FIREを達成して得たものと失くしたものとは?

FIREを達成して得たものと失くしたものとは?|リビングコーポレーション

 

FIRE達成者Kです。

私は2018年にFIRE達成することができましたので、FIRE生活を約3年半続けております。今回は私がFIREしてから得たものと、失くしたもの、FIREとはなにかについてお話していきます。

 

<得たもの:①対等な人間関係>

仕事を介しての人間関係は、年齢や役職の上下、立場の強弱により最初から優劣が決まっている場合が多くあり、それを覆すことはなかなか容易ではありません。

 

人間関係を構築する前に、逆らうことができない、反対意見を言うことができない、同意しないと何らかの不利益が生じるなど、不利な状況でのスタートになっている場合があることは、会社員の人なら同意する部分も多いと思います。

 

FIRE達成後の人間関係は、このような当初から優劣が決まっている状況は無くなります。つまり、自分と波長が合う人、自分が好きだと思う人とだけ付き合うことができるので、対等な関係で人と接することができます。

 

自分が主導権を握った状態で人間関係を最初から構築することができるため、そこでは年齢、性別、立場や属性の違いは大きな問題ではなくなります。

 

もし、構築した人間関係にひずみが出てきた場合、そこから距離を取ることもできます。自分と合わない人との関わりを断つことにより、人間関係でのストレスはほぼ無くなります。

 

もちろん相手に対して敬意を示すことは必要ですが、こちら側から関わる人を選択できる権利を得ることができます。

 

FIREすることで、今までとは異なる構築方法での対等な人間関係が得られたと感じています。捉え方次第ですが、経済的な自由と同じくらいの重要度で、対等な人間関係を得られることに意義を感じ、FIREを目指す人もいると思います。

 

<得たもの:②時間の自由>

正確に言うと、時間に対する選択肢を得られたと表現できます。

 

会社員時代は、会社のある日は基本的に時間を拘束されます。労働時間はもちろん、労働前後の通勤する時間も拘束時間に入ると考えると、自由に使える時間はほぼありませんでした。

 

向き不向きの問題なので、それを嫌だと思わない人も多いと思いますが、私は通勤時間が無駄だと考えています。その時間に一切の選択肢がないからです。

 

FIRE達成後は、「半強制的に何かをしなければならない時間」が無くなります。自分が決めた事柄は別ですが、何をしても良い時間が発生します。この時間は「何もしなくても良い時間」でもあるため、選択肢はこちら側にある時間ということになります。

 

事前に決めたことだけではなく、天気が良いので急遽旅行に行くことも可能で、計画していなくても自分の気の向くまま過ごす時間が得られたことになります。

 

FIREを達成することにより、時間に縛られない生活を送ることができ、これにより色々な選択肢が生まれてきます。この自由な時間の使い方が、FIREのライフスタイルに適合するか、適合しないかの分かれ目になると感じています。

 

「そんなに時間があっても暇を持て余す」「何もすることがない」と考える人は、FIREには向いていない人なのかもしれません。実はFIREは、かなり人を選ぶライフスタイルだと感じています。

 

FIREをしたことにより人生が豊かになるのではなく、退屈で後ろめたい気持ちを感じるのであれば、それは本末転倒だと思います。これは私がFIREを他人に勧めていない理由でもあり、向き不向きを充分に考えた上でFIREを目指すべきだと考えます。

 

私の場合は、この時間の自由があることで、より深く色々なことを考えられるようになり、結果的に本当に自分がやりたいことを見つけることができました。

 

明日会社に行かないといけない状況では、考えることができなかった事に挑戦することが出来ています。

 

<得たもの:③投資の知識と向上心>

FIREを達成した時点で、ある程度の経済的な自由を得られたことにはなりますが、FIREの概念では年間4%の投資運用益が必要となります。

経済的な自由とは言え、投資を通じてお金に縛られることとなり、本当の意味で完全な自由は得られていない状況とも言えます。

 

しかし必要だからこそ、FIRE達成後は投資に対して真摯に向き合うことができるようになりました。以前から投資が好きで、勝っても負けても変わりなく参加してきましたが、より深く投資を極めたいという探求心も生まれてきました。

 

時間があることで、投資全般を勉強し直すこともでき、新たな知識や発見をすることができます。また新しい金融商品にも興味を持ち、積極的に取り入れることで、先行者の利益を得られることもあります。

 

私にとって不動産クラウドファンディングとの出会いは大きく、実際に資産の20%から30%を投資しています。株式や為替のような価格変動がなく、FIREのような資産を守る段階の投資には最適な金融商品だと思います。もしFIREしていなかったら、不動産クラウドファンディングに投資することは無かったかもしれません。

 

FIREは達成後の投資手法の良し悪しで、継続できるかどうかが大きく変わってきます。今後も投資と付き合っていく中で、向上心を持って臨んでいけることは、FIRE達成を通じて得られたことです。

 

<失くしたもの:社会的信用力>

「FIRE達成者」、「専業投資家」と言っても、法人化していなければ、日本ではただの無職にすぎません。FIREとは、会社を退職する生き方のことですので、FIRE達成と同時に、会社員という一般的に広く認められる属性を失うことになります。

 

特に家族がいる人は、FIREの実行を身内の人に反対され断念するケースも散見されます。日本はまだ投資に対してマイナスのイメージが強く、資金のある無しに関わらず投資家は「胡散臭い」、「不安定」、酷い場合は「ギャンブラー」というマイナスイメージが伴うことは事実です。

 

社会的信用力を失うと考えられるデメリットは、無職という世間体の部分だけでなく、信用の審査が必要な事柄について、審査が通らない可能性が出てきます。

 

具体的には、住宅や車のローン審査、新規クレジットカードの審査、賃貸物件の保証会社の審査が挙げられます。しかし、私の実体験では、クレジットカードと賃貸物件の保証会社の審査は、銀行の残高証明書を提出することで問題なく審査が通っています。

 

世間体の部分に関しては、家族の受け取り方次第ですが、私の場合は家族も納得しており特に問題はありません。しかし、もし私に子どもがいたら、FIREしたかどうかは分からないと思います。FIREとは、自分だけでなく周りの環境や状況が整って初めて達成できる生き方だと感じます。

 

<FIREとはなにか?>

FIREの概念や数値目標は他のメディアにも多く取り上げられていますので、今回は考え方の切り口で説明いたします。

 

時代や環境が変化する中で、新しく生まれたライフスタイルがFIREであり、多様性を認める世の中だからこそできる、新しい生き方だと感じています。

 

FIREを目指すこともFIREを否定することも正しい解釈だと思っています。しかし、時代とともにライフスタイルが変化してきたことは、歴史が証明しています。FIRE達成者の多くは自分の人生を楽しみ、世間体や中傷を気にしていない人がほとんどだと思います。

 

私が実際にFIRE生活を体験して分かったことは、FIREとは達成することがゴールではなく、達成してからのビジョンが重要だということです。FIRE達成により、人生の選択肢は確実に広がります。