超低金利時代になったことから、まとまったお金を銀行口座に入れておくだけでは資産が増えなくなりました。かといって株式投資や不動産投資をするのはリスクが高そうと感じる人は多いでしょう。そこで注目されているのが投資信託です。ここでは投資信託の魅力をお伝えします。
投資信託の種類について
投資信託とは、運用のプロが投資家から集めたお金を使って株式や不動産などに分散投資する手法です。分散投資して得た利益に関しては、お金を出した投資家たちに分配します。投資信託の特徴としては、購入金額の単位が低く小口投資が可能な点にあります。また、プロが運用する金融商品ですが、元本は保証されていません。
ところで、投資信託は色々な種類に分類できます。株式を一切組み入れない安全性の高い公社債投資信託と、株式を組み入れる株式投資信託があります。また、いつでも購入できる追加型投資信託と、募集期間中でないと購入できない単位型投資信託に分類することも可能です。
さらに、いつでも解約できるオープンエンド型投資信託と、解約できないクローズドエンド型投資信託に分類することもあります。ちなみにクローズドエンド型投資信託の場合、換金するときは市場で売却する必要があります。
また、運用スタイルで投資信託を分類することも可能です。投資信託を分類するときに、最も馴染みがあるのが、この運用スタイルによる分類かもしれません。1つはインデックス型投資信託と呼ばれるもので、日経平均株価やTOPIXなどの指標によって値動きが変わるスタイルの投資信託です。
もう1つはアクティブ型投資信託と呼ばれるものであり、より良いパフォーマンスを目指すために作られた投資信託です。さらにアクティブ型は、グロース型やバリュー型などに細かく分類できます。
インデックス型投資信託の特徴
日経平均株価やTOPIXなどに連動して値動きが決まるインデックス型投資信託。これは市場そのものを保有し、銘柄の売買は原則行わないスタイルの投資信託です。
銘柄を選んだり売り買いをしなかったりするため、ファンドの維持コストが低く抑えられるというメリットがあります。投資信託を保有している限り、継続的にかかる維持コストのことを信託報酬と呼んでいます。
信託報酬は保有する投資信託の時価に対して、年率何パーセントという形でかかってきます。これは投資信託を保有し続ける限り支払い続けるコストであるため、収益に大きな影響を及ぼすのです。例えば、名目上年率5%の収益をあげている投資信託であっても、信託報酬が年率1.5%であれば、実質的な収益は3.5%となってしまいます。
先述したアクティブ型投資信託はベンチマークを上回る運用成果を目標とすることから、銘柄の選別を行うためにそのリサーチを継続しなければなりません。そのためには、人が動く必要があります。
さらに、銘柄の売買を行えば手数料がかかり、結果として維持コストがかかることになります。つまり、アクティブ型投資信託はインデックス型投資信託に比べると、信託報酬が高めになることは知っておくと良いでしょう。
高い運用成績を目指す分維持コストがかかるアクティブ型投資信託と、指数に連動した現実的な値動きで維持コストがかからないインデックス型投資信託。それぞれにメリットとデメリットがあるので、自分の目的に合った投資信託を選ぶことが肝心です。
投資信託のリスクについて
株式投資に比べると比較的リスクが少ないといわれる投資信託。何故なら、多くの銘柄を同時に保有するためリスクの分散が可能となるからです。また、1つの銘柄を保有する場合に比べて、背負うリスクの大きさが小さくなります。しかし、投資信託であっても、投資である以上リスクが伴うことは知っておく必要があります。それが元本割れリスクです。
特にアクティブ型投資信託の場合、運用のプロが独自に銘柄を選定して運用を行っています。これは、運用のプロの腕次第で成績が大きく分かれることを意味しています。腕が良ければ市場を大きく上回るリターンを得る場合もありますが、逆に大きく下回るパターンもあるのです。そうなれば、元本割れのリスクは避けられません。
一方インデックス型投資信託の場合、元本割れのリスクがないかといえばそうではありません。こちらは市場の動きに連動するため、景気が悪化して市場が落ち込めば、リターンが低くなるばかりか元本割れするリスクもあります。
このようなリスクを回避するものとして、投資信託を毎月定額ずつ積み立てる方法があります。これはドルコスト平均法と呼ばれるものであり、価格が下がっているときに口数を多く、価格が上がっているときに口数を少なめに買い付ける方法です。
人間の心理として価格が下がっているときはなかなか買い付けられないので、毎月定額ずつ積み立てる方法はリスク回避に適した手法といわれています。
つみたてnisaで投資信託を購入する
積み立て投資という言葉が注目されるようになってから、投資信託を毎月積み立てて購入する人が増えました。そのような背景の中、2018年にはつみたてnisaという制度が開始されました。
nisaとはNippon Individual Savings Accountの略称であり、少額投資非課税制度とも呼ばれています。つみたてnisaが登場したことで、投資がより身近に感じた人も少なくありません。投資が不安な初心者でも継続して続けられる制度として注目されています。
つみたてnisaはその名の通り、長期の積み立て投資に特化した制度です。投資できる商品は投資信託に限られていますが、いずれも厳しい基準をクリアした商品ばかりです。低コストで長期の積み立て投資に向いているものが厳選されているので、今まで投資を経験したことがない初心者に最適な仕組みとなっています。
つみたてnisaで積み立てられる期間は20年間、1年の積み立て上限額は40万円と定められています。累計で最大800万円分を積み立てることが可能です。年間の投資上限額が40万円と低めですが、無理のない積み立て投資が続けられるという観点では良いことかもしれません。また、資金の引き出しはいつでも可能という特徴があります。
投資資金にあまり余裕がないが、長期でコツコツ投資を続けたい人につみたてnisaは向いているといえるでしょう。また、いつでも資金を引き出せるので、教育資金や住宅資金など、将来的にまとまったお金が必要となる場合でもつみたてnisaの制度を活用することができます。
投資信託に関わる会社の種類
投資信託には3種類の会社が関わっています。この3つの会社がそれぞれの役割を果たして、投資信託という金融商品が成り立っていることは知っておくと良いです。まずは販売会社と呼ばれるもので、積み立て投資の窓口的役割を果たす会社です。
販売会社に該当するのが証券会社や銀行、郵便局や保険会社などです。投資家にとっては最も身近な会社といえるかもしれません。
続いては運用会社と呼ばれるものであり、ファンドそのものを作り上げる工場のような役割を果たす会社です。投資信託という金融商品を作り上げて、その運用を行っています。会社名にアセットマネジメントや投信会社などと付くことが多いです。
そして運用会社が作り上げた資産を一手に預かる倉庫的な役割を果たす会社も存在します。それが受託会社と呼ばれるもので信託銀行が該当します。
ところで投資信託の積み立て投資を始めるにあたり、その窓口となる販売会社を選ぶ必要があります。先述の通り、証券会社や銀行、郵便局や保険会社など色々な会社がありますが、その中でもネット証券会社を選ぶ人が少なくありません。
その理由としてはノーロード型のインデックス型投資信託を豊富に取り揃えていることが挙げられます。ノーロード型とは、投資信託を購入するときの申し込み手数料がゼロの商品をいいます。つまりネット証券会社には、手数料がかからず維持コストが低い投資信託の品揃えが豊富なのです。
しかも、給与振込口座からの引き落としが可能なので、手間をかけずに積み立て投資が続けられます。
投資信託で資産をつくろう
投資信託の中でもインデックス型は維持コストがかからないメリットがあります。投資信託は元本が保証されているわけではないため、そのリスクを回避するために長期間の積み立て投資がおすすめです。さらに、つみたてnisaは初心者にも最適です。自分に合った商品を選んで、将来の資産を築き上げましょう。