投資で重要なリスク許容度とは?高める方法を解説!

投資で重要なリスク許容度とは?高める方法を解説!|リビングコーポレーション

 

投資において理解するべき項目のひとつに「リスク許容度」があります。自分のリスク許容度を知ることで、的確なポジションを取ることができます。しかし、個人によって異なるリスク許容度を正確に測ることは簡単ではありません。今回はリスク許容度と高める方法について解説いたします。


<リスク許容度とは?>

リスク許容度とは、資産運用をする中で損益がマイナスになった場合、どの程度なら受け入れられるかどうかの度合いです。

投資においてリターン(利益)の許容度は基本的には無限大と言えますが、損失の許容度には限界があります。

これは資産の面からに加えて、精神面においても損失にどれだけ耐えられるかは個人により違うため、投資する前にシミュレーションを行うことが大切です。

例えば同じ投資額で、同じ金額がマイナスになっていた場合、何も感じない人もいれば、一方で不安で落ち着かなくなり、日常生活にも影響が出てしまう人もいます。

投資を考える際、どの程度のリターンを得られるかをほとんどの人が考えますが、同時にこの投資によりどれくらい損失が出る可能性があるかも想定することも重要だと言えます


<リスク許容度の要素>

リスク許容度には様々な構成要素があります。
次からは、リスク許容度を決める主な要素について解説していきます。

 

・保有資産

一般的に保有している資産が多いほどリスク許容度は高くなる傾向があります。
100万円の資産を保有する人と、1000万円の資産を保有する人で、10万円の損失が出ている場合を考えると、前者はマイナス10%、後者は1%のマイナス評価額となります。
余剰資金で投資していたとしても、10%の損失を被ることはなかなか許容できることではありません。

また、今後資産になり得る収入が多い方がリスク許容度は高くなります。
年収が高ければ投資で多少失敗した場合でも、影響が少ないため過度な心配にならない可能性が高いからです。

 

・年齢

年齢が若いほどリスク許容度は高くなります。
これは給与収入がある場合、若い方が給与収入を得られる期間が長いと考えることができるからです。
また年齢が若いと、運用できる期間も長期的な視野になり、万が一損失になっている場合でも労働による収入で穴埋めすることもできます。

このことから、若い世代ではリスクを取って資産を増やす投資ができると考え、年齢が高くなるほど資産を守る投資を行うことが適切な行動と言えます。


・性格

同じ割合だけ損失になっている状況でも、不安に感じるかどうかはその人によって違いがあります。自身の性格のタイプを理解し、投資に反映させることが大切だと言えます。

また元々貯蓄やリスクの低い投資を心がけてきた人が、価格変動幅が大きい商品に手を出すことにより、価格変動に伴う資産の増減の大きさにストレスを感じてしまうことも少なくありません。

投資は余剰資金で行うことが大切で、無くなっても良いお金と分かってはいても実際に損失を確定することは簡単ではありません。

投資してから日々の価格変動に一喜一憂し、マーケットの動きが気になって仕方がない状態はリスク許容度を超えた投資と言えます。

このような投資をしている場合、仕事や日常生活に支障をきたしてしまう可能性もあり、行っている投資は向いていないと考えたほうが良いかもしれません。


<リスク許容度を高める方法とは?>

自身の投資判断の基準が明確で、多少の損失でも投資方針がぶれない人は、リスク許容度が高い人と判断できますが、これは投資経験に比例する傾向があります。

投資歴が長く、成功体験や失敗体験があることで、良い意味でマーケットの値動きになれてくる傾向があります。
多少の下げでも、過去の経験則に照らし合わせて動揺すること無く、逆に好機と捉えることができるにはそれなりの投資歴が必要だと言えます。

このことから、個人の性格の要素に加え、投資経験の長さもリスク許容度を決定する重要な要素と考えることができます。

投資経験を積むことで、市場の値動きやパターンに慣れることができ、多少の価格変動に一喜一憂することなく、耐性も上がってくることも考えられます。

つまり、リスク許容度が最初から高い人はあまりおらず、投資を実際に経験するなかで徐々にリスク許容度も上がっていくと言えます。

まずは投資を小額からでも実際に行ってみることが、投資で成功できるはじめの一歩となるのかもしれません。

投資を実際に始めることにより、自分の投資したお金がどのような理由で増減したのか、マーケットが大きく動く重要指標はいつ発表になるのかなどを、初めて知ることができると思います。
投資を行うことで、経済ニュースや会社の情報などに関心を持つようになり、色々な面で勉強になることも投資のメリットと言えます。


<投資の目的とリスクについて>

投資を行う最大の目的は、お金を増やすことだと思います。
目的がお金を増やすということは、反面、お金が減ることは、なかなか許容しにくいと考えることもできます。

投資は元本保証ではないため、投資元本が減少してしまうリスクは常にあると分かってはいるものの、実際に口座残高が減少してしまうことは受け入れられないのも事実です。

このようなことから、リスク許容度が低い投資初心者のうちは、値動きが小さい商品で、キャピタルゲイン狙いよりも、配当などのインカムゲイン狙いの投資をすることが最適かもしれません。

短期的な売買益を狙う手法は、基本的にはハイリスク・ハイリターンな投資に分類されることが多く、短い期間で大きなリターンが期待できることがメリットです。
一方で、短期間に大きな損失になる可能性もあり、投資はリスクとリターンはトレードオフの関係にあることは常に意識して取引をすることも重要です。

またリスク許容度は、投資においての最終目標をどこに置くかで大きく違ってきます。
投資のゴールがFIRE(経済的自立によるアーリーリタイア)達成や、大きな資金を動かす億トレーダーになることであれば、リスク許容度は高くないと達成は難しいでしょう。

投資だけで大きな資産を築き、専業投資家として生計を立てている人たちの情報は、SNSを通じて簡単に得ることができる時代ですが、彼らは世の中では少数派の卓越したスキルと忍耐力を持った人たちだと言えます。

投資の考え方や手法を参考にするのは有効ですが、投資のゴールをあまりに高く設定してしまうと、その分だけリスクは上がります。
また、投資にはハイリスク・ハイリターンな投資手法はあっても、ローリスク・ハイリターンな手法は存在しません。利回りの良さだけに目を奪われ、よく分からない商品や手法に手を出すことは、リスクが高い行動と言えますので注意が必要な面もあります。

投資により、将来的に銀行に預けておくよりは資産が増えればよいという考え方であれば、難しい取引やリスクの高い商品に手を出さなくても良いため、リスク許容度が高くない人にも成功できるチャンスは少なくないと言えます。


今回はリスク許容度について考えてきました。自身のリスク許容度を正確に知り、それに見合った投資商品と手法を選ぶことが大切です。またリスク許容度は、投資経験を積むことにより高めることもできるため、実際に投資を始めることが重要と言えます。