不動産クラウドファンディングの基本とファンドの選び方を解説!

不動産クラウドファンディングの基本とファンドの選び方を解説|プロパティプラス|property+

 

不動産クラウドファンディングは、事業者がインターネット上で複数の投資家から集めた資金で不動産を取得・運用、賃貸収入(インカムゲイン)や売却益(キャピタルゲイン)を投資家に分配する仕組みで現物不動産投資と異なり、物件購入のための高額な資金を必要としないため、不動産投資ハードルを大きく下げています。ただし、現在は多くの事業者やファンドが存在するため、その選定重要となります。今回は不動産クラウドファンディングの基礎知識と選び方を解説いたします。

 

メリット ○
少額から始められる

一般的に、一口1万円程度から投資が可能で、少額から始められる点が不動産クラウドファンディングの大きな魅力です。通常の不動産投資では物件の購入に多額の資金が必要となりますが、不動産クラウドファンディングは初期費用も不要なため、初心者でも少額から気軽に不動産に投資できます。これは、資金が限られている投資家にとっても非常に魅力的です。

 

価格変動リスクが少ない

不動産クラウドファンディングは、株式やFX、ビットコインなどのように日々の価格変動がないため、精神的な負担が少ない投資とえます。例えば、株式の個別銘柄は市場の動きにより1日で10%以上変動する場合もありますが、不動産クラウドファンディングは中長期的な運用を前提としているため、そのような短期的な変動に左右されにくいとされています。そのため、投資後に値動きを気にする必要がなく、中長期にわたって資産を安定的に運用したい投資家に向いています。

 

投資後の管理が不要

不動産クラウドファンディングは、投資後の運用管理必要ありません。通常の不動産投資の場合、物件管理や空室対応など手間がかかりますが、不動産クラウドファンディングでは、物件の運用や管理は事業者が行うため、投資後は運用終了まで待つだけとなります。さらに、申込や契約もすべてオンラインで完結できるため、忙しい投資家にも適しています。

 

デメリット ×
元本が保証されていない

不動産クラウドファンディングは、元本保証がありません。出資法により元本保証が禁止されているため、事業者が破綻したり物件運用が上手くいかなかったりした場合には、元本が減少したり返還されない可能性があります。これは投資家が理解しておくべき大きなリスクの一つです。

 

利回りは確定していない

ファンドの想定利回りは事前に提示されるものの、確定されたものではありません。実際の運用状況によっては、利回りが想定よりも低くなる、もしくは運用期間が延長され、利回りに影響する可能性あります。

 

途中解約できない場合が多い

不動産クラウドファンディングは運用中の解約が制限されていることが多く、流動性が低いとされています。例えば、株式のように自己判断で売却することはできず、基本的に運用期間終了まで資金が拘束されるため、注意が必要です。

 

不動産クラウドファンディングの選び方

不動産クラウドファンディングの利用を検討する際には、事業者の信頼性利回りの適正さ、物件の選定基準、情報の透明性など、多くの要素を確認することが重要です。

 

事業者の実績や信頼性

投資先の事業者が信頼できるかどうかは、投資リスクを左右する重要な要素です。過去の運用実績や財務状況、第三者からの評価などを確認し、信頼できる事業者かどうかを見極めることが必要です。また、投資家向けの情報提供が充実していることも重要な要素です。例えば、各ファンドの詳細やリスクに関する情報が記載されているかを確認しましょう。また、投資後の運用レポートなどがあるかどうかもチェックするとよいでしょう。

 

ファンドの利回りやリスク

想定される利回りが、自身にとって魅力的かつリスクに見合っているかを確認することも重要です。高利回りのファンドはリスクも大きい場合があるため、自身の産状況や投資方針と合致しているか慎重に検討しましょう。また、インカム型とキャピタル型のどちらが自身に適しているかを理解することも選択のポイントとなります。

 

投資対象物件の評価

投資対象として価値があるかを見極めるために、物件の立地や用途、需要状況なども確認しましょう。賃貸需要が高い地域にある物件や、その立地の需要に応じた商業または住宅用の物件など、安定した収益が期待でき望ましいとえます。さらに、過去の運用実績や類似のプロジェクトの事例も参考にするとよいでしょう。

事業者やファンドにより、過去に運用が終了した案件募集されることがあります。償還実績がある物件が投資対象のファンドは、条件が大きく変更されていなければ、運用実績に基づいて投資判断がしやすい案件とえます。

 

リスク管理の重要性

不動産クラウドファンディングには一定のリスクが伴うため、リスク管理の徹底が求められます。具体的には、自の投資目的に合わせながらポートフォリオを多様化し、事業者ごとに投資を分散することが推奨されます。例えば、一つの事業者や物件に集中投資するのではなく、複数のファンドや事業者に分散することでリスクを減することができます。また、投資する物件の地域を分散させるとより安定性のあるポートフォリオになります。資金の拘束期間も考慮し、流動性が必要な資金は他の投資手段に回すなど、戦略的に運用しましょう。

 

不動産クラウドファンディングに向いている人とは?

不動産クラウドファンディングは、以下のような特徴を持つ投資家に向いていると考えられます。

 

少額で不動産投資を始めたい人

不動産投資に興味があっても、まとまった資金が用意できないからと二の足を踏んでいる人にとって、少額からでも投資ができる不動産クラウドファンディングは良い選択肢となります。

 

株式との分散投資先を探している人 

不動産市場は、常に株式市場に連動するとは限りません。株式と異なり、不動産は価格変動が比較的緩やかなため、不動産クラウドファンディングは株式との分散投資先として最適です。

 

不動産に興味はあるが、管理に手間をかけたくない人 

不動産の運用や管理は事業者に任せられるため、物件の管理に自信がない人や手間をかけたくない人にも適しています。契約もすべてインターネットで完結でき、契約に関する専門的な知識も必要ありません。

 



不動産クラウドファンディングは、少額から気軽に不動産投資を始められ、初心者でも挑戦しやすい資産運用の一つと言えます。ただし、元本保証がないことや流動性の低さ、事業者選定におけるリスク等が伴います。そのため、投資前には事業者の信頼性や物件の価値、リターンの確実性について十分な検討が必要です。分散投資の一環として、ポートフォリオの一部不動産クラウドファンディングを取り入れることで、より堅実な資産運用が可能となるでしょう。