米国株式は約定代金の0.495%(最低手数料0ドル・上限手数料22ドル)となっているため手数料面の違いはありませんが、外国株投資の投資を積極的に行うのであればsbi証券が、買い物や投資に使えるポイントを多く貯めることも目的であれば楽天証券がおすすめです。
積立NISAとiDeCoの違い
初心者の投資先としておすすめされることが多い積立NISAとiDeCoですが、初めて利用する時はどんな違いがあるのか分かりません。
大きな違いとして積立NISAは年40万円までの定められた投資額で得られた収益が課税されない少額投資非課税制度が適応されますが、iDeCoは収益だけでなく老後資金を得るために投資した年14.4万円~81.6万円も所得控除の対象となる個人型確定拠出年金制度の対象となります。
積立NISAは最長20年間非課税で積み立てを続けることができるだけでなく解約に関する制限もないので始めやすく止めやすいのですが、iDeCoは60歳まで投資金や収益を引き出すことはできません。
どちらも初めて投資を行う人にとってリスクの少ない資産運用法になっているため、同時に口座を開設する人も多くいますが、老後の生活資金を投資の目的とするのであればiDeCoを選ぶ方が節税対策としてメリットがあります。
また、積立NISAは金融庁の基準をクリアした国内・海外の投資信託やETFから投資先を選ぶことが可能です。一方、iDeCoは元本変動型の投資信託と、元本確保型の保険・定期預金から選ぶことができますが、節税だけでなく収益を目的とするのであれば投資信託は収入が増える可能性が高くなります。
積立NISAは月100円から、iDeCoは月5,000円から投資を始めることができるので、初めての投資で不安がある時はお小遣い程の少額投資からスタートしてみてください。
積立NISAシミュレーション
積立NISA口座で毎月1万円の積み立てを行った場合0.001%の運用利回りでは、積立期間20年では元本240万円、運用益2,411円(内非課税490円)となります。0.05%の運用利回りとなった時は、積立期間20年で元本240万円、運用益124,306円(内非課税25,252円)と、利回りによって収益は大きく変動してしまいます。
住宅資金や学費資金など利用目的がある場合には、目標金額を設定して積立NISAでの月々の積立金を設定することがおすすめです。10年間で500万円の貯蓄を達成する場合には、運用利回りが0.01%の時には毎月41,646円、運用利回りが0.1%の時には毎月41,460円、運用利回りが1%の時には毎月39,635円の積立が必要になります。
積立NISAの国内株式の平均利回りは1.43%、米国株式は3.84%となっているので、投資に成功することができれば短期間に目標金額に到達することも可能です。
例えば、10年間で毎月3万円の投資で500万円を貯蓄するためには6.2%の利回りが必要になり現実的ではありませんが、3万5千円であれば3.4%、4万円であれば0.8%の利回りが目標となります。
積立NISAを始める時には目標金額を達成するための投資額や積立期間、必要な利回り率をシミュレーションして、目標を定めて無理のない投資を始めるようにしてください。また、積立NISA口座を開設する証券会社のポイントを活用して投資額を増やす方法もあるので、担当者に相談してみるのもおすすめです。
積立NISAのおすすめ銘柄
積立NISAでは国内株式だけでなく海外株への投資も可能ですが、それぞれ利回りが異なり過去の株価指数のデータを元にした平均利回りでは、国内株式は1.43%、先進国株式は2.63%、米国株式は3.84%、全世界株式は3.62%となっています。
初めての株投資ではどの銘柄を選ぶべきか難しいものですが、積立NISAの場合は長期間保有して収益を出せる銘柄選びが基本です。
安定して運用できる銘柄としては、「ダイワ・ライフ・バランス30」や「三井住友・DC年金バランス30」が、積極的に運用していくことを考えているのであれば株式の割合が多い「三井住友・DC年金バランス70」や「DCニッセイワールドセレクトファンド」などがあります。
また、積立NISAの買付手数料は無料となっていますが、投資信託を長期保有する時は信託報酬費が必要になるため、運用コストを抑えて投資を行いたい時はインデックスファンドがおすすめです。
インデックスファンドには「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」、「楽天・全世界株式インデックスファンド」、「SBI・バンガード・S&P500インデックスファンド」など日本株や全世界株のファンドを選ぶことができます。
積立NISAは銘柄の選び方次第で積極的に運用することも、リスクを少なく安定した運用をすることもできるので、投資を行う目的や期間などに合わせて銘柄を選択していくようにしてください。
初心者の投資には積立NISAがおすすめです
積立NISAは厳選された銘柄の中から選ぶことができるので、リスクが低いだけでなく各銘柄をきちんと把握して投資先を選ぶことができます。これから投資を始めようと思っているのであれば、積立NISAのように節税にもなるお得な投資信託からスタートしてみてください。