20代で資産運用を始める際のメリットや注意点を解説!

20代で資産運用を始める際のメリットや注意点を解説!|投資がもっと楽しくなるメディア

 

「老後2000万円問題」が報じられてからというもの、まだ老後を意識することはないはずの20代の間でも、資産運用への関心が高まっています。しかし、20代の資産運用としてなにをすべきか、明確にイメージできる人は少ないはず。

 

ここでは、20代で資産運用をはじめるメリットや、資産運用するときのポイントを解説します。

 

 

興味はあるけど実践している人は少ない?20代資産運用の実践割合

冒頭、20代で資産運用に興味を持つ人が増えていると述べました。20代の方であれば、同僚や同級生との会話のなかで、資産運用への関心の高まりを実感していることでしょう。これは、20~50代の男女を対象におこなわれたお金に関する調査のなかでも明らかにされています。

 

ある資産運用会社が2020年1月に実施した調査によると、資産運用に興味があると答えた20代は、20~24才の若年層で72%、25~29才の高年層で76%でした。この数字は、20~59才までの各世代のなかでもっとも高く、それだけ若い世代が資産運用に興味を持っていることを示しています。

 

しかし、資産運用に興味はあっても、実際に運用をはじめる20代は少数派のようです。2018年の6月から7月にかけて日本証券業協会がおこなった調査(平成30年度証券投資に関する全国調査)によれば、20代男性のうち、なんらかの投資をしているのは5%前後しかいませんでした。同世代の女性にいたっては、なんらかの投資をしていると答えた人はわずか1%でした。

 

この調査では、投資経験の有無以外にも貯金をしているかも質問しています。その結果によると、20代で投資をしているのが1~5%程度であったのに対し、貯金をしていると答えた人は男女とも90%前後と高い数値を示しています。

 

紹介した二つの調査からわかることは、20代は資産運用に興味はあるけれど、実際には行動に移していないということです。

 

20代資産運用は時間を味方にできる!

20代からはじめる資産運用には、いくつかのメリットがあります。なかでも特に有益なのが「時間を味方にできること」です。20代はもらえるお給料が少ないため、投資に充てられる資金も40代や50代とくらべて少ないはずです。

 

しかし、20代の投資家にあって50代の投資家にないものがあります。それは時間です。20代は投資資金が少なくても、その資金を長期間運用できます。少額でも長期間じっくり運用していけば、短期運用では得られない高い複利効果が期待できます。複利効果とは、資産運用で得た利益を再度投資に回すことで得られる作用のこと。

 

投資に回る資金が少しずつ増えるため、その分、大きな利益が狙えます。つまり、20代の少額投資でも、長期間コツコツ運用していけば、十分大きなリターンが期待できるのです。

 

また、少額投資を長期間続ける運用方法では、分散投資による効果も見込めます。分散投資とは複数の金融商品(株式や債権など)に資金を分散したり、金融商品を購入するタイミングを分けたりすることで、価格変動リスクを低減する投資手法を指します。

 

価格変動リスクとは金融商品の値動きにより、保有している資産の価値が変動する可能性のこと。少額かつ長期間運用を続ける投資は、分散投資における金融商品購入のタイミングを分ける手法(時間分散)に該当します。

 

つまり、20代からの少額かつ長期にわたる資産運用は、リスク軽減から見ても理にかなっているのです。

 

これだけは避けたい!20代資産運用するなら注意したい2つのこと

20代で資産運用をするなら、これから挙げる2つのことに注意しましょう。
20代の資産運用でまず注意したいのが、余剰資金で投資をおこなうことです。

 

余剰資金とは保有している資産のうち、生活費と病気や失業など万が一の事態に備えるためのお金を差し引いたお金のこと。資産運用で利益が出ると、より多くの資金を投資に回し、さらなる利益を追求したくなるものです。

 

このとき重要なのは、余剰資金以外のお金には一切手を付けないこと。投資にはリスクが付きものなので、いくら順調に資産が増えていたとしても、今後どうなるかは誰にもわかりません。

 

生活費を投資につぎ込んだ結果、運用に失敗すれば、生活が立ち行かなくなる危険性があります。資産運用にチャレンジするなら、もし収入が絶たれても数カ月生活できる程度の資金を残し、余ったお金を投資に充てましょう。

 

20代の資産運用では集中投資も避けるべきです。集中投資とは分散投資の対局にある投資手法で、儲かりそうな金融商品に資産を一点集中させるのが特徴です。購入した金融商品が値上がりすれば大きなリターンが期待できますが、その分、リスクも高いことで知られます。

 

ある程度経験を積んだ投資家なら、培ってきた経験を生かし、集中投資にチャレンジするのもありでしょう。しかし、経験の浅い20代の投資初心者には、大きなリスクが潜む集中投資ではなく、堅実な分散投資が向いています。

 

投資に勉強は不可欠!20代資産運用に適した本

資産運用を成功に導くには、投資やお金に関する知識を身に付ける必要があります。知識が乏しいまま資産運用にチャレンジしてしまうと、利益を上げるどころか損失ばかり出てしまったり、思わぬトラブルに見舞われたりする可能性があるからです。

 

資産運用に関する知識を付ける近道は読書です。本は必要な知識を順序立てて説明してくれるため、他の学習法とくらべ、効率的に知識を身に付けられます。

 

投資初心者の20代に読んでほしいのは「金持ち父さん貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学」です。この本は、世界的な投資のバイブルとして多くの人に親しまれてきた名著です。

 

アメリカに住むお金持ちとお金に困っている人をくらべながら、投資で人生を豊かにする考え方が学べます。投資関連本でありながら、この本の読者の約半数は20代です。それほどこの本には、若い世代だからこそ知っておきたいお金の考え方が詰まっています。

 

「コミックでわかる20代から1500万円!積み立て投資でお金をふやす」も20代の資産運用初心者の方に向いている一冊です。20代のOLユイを主人公に、月3万円からできる積み立て投資の方法を漫画で学べます。

 

基本的な知識をわかりやすく解説しているので、投資と聞くとついつい尻込みしてしまう20代の方にぴったりです。また、漫画形式で投資の知識を解説しているので、活字に慣れていない人も抵抗なく勉強できるでしょう。

 

迷ったらこれ!20代資産運用におすすめの運用方法

資産運用にはさまざまな方法があります。投資の代表的方法である株式投資から、現物資産で運用したい人に人気の不動産投資、ハイリターンが期待できるFXなどが主な運用方法です。もともと興味がある運用方法があるのなら、その方法を勉強して運用をはじめるとよいでしょう。

 

もし、「資産運用はしたいがどの運用方法を選べばいいかわからない」という場合には、株式投資と投資信託のどちらかを選ぶとよいでしょう。

 

株式投資とは、企業が事業資金を調達するために発行する株式を売買する投資方法です。株式の売買で発生する値上がり益を期待しておこなわれます。株式の価格である株価は、会社の業績や経済全体の動向によって日々変動します。

 

株価が安いときに買い、高いときに売ると、その差額が株式売買の利益です。株式投資は少額からチャレンジできる運用方法なので、まとまった投資資金を用意しにくい20代でも挑戦しやすいといえます。

 

一方の投資信託とは、投資のプロにお金を預けて運用してもらう金融商品のことです。株式同様、価格が上がれば値上がり益が期待できますが、運用がうまくいかなければ損失が出ることもあります。

 

金融商品選びから売買のタイミングまでプロにおまかせできるので、投資経験の浅い20代にぴったりの運用方法です。ただ、投資のプロに運用を委ねるとはいえ、運用方針やどんな種類の金融商品に投資するかなどは投資家自身で決める必要があります。

 

老後資金の調達だけじゃない!20代の資産運用は自己投資にもなる

20代からはじめる資産運用は、老後資金の確保だけでなく、経済知識を身に付けるうえでも役立ちます。投資の学習をして資産運用にチャレンジすれば、どんどん経済や投資に関する知識が蓄積されていき、やがて大きな資産となるでしょう。もし、資産運用に少しでも興味があるなら、臆せずチャレンジしてみてください。