株に興味を持っている人が増えていますよね。自分も株を始めてみようかと、検討している人も多いことでしょう。しかし、株の知識がないことには、何から始めたらよいのかわからず先に進めないものです。そんな株初心者に向けて、株式取引に関する基礎知識を解説します。
初心者にもおすすめの株式投資とは?
株式投資とは、上場企業が発行している株を売買して利益を得ることをいいます。誰もが知っている大企業でも、設立当初は認知されていない小さな企業だったというケースも珍しくありません。
会社を大きくしていくためには、当然ながら資金が必要です。しかし、用意できる資金が不足している場合は、株を発行して投資家から資金を集めます。つまり、株を購入することで、企業に出資していることになるわけです。
また、会社を設立する時だけでなく、新しいサービスを導入したり事業を拡大したりなど、まとまった事業資金を必要とする際にも株を発行するケースがあります。
株を発行することによって資金を獲得した企業は、そのお礼として株主に利益の一部を還元しています。「配当金」や「株主優待」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。配当金はお金で還元され、株主優待は商品やサービスなどで還元されます。
利益の一部を還元することになるので、大きな利益をあげている企業ほど、一般的には配当金が高くなります。配当金は「インカムゲイン」と呼ばれることもありますが、長期的な資産運用を目指すのであれば、最も重視すべきポイントといえるでしょう。
配当金は年に1回か2回とする日本企業が多く、1株あたりいくらと表すのが一般的です。たとえば、1株あたり50円の配当金が出る銘柄を100株保有している場合は、5,000円の配当金を受け取ることができます。
株で利益を得る仕組みを知ろう!株入門
株式投資では、値上がり益を狙えることも醍醐味といえます。キャピタルゲインとも呼ばれる値上がり益とは、購入した時の株価よりも高い価格で売却することで、その差額分を収益にかえる手法のことです。
株価というのは、日々変動しています。日経平均株価が上がった、下がったなどと、毎日のように経済ニュースで流れていますよね。株価が低い時に購入しておいて、大きく上昇した時に売れば、それだけ多く収益を上げることができるわけです。
たとえば、1株あたり100円の銘柄を100株(10,000円分)買ったとします。その銘柄が1株あたり500円になった時にすべてを売却したら、40,000円(50,000円-10,000円)の利益が出ます。
値上がり益を狙っている投資家は、比較的短い期間に売買を行う傾向です。そのため、値上がり益を目的とした株式投資は、短期投資といわれることもあります。最短であれば、購入したその日のうちに売却してしまうこともあるほどです。
そもそも、なぜ株価は変動しているのでしょうか。主な要因としては、企業の業績があげられます。基本的に業績が向上すれば株価は上昇し、反対に業績が下がれば株価は下落します。企業の業績をチェックするには、四半期ごとに公開される決算書を見るとよいでしょう。
決算書とは、企業を評価する成績表のようなものです。決算書を参考にして銘柄を選ぶ投資家も多いため、決算の時期は株価が大きく変動しやすいタイミングともいえます。
初めて株を購入するには
株式投資を始めるためには、まず証券会社で口座を開設しなければなりません。銀行口座など、一般的な預金口座では株の売買を行えないので、株取引専用の口座が必要となるのです。
とはいえ、面倒な手続きは不要です。ネット証券であれば、オンライン上で口座開設の手続きを行えますし、最短で当日開設できるという証券会社まで存在します。
なお、口座の開設には、本人確認書類やマイナンバー確認書類が必要です。あらかじめ用意しておくと、手続きをスムーズに進められますよ。ネット証券によっては、確認書類の画像をアップロードするだけでよいというケースも少なくありません。郵送よりも早いので、アップロードをおすすめします。
口座を開設したら、後日郵送でパスワードなどが送られてきます。それが手元に届いたら、いよいよ株取引のスタートです。口座に投資資金を入金して、好きな銘柄を購入しましょう。
株の売買はパソコンからでもできますし、ネット証券によっては専用のアプリを提供しているケースも多いです。アプリをダウンロードしておけば、スマホからでも気軽に株を購入することができます。
スマホなら場所を選ばないので、通勤途中の電車の中でも株式投資を行えますよね。いきなり多くの資金を投入するのは緊張するという人は、少額からスタートすることをおすすめします。日本企業は100株単位での購入が基本となるので、まずは100株を買ってみましょう。
初心者にも人気!株主優待とは
株主優待を目当てに、株式投資を行っている投資家もいます。株主優待を行っている企業では、独自のサービスや商品を株主に提供しています。
たとえば、映画配給会社の場合は、映画を無料で鑑賞できるチケットを株主優待にするといった具合です。株を保有しているだけで株主優待をもらうことができるので、大きな魅力を感じている人も少なくありません。
ただし、株主優待を確実に受け取るためには、権利確定日に注意する必要があります。各企業は「権利付き最終日」を設定しており、その日の翌日まで株を保有していることが必須なのです。この日の後に株を購入した場合は、株主優待を受け取ることができません。
株主優待は、年に1回または2回受け取ることができます。1回か2回という回数は企業によって異なりますし、株主優待を実施する時期もそれぞれ違います。年に2回実施している企業の場合は、株主優待を2回受け取ることができるということです。
また、株主優待はすべての企業が実施しているわけではありません。株主優待を狙うのであれば、株を購入する前にしっかりと確認するようにしましょう。それから、企業の業績によっては、株主優待の内容が変更されることもあります。業績が上がれば、より充実した株主優待を期待できることでしょう。
このように、配当金に加えて、企業独自の株主優待を受け取れることも、株式投資ならではの楽しみといえますよね。
株初心者におすすめの本
ここでは、株初心者に特におすすめの本を2つご紹介します。株の入門書として有名なのが「世界一やさしい株の教科書1年生」です。タイトルが表しているように、まったくの初心者でも理解できるようにと、非常に丁寧に解説してくれています。
難しい言葉を多用していないので、比較的すんなりと頭に入ってきやすいといえます。また、株式投資をするうえで必要になる用語についても、それぞれ詳しく説明してあります。
初心者向けの本ではありますが、内容が充実しているので、まさに教科書として繰り返し読み返すのにも最適でしょう。株式投資をすぐにでも始めたいが、どこからスタートすればよいのかわからないという人におすすめです。
続いておすすめしたい本は「ファンダメンタル投資の教科書」です。著者は、公認会計士と税理士、ファイナンシャルプランナーという肩書を持っています。プロの視点から、決算書や四季報の読み解き方を具体的に解説しています。
まったくの株初心者にとっては、少し難しい内容かもしれませんが、株式投資を続けていくうえで非常に役立つ内容が網羅されている本です。会社四季報や決算書が重要だということは理解しているものの、どこを見て何を判断材料にすればよいのかさっぱりわからないという人におすすめします。
会社四季報や決算書に関する知識を身につけることで、データに基づいた客観的な判断ができるようになることでしょう。
まずは一歩を踏み出してみよう!
スマホアプリなど、便利なツールが用意されているので、初心者でも気軽に株式投資を始めることができます。必要な知識は、実際に株を売買しながら身につけていくことが効率的ともいえます。まずは、口座の開設から始めましょう。