IT投資について徹底解説!

IT投資について徹底解説!|リビングコーポレーション

世界的にIT投資に取り組むケースが急激に増えてきていますが、実はIT投資には二つの意味があることを知っているでしょうか。この記事ではIT投資の持っている意味と現状における投資の動向について幅広く紹介します。

 

IT投資の二つの意味

 

IT投資という言葉自体は情報技術に関する投資という広い意味を持っています。特にIT投資が議論されるときには投資家にとっての投資先としての意味と、企業にとってのIT活用のための投資という意味があります。

 

投資家にとってのIT投資は利益への期待を持てることで注目されています。IT業界の企業が大きく成長して新しい技術を生み出し、大きな社会変化を起こしていることから、株式投資でIT系の企業をターゲットにすれば株価の急騰を期待できると考えられています。

 

そのため、IT株と呼ばれる一連の銘柄を紹介するアナリストや証券会社も多くなっているのが現状です。

 

一方、企業にとってのIT投資はパソコンやスマートフォンの利用から始まり、社内ネットワークや外部のクラウドサーバーの活用など、多岐にわたっています。業務フローを刷新したり、業務効率化を図ったり、コスト削減を目指したりするなど、企業にとってのIT投資の目的は様々です。

 

IT業界では新しい技術が次々に生まれてきているため、ITを有効活用して事業利益を大きくしつつ、新しい事業展開の可能性を切り開くツールとして活用しようという考えが広まっています。

 

ITの利用には設備やサービスなどに資金を投じなければならないため、IT投資と呼ばれて多くの企業が毎年のように多額の予算を確保して精力的に取り組んでいます。

 

企業がIT投資をする理由

 

企業がIT投資をするのはなぜなのでしょうか。最終的な目標は利益を増やすことや社会的に求められている役割を果たすことです。新しい事業を始めたり、既存の事業を成長あるいは拡大したりするためにはITを活用するのが便利です。

 

今までできなかったことがITによって可能になってきているため、自社事業を見直してITを活用し、事業の可能性を最大限に引き出して利益を向上させるという考え方が基本になっています。

 

また、上述のように業務効率化によって人件費などの削減をおこないつつ、従業員の労働負担を軽減する目的でもIT投資が進められています。従業員の健康管理も雇用者の努めなので、業務のストレスを減らしつつ、労務管理を徹底するためにITを活用しているケースは増えているのが現状です。

 

また、IT投資によって働き方改革の促進をしているケースも多々あります。リモートワークを取り入れるのが急務になり、ネットワークを整備したり、オンライン会議のシステムを導入したりする取り組みは多くの企業が力を注いでいます。

 

働き方改革のためのIT投資は業務効率の向上や従業員の満足度につながるだけでなく、企業としての社会的責務を果たすことにもつながる重要な取り組みです。ITを活用するのは必須ではありませんが、リモートワークの基盤構築のようにITがなければ困難なものもあります。

 

あくまでITはツールの一つではあるものの、新技術の活用可能性が広いことから投資先として積極的に選ばれています。

 

企業と投資家のIT投資の実例

 

企業や投資家にとってのIT投資ではどのような例があるのでしょうか。それぞれについて具体例をいくつか見ていきましょう。企業のIT投資として典型的なのは業務システムの導入による効率化です。

 

バックオフィス業務の効率化のためにITシステムを導入した事例は多数あります。勤怠管理や給与計算、経理清算や会計などが代表例で、社内サーバーを設置してシステム導入をするケースと、クラウドサービスを利用するケースがあります。

 

初期費用を抑える目的でクラウドサービスを利用する傾向が強まっていますが、どちらも一長一短なので社内事情に合わせて選択されているのが一般的です。このようなIT投資では業務効率化によるコスト削減により、長期的な視野で投資した資金を取り戻すことが目指されています。

 

投資家のおこなうIT投資の例としてはVRやAIに着目するケースが近年ではよく見られます。新しく生まれてきたITに着目し、今後のサービスの向上や展開、応用を期待して投資するのが特徴です。

 

ベンチャー企業が注目されることが多く、上場してまだ成長段階にある企業に投資をして成功している事例が多数あります。また、未上場のベンチャー企業と提携したり、買収したりした企業が新技術を使ってサービスを開発すると期待し投資する例も少なくありません。

 

新しい製品やサービスが開始される頃になると株価が急騰することが多く、大きな利益につながるIT投資の仕方です。

 

2021年における企業のIT投資の状況

 

2021年には企業が活発にIT投資を実践してきました。緊急事態宣言の影響を受けてオフィスや店舗に出勤して働くのを避けるべき状況が生まれたため、リモートワークをおこなえるIT環境の整備が必要になったからです。

 

もともとIT化を進めていた企業では比較的投資額が少なくて済んでいますが、あまりITを使ったコミュニケーションをおこなっていなかった企業では社員教育の必要も生じて大きな投資になっている傾向があります。

 

ただ、2020年から2021年にかけて社内IT基盤の充実を図ってきた影響で、以前よりも収益を向上させるのに成功している企業も少なくありません。IT投資による企業成長に成功している事例が多かった期間です。

 

このような動向があった影響で、企業のIT投資をサポートするサービスを提供する企業の株が大きな伸びを示しています。リモートワークの基盤を作るためのコンサルティングサービスや、リモートワークに使えるクラウドサーバーの提供などが代表例です。

 

リモートワーク下における労務管理に利用するクラウドシステムの提供企業の株も上昇しています。投資家にとってはこのように企業のIT投資をサポートする企業を狙って投資をするのが重要な年になったと言えます。

 

ただ、IT系のサポートサービスをしている企業の株が全て上がったわけではないので投資先を選ぶときには注意が必要です。

 

企業におけるIT投資の内訳の変化

 

企業がIT投資をする傾向を見ると、投資家にとっても利益を生みやすいIT投資の方針を考えることができます。IT系のサービスを提供している企業をいくつか集めて投資をするよりも、この企業ならきっと成長するはずだと期待される企業を厳選するのが理想的でしょう。

 

そのためには企業におけるIT投資の内訳を確認するのが重要です。どのような目的や用途でのIT投資に注力しようとしているかがわかれば、その関連サービスを提供している企業の株価が上がると考えられるからです。特に重要なのはIT投資の内訳の変化を見ることで、新しく上位に浮上してきたものがあればこれから株価の大きな上昇を期待できます。

 

2020年から2021年にかけての各社の傾向を見ると、社内のIT基盤を充実させることがトップに立ち続けています。ただ、2位以下については年々変化しているので注目する価値があります。

 

例えば、2020年には自動化のためのシステム導入やクラウドサービスの活用に取り組む企業が多くなっています。しかし、2021年ではリモートワークやモバイルワークのための環境整備とセキュリティ対策が上位に浮上してきています。

 

どちらも基本的には自宅勤務が増えた影響で早急に整備しなければならないIT基盤と言えます。このような動きを早い段階で見つけられれば、投資家もIT投資に成功できるようになるでしょう。

 

IT投資の状況を見て投資しよう

 

IT投資には企業が取り組むものと投資家が株式投資で狙うものがあります。ただ、互いに関連性は深く、企業が投資先として選んだ分野の株が上がる傾向があるのが特徴です。IT投資をしていきたいなら企業の状況を見て投資先を選定しましょう。