荒れた株式相場を乗り切る投資手法とは?

荒れた株式相場を乗り切る投資手法とは?|リビングコーポレーション

近年の株式市場は長期のチャートで見ると、右肩上がりを続けてきました。しかし、マーケットはいつまでも上昇相場が継続するわけではありません。時には暴落や、下落相場入りすることも考えられます。今回は、このような荒れたマーケットを乗り切る手法や考え方を解説していきます。


<相場の逆張りしない>

マーケットが大幅に下落した場合、今までと比べ価格が安くなっている個別銘柄が多くなります。なかには割安に購入でき、利益に繋がることもありますが、重要なラインや直近安値を割り込んでいる銘柄、また年初来安値や上場来安値を更新した銘柄を割安と判断することは、時にさらなる下落に見舞われてしまう危険性があります。

「逆張り」の手法は、大きな利益も期待できる反面、短期間で大きな損失を被る可能性もあることを理解して取引することが重要です。上昇相場中は逆張り手法が有効な場合もありますが、下落相場での逆張り手法はリスクが高い投資行動と認識されています。下落相場や不安定なマーケットでは、「順張り」手法の方がリスクは少なくなります。

大きく下げ続けている最中ではなく、マーケットが落ち着きを取り戻し、上昇に転じたことを確認してからエントリーしても充分に利益は期待できます。下げ相場での逆張りはあらかじめルールを決め、打診買いレベルに留め、損切りラインを明確にするなど、投資する前に自分なりの投資戦略を立ててそれに従って取引することが重要です。

また保有銘柄が大きく値下がりし、仕方なくまた買いを入れる「ナンピン」も注意したい手法です。ナンピン買いすることで平均取得単価は下がり、株価が回復基調の際には利益が出る可能性があることがメリットです。しかし、平均取得単価が下がる代わりに保有株数も増えています。この場合、今後も下落が続いた際には、含み損の金額の増え方も2倍以上になってしまうリスクがあります。

ナンピン買いが当初の投資戦略に沿った、中長期的な投資の場合は有効に作用する場合もあり、一概に否定することはできませんが、保有銘柄の大幅な下落で混乱して何となくナンピン買いすることは大きなリスクが伴うことを理解しなければなりません。

逆張り買いは、自分の資金やリスク許容度を充分に理解したうえで行い、下落相場時には順張り手法で臨むことを意識したほうがリスクは低くなると思います。


<人の相場に関する意見に流されない>

最近はインターネットやスマートフォンの普及により、投資の様々な情報が簡単に入手できるようになりました。これは投資に対してのハードルを下げる結果となっている面もあり、SNSをきっかけに投資を始める人も増えていると思います。

しかしSNSの情報には有益な情報がある反面、真実ではない情報や過大な表現の情報もあります。特に投資の情報には、買い煽り・売り煽りと言われるポジショントークもあります。フォロワーが多いインフルエンサーの発言だからと言って、それを鵜呑みにして投資することで、思わぬ大きな損失を被るケースもあり注意が必要です。
SNSなどで得た情報は参考程度にとどめ、自身で投資判断することが大切だと言えます。

特にマーケットが荒れている場合や下落相場は、思考が停止し他人の意見に流されがちになるかもしれません。他人の意見に乗ることで、自分で考えなくて済み、楽だと思うことも分かりますが、情報化社会だからこそ情報を正しく選別できる力も必要だと思います。他人の意見に流されやすい人は、一旦情報を見ないという選択も必要かもしれません。

相場の状況の良し悪しに限らず、自分の判断基準を持って投資に臨むことは、自身の投資スキルの向上にもつながると思います。


<相場における自分の決めたルールを守る>

下げ相場になると、自分の保有する株が大きく値下がりし、含み損になっている場合も多くなります。いわゆる「塩漬け」になってしまい、身動きが取れない状況も考えられます。

この場合、元々はどのような投資戦略だったのか、そしてその前提が崩れたのかを考える必要が出てきます。もともと長期目線で資金にも余裕があり、株価の低迷も想定していた場合は、前提が崩れていないのでそのまま保有することも良策だと言えます。しかし、もともと短期の投資で資金的にも余裕がない場合は、当初の目論見が外れたことになり、この場合は損切りを検討したほうが良い可能性があります。

下げ相場の中で買いエントリーする際は、事前に「20%値下がりしたら損切りして次の機会を待つ」、「いくらのラインまで下がってきたら、100株だけナンピンして様子を見る」など具体的な戦略をあらかじめ立て、その通りに取引することで、想定以上の損失は免れます。

資金的に身動きができない事により、他の銘柄が良い状況になってもそれを追えない機会損失が生まれる可能性もあります。

投資において損切りは必要経費と言われています。人は少しの利益でも受け入れることができますが、損失を確定させることは難しいとされています。しかし、失敗を受け入れ、次に活かしたほうがより良い結果を得られる可能性が高いと思います。


<投資をやめないことが重要>

投資は楽に成功できるほど簡単なものではありませんが、失敗の経験を積むことで、スキルアップでき成功する確率が上がる可能性があるものだと思います。重要なことは、1回の取引で全てを失うようなトレードはしてはいけないということです。

マーケットは期間限定ではなく、未来永劫続いていくものです。失敗に終わる取引があったとしても、その失敗を受け入れて次の取引に活かすことができます。

今は成功している有名な投資家でも、必ず失敗した取引があります。失敗をどう活かすかが重要で、先ずは継続してマーケットに参加することが成功への第一歩とも言えます。ひとつの失敗が大きすぎ、そこで辞めてしまった場合、投資に対しては失敗した結果になり、その後もありません。しかし、失敗を活かして将来的に成功できれば、その失敗も必要だったことになります。

特に将来の資産形成には中長期目線の投資が必要です。時には失敗しながら、その経験を活かして投資スキルをアップし、自分なりの投資判断基準や手法を作ることができれば、相場環境に影響を受けずに資産形成できるはずです。直近の取引だけに左右されず、長い目で投資に接していくことで、「相場観」が磨かれると思います。

この場合の「勘」とは、ギャンブル的な勘ではなく、過去の経験則から導き出された考え方のことを指します。特定銘柄の値動きのパターンや相場が反転する時期などを察知することは、過去の経験によるものも大きいと感じています。

投資経験年数があまりないと、上げ相場のみの経験の人も多いと思います。下げ相場は辛く厳しいことも多いですが、それを経験することで初めて分かることもあります。実際にマーケットは過去に幾度とあった、暴落や下落相場を乗り越えて今の価格があります。荒れたマーケットや下落相場が一生続くわけではないため、貴重な経験ができていると考えることもでき、その経験を将来的に活かすことができれば、経験値がつき投資のスキルが上がったと考えることもできます。


今回は荒れた相場を乗り切る投資手法と考え方を解説いたしました。投資は長期的な目線で臨み、継続的にマーケットに参加することで得られるものは多いと思います。