株式を中心とする投資ではよくテーマを挙げて銘柄が集められています。5G投資は近年注目されていますが、どのような内容なのでしょうか。5G投資の基本的な考え方や投資家の見解を確認して、選ぶべきかどうかを考えてみましょう。
5G投資とは
5G投資とは第五世代移動通信システムに関連する銘柄に対する投資です。スマートフォンやタブレットなどの普及によってどこにいても気軽に高速通信を行える環境が世界的に求められるようになってきました。
さらにデータの肥大化が進んできていて、動画やゲームなどをスムーズに送受信できる高速通信のニーズが高騰しています。この状況を受けて、より強固で高速な通信を実現できる5Gが考案されて、徐々に整備が進められてきています。
国を挙げて計画的にインフラが整えられ、さらに5Gを利用するためのサービスや5Gを応用するビジネスの展開などの計画も立てられ、着々と実行されてきました。
5G投資は5Gに関連する銘柄株を主にターゲットにしているのが特徴です。これから5Gが社会に浸透していくと、サービスを提供している会社やインフラを作り上げている会社、あるいは5Gを応用したビジネスを展開していく会社が成長すると期待できます。
そのため、5Gを重視して事業の展開を図っている会社に着目した投資が行われるようになっています。5G投資では個々の銘柄を自分で選択して投資することもできますが、証券会社などが作成したテーマ株で投資することも可能で、複数の銘柄に少額投資をして利益を得るのを目指せる点からも注目度が高まっているのが現状です。
5G投資の基本的な考え方
5G投資が注目されている理由を詳しく理解するためには、利益を生み出せると考えられる基本的な視点を知る必要があります。企業が成長するから株価が上がり、現在よりも高い価格で売れるから儲かるというのが基本的な考え方です。
ただ、5G投資という枠組みで注目されているのには理由があります。5Gが世の中に浸透したからといって、必ずしも特定の企業が100%成長するとは言い切れません。
例えば、5Gを使う通信サービスを提供する会社はたった一つしかないわけではなく、複数の会社があります。その全ての株価が上昇するとは限らず、競争によって負けてしまい、廃れてしまう会社も出てくる可能性はあるでしょう。
5G投資はこのようなリスクも考慮して分散投資を基本としているのが特徴です。5Gに関連する銘柄一つに投資をするのではなく、多角的な視点で5Gに関わる企業に広く投資するのが一般的なアプローチになっています。
インフラを担う会社、通信サービスを提供する会社、応用技術を開発する会社などからそれぞれ複数社を選び出し、その銘柄株を購入して成長を待つというのが基本です。
株式投資の場合には個々の会社の株価が上がった時点で売却できるため、同時に全ての株価が上がらなくても問題はありません。事業の種類によって成長のタイミングは異なるので、タイムリーに売れば稼げると考えると良いでしょう。
5G投資は投資信託も可能
5G投資では個別の株式に着目したり、テーマ株を利用したりするケースが多かったですが、近年では投資信託も登場しています。5G投資における投資信託とは、5Gに関連する銘柄株を中心として幅広く複数の銘柄を集めた分散投資になっているものです。
一般的には複数銘柄の国内、海外の株式を組み合わせたポートフォリオになっていますが、もっと広く捉えて社債や不動産を組み合わせているものもあります。
5Gに関連する会社の社債や通信に関わるインフラを整備するのに必要となる不動産についても盛り込むと、より広く資金を分散させることができるからです。株式だけに着目している投資信託とは利回りと安定性という点で違いがあるため、投資方針に応じて適切なものを選ぶのが大切です。
株式投資ではまとまった資金が必要になる場合が多く、テーマ株でも数十万円は用意しなければならないのが通例です。
しかし、投資信託では1万円くらいの資金があれば始められるため、少額投資で5Gに着目した運用をしてみたいという人にも取り組むことができます。銘柄の売買やポートフォリオの修正などは全て運用会社に任せることが可能です。
そのため、運用にかかる労力が少なくて済むのが投資信託を選ぶメリットです。成長を期待して5Gに関連する銘柄に投資をしてみたいと考えているときには投資信託も検討してみましょう。
5G投資の投資家の間での見解
5G投資は本当に良いのかどうかが気になる人もいるでしょう。確かに高速通信が必要とされている社会状況はありますが、株価が高騰するほどに急成長を期待できる分野なのでしょうか。投資家の間での5G投資に対する見解は割れています。
4Gでも十分な速度を得られていて満足している人たちも多い状況があるため、それほど需要が伸びないのではないかというのが否定的な見解を持っている投資家の意見です。
また、競争が激しくなるリスクが高いことから、銘柄選定で誤ると大損をすると考えられるといった意見もあります。この場合にはハイリスクハイリターンだから避けておくべきという考え方になっています。
一方、5G投資を推進する意見の投資家の場合には、情報サイズが肥大化していることを考えると欠かせない技術になるはずだという見解が多くなっています。
現在では動画やゲームが着目されていますが、ビッグデータの取り扱いが一般的に行えるようになると必然的に通信量が増えるでしょう。その時代が到来することも見越して投資をすると5G分野全体の急成長を見込めるのではないかという意見が目立ちます。
このように5G投資に対する投資家の意見は多岐にわたっているので、確実に狙って大丈夫な分野とは一概には言えません。自分なりに成長を期待できる根拠を見出せたら投資するのが適切な考え方でしょう。
5Gを狙うなら投資額はどのくらいが良いか
投資家の間では意見が割れているのは確かですが、5Gに関連する銘柄が成長する可能性が十分にあるのは確かです。適切な銘柄を選定して投資できればきっと大きな利益を生み出せるでしょう。
本気で5Gを狙って投資をしようと思ったときには、投資額をどのくらいにすべきかが悩みになるかもしれません。余剰資金がどのくらいあるか、投資計画をどのようにしたいかによって5G関連の銘柄に投資する金額をどの程度にしたら良いかは異なります。
基本的に5Gは向こう数年の間に成長すると期待されています。早い場合には数週間や数ヶ月で株価が上がると考えられますが、長い場合には5年前後はかかると考えた方が良いでしょう。
そのため、投資した資産をどのくらいのタイムスパンで増やせるようにしたいかに応じて投資額を決めるのが大切です。5Gは現在はインフラ整備が完了した段階にあり、今後はサービスの提供や新技術の開発が進められていく予定になっています。
インフラ系の会社では持続的な成長を見込むことができ、サービスの提供や新技術の開発を担う企業では株価の急騰を期待できるでしょう。このような株価の動きの予測に基づいて資金を分配し、5G全体が失敗に向かった際のリスクヘッジも考えて投資額を決めるのが賢明な判断です。
余剰資金が十分にある場合には一部を5G投資に回し、他の分野への分散投資もするのが無難でしょう。
5Gの状況を考慮して投資の方針を決めよう
5G投資は新しい高速通信システムの構築と普及に注目した投資です。高速通信のニーズが上昇の一途をたどっていることから期待度が高い分野として注目されています。5Gの何を担う企業かによって今後の株価の動きにも違いがあることを考慮して投資の仕方を検討しましょう。