不動産クラウドファンディングとREITの違いとは?それぞれの特徴を徹底解説!

 

不動産クラウドファンディングとREITは不動産投資を小口化した投資商品です。

現物の不動産投資と比べて、少ない金額から投資することができるため注目を集めています。

今回は不動産クラウドファンディングとREITの違いと、それぞれの特徴を解説していきます。

 

 

REITとは?

REITはReal Estate Investment Trustの略で、不動産投資信託という意味です。

日本のREITは海外と区別するためにJ-REITとも呼ばれています。

投資家から資金を集め、複数の不動産を運用し、得た家賃収入などを投資家に分配する投資商品です。

 

REIT運営会社は投資法人を設立し、不動産投資と運用を行います。

それを証券化し証券取引市場での売買がされており、投資家は証券取引市場で取引を行います。

インターネット上でネット証券会社を通じて売買することも可能です。

現在、REITの銘柄数は60数銘柄あります。

 

REIT運営を行う投資法人は、投資家に得た利益の90%以上を分配することで法人税が課されないという税法用の制度があり、この理由から分配金利回りが高いREITもあります。

最近のREIT全体の分配金利回りは3%から4%となっています。

 

REITには価格変動リスクがある

REITは証券市場で売買ができることが特徴です。そのため株式と同じように、市場が開いている時には価格の変動があります。

自分の購入した銘柄の価格が上がることもありますし、逆に下がってしまうこともあります。

自分の購入した銘柄が購入価格よりも上がった時に売却すれば、売買益(キャピタルゲイン)を得られる機会があります。

売却せずに保有すれば、分配金(インカムゲイン)が得られます。

 

REITはキャピタルゲインとインカムゲインの両方を得られる場合がある商品です。

しかし値下がりした場合には、値下がり額が得られる分配金を超える場合は、損失になります。

このようにREITは株式と同様の価格変動リスクがあります。

 

REITの投資対象は?

銘柄により運用する不動産の種類が違ってくることもREITの特徴です。

投資対象の不動産は、商業施設、オフィスビル、賃貸住宅、物流施設、ホテル、インフラ施設などがあり、ホテルや物流施設に特化して投資している銘柄や、様々な種類を組み合わせて投資している銘柄もあり、投資家は銘柄選びが必要になります。



REITは複数の銘柄を持つことにより不動産対象の分散投資にもなりますが、プロが運用するとはいえ、価格変動や収益に変化もあり銘柄選びには難しさもあります。

 

最近の例では、コロナ禍でホテルの運営が厳しくなる一方、物流施設の売上は増える傾向にあり、賃貸住宅は好調ですが、商業施設は厳しくオフィスの空室率も上がっています。

このようにREITは経済状況や景気に大きく影響される点も特徴と言えます。



REITのメリット

株式に比べ全体的に想定利回りが高く、証券市場で売買ができるため、現金化しやすい特徴があり流動性リスクは低いです。インターネットを通じて、気軽に投資することも可能です。

 

現物の不動産投資は多額の資金が必要で、ひとつだけ物件を持っている場合でも管理などの手間や空室リスクもあります。

REITの場合、複数の不動産に投資しているので、一つの銘柄でも分散投資ができます。

また個人では投資することが難しい大型の商業施設やオフィスなどにも投資でき、運営は投資法人の不動産のプロが行うので、投資した後は管理などがいりません。



不動産クラウドファンディングとは?

不動産クラウドファンディングとは、多数の投資家から出資を受けた事業者が、現物不動産を取得し、賃料収入や売買等の取引から生じる利益を投資家に分配する仕組みです。

2017年に不動産特定共同事業法が改正されたことで、不動産投資の間口が広がり、個人投資家でもインターネットを用いて少額から不動産投資を行えるようになりました。



不動産クラウドファンディングの投資対象は?

不動産クラウドファンディングは、ファンドの運用する不動産は1件(1棟)の場合が多いです。

ホテルやマンションを購入し、その物件を運用して得られた家賃収入などの利益を投資家に分配する仕組みです。

事業者を分けて投資することや、同じ事業者の中のファンドを分けることで分散投資になります。

 

不動産クラウドファンディングのファンドの中には、ESG投資やSDGsの概念に基づいた施設や不動産に投資できるファンドもあり、利益を得られると同時に、投資を通じて社会貢献できるという考え方もあります。



不動産クラウドファンディングのメリット

REITとは異なり、価格変動リスクがありませんので、投資後は毎日マーケットを確認する必要がなく、運用終了まで待つだけの投資となります。

そのため、時間のない人にも向いています。

 

すぐに現金化することができないため、流動化リスクという点では劣るところもあります。

しかし利回りだけに惑わされず事業者と対象不動産を良く分析することで、安全性の高いファンドに投資できれば、投資が成功する確率は高くなります。

 

不動産投資を小口化することにより、今まで一部の機関投資家や富裕層だけしか投資できなかった不動産投資を、小額から手軽に投資できる仕組みはRIETと同じです。

元本の保証はありませんが事業者によっては、優先劣後出資やマスターリース(賃料保証)契約により投資家のリスクを軽減しており、この点は投資家としては大きなメリットです。

 

また利回りが高いという点もメリットです。

不動産投資クラウドファンディングは他の投資商品に比べ、想定利回りが高めに設定されているファンドも多く、利益を多く得られるチャンスがあります。



不動産


不動産クラウドファンディングとREITの今後は?

不動産投資に挑戦したくても、資金や時間がないために躊躇している人も多いと思います。

現物不動産への投資は安定した長期間のインカムゲインを得られるというメリットもありますが、多額の資金が必要で、購入するまでも情報収集や借入など様々な手続きもあり、初心者にはハードルが高い投資と言えます。

また物件購入後も災害リスクや空室リスクがあり、物件の管理やメンテナンスなどにお金と時間もかかります。

 

不動産クラウドファンディングは、この現物不動産投資のデメリットを失くし、不動産投資の高度な知識や経験が無くても手軽に優良な不動産に投資できるチャンスでもあります。

優良な不動産への投資は安全性や透明性も高く、不動産クラウドファンディングは多くの投資家が注目しており、資金の流入額も年々増加をしています。

 

今後は株式投資やその他の投資商品との分散投資の観点からも、不動産投資の小口化の流れは加速すると予測します。

近年の不動産クラウドファンディングは、上場企業のグループ会社が運営する事業者も増え、投資対象不動産の詳細な情報も明確に開示されているファンドも多くなっています。

 

REITと不動産クラウドファンディングはそれぞれに異なる特徴があり、投資商品としては初心者から投資上級者まで投資しやすい商品です。株式投資との分散投資にもなります。

 

小額から手軽に投資できますので、この機会に実際に投資を始めてみてはいかがでしょう?