投資の仕方として積立投資に注目する人も多くなりましたが、どのようなやり方で投資をするものなのかがよく理解できていない人もいるでしょう。この記事では積立投資の基礎について解説した上で、積立投資をするのがおすすめの人を紹介します。
投資の仕方として積立投資に注目する人も多くなりましたが、どのようなやり方で投資をするものなのかがよく理解できていない人もいるでしょう。この記事では積立投資の基礎について解説した上で、積立投資をするのがおすすめの人を紹介します。
積立投資とは
積立投資とは一定期間ごとに一定の金額を同じ金融商品に投資する方法です。銀行を利用している人なら積立預金について聞いたことがあるでしょう。
毎月一回、一定の金額を何年もかけて積み立てていくのが特徴で、複利によって利益が大きくなるのがメリットとして着目されています。投資の場合にも同じことが可能な金融商品があります。
例えば、株式投資をするときに、魅力的な優良株が見つかったとしましょう。その優良株を毎月一定の金額ずつ購入していくやり方は積立投資になります。
頻度は毎月でなくても問題はなく、毎週でも2週間ごとでも半年ごとでも構いません。一定期間というのもあくまで原則なので、自分なりにルールを作って積み立てていっても大丈夫です。
投資商品の中には積立を原則としているものもあります。後述の積立投資信託がその代表例で、毎月一定額の資金を入れる仕組みになっているのが一般的です。株式投資の場合には株価が変動しているので、毎月10万円ずつ買いたいと思っても9万5000円だったり、10万1000円になったりしてしまうでしょう。
しかし、積立式になっている金融商品なら融通をしてくれるため、ぴったり同じ金額で積み立てていくことができます。そのため、資金計画を立てやすく、投資による生活への負担を軽減しながら効率的に資産形成をしていけるのが魅力です。
積立投資は分散投資になる
投資の仕方としてリスクが低減されることで注目されるようになってきたものに分散投資があります。一般的には複数の投資先や金融商品を選んで投資する方法を指します。
例えば、国内株式と海外株式に分けて投資をしたり、金と海外リートに資金を分散させたりする方法が該当します。分散投資は特に関連性が低い投資先を組み合わせるとリスク低減に有効です。
このような狭義の分散投資では複数の投資対象に着目しなければならないため、投資先をいくつも選ぶのが大変になりがちです。しかし、広い意味で考えると積立投資も分散投資になります。積立投資なら同じ金融商品への投資になるので投資先を選ぶ負担は少なくて済みます。積立投資が分散投資になるのは時間的な分散が可能だからです。
例えば、ある株を購入するときに今月一日の株価と、来月一日の株価は異なります。安い方で買うのがベターですが、来月一日の株価が今月一日の株価より高いか安いかは予測するのが難しいでしょう。そこで、今月一日も来月一日も買うと、購入価格を平均化できます。
これをずっと繰り返して毎月一日に買っていくと購入価格を長期にわたって平均化できるため、細かな値動きによる影響をあまり受けない投資が可能です。最終的に投資先の企業が成長すれば株価が上がり、売却によって大きな利益を手にすることができます。
積立投資信託の魅力
積立投資信託は積立を前提としている投資商品の中で有名なもので、初心者から特によく選ばれています。積立投資信託の魅力は分散投資を少額でも効率的に行えることです。積立投信は一般的に毎月一定の金額の積み立てをする仕組みになっています。
基準価額は日々変化していきますが、その平均化された金額で購入したことになる時間的な分散効果を得られるのが積立投資信託です。
さらに、投資信託は投資先も分散されています。投資信託の種類によってどのような内容になっているかは異なるものの、一般的には長期運用をしても安定して利益を得られるように工夫してあります。10年から20年くらいは運用するのを前提にしているケースが多く、安心して長期投資を行えるのが特徴です。
投資信託は大勢の投資家から資金を集めて運用する投資商品なので、一人当たりの出資額は少なくて良い仕組みになっています。積立投資信託の場合には特に少額で良いシステムにしている証券会社が増えてきました。
一般的な投資信託では1万円以上のことが多いですが、積立投資信託ではたった100円で積み立てていくことが可能な証券会社もあります。基本的には毎月いくらずつ積み立てるかを自由に設定でき、途中で金額を変更することもできます。
そのため、少額から開始しておいて、状況に応じて余剰資金を多めに投入していくという戦略を立てて運用している人もいる投資商品です。
積立投資はシミュレーションが大切
積立投資をするときにはシミュレーションをするのが大切です。一般的に積立投資をするときには複利効果を使って運用をします。複利とは運用によって得られた利益を再投資することによって得られる利益のことです。
例えば、10万円の投資によって5000円の分配金を得られた際に、その5000円を受け取らずに同じ投資対象に再投資して、次は10万5000円に対する分配金を得られるようにするのが複利運用です。
こうすると投資による利益が新たな元手になって利益を増やすのにつながり、資産形成を加速させることができます。複利効果は計算してみないとどのくらいになるかがわからないので、シミュレーションをしてみるのが重要なのです。
毎月いくらずつ積み立てていき、利回り何パーセントで運用すると、何年後にいくらの利益を生み出せるかという形で簡単にシミュレーションできる計算システムが無料で利用できます。
多くの証券会社でオンラインサービスとして提供しているので有効活用しましょう。このようなシミュレーターでは投資期間中、利回りが一定になっていることを仮定しています。
積立投資信託では平均利回りがどのくらいになると想定しているかを明示している場合が多いので、その数字を入れてシミュレーションしてみると利益がどのくらいかを大まかに見積もれるでしょう。その結果に基づいて積立額を決めると効率的に資産を築き上げられます。
積立投資がおすすめの人
積立投資の性質を考えると、長期投資によって老後資金などの遠い将来のための資金を形成したい人に向いていると考えられます。積立投資は少額の資金投入を長期間にわたって繰り返し行っていき、長期投資によって複利効果を使いながら大きな資金形成を目指す方法です。
そのため、数日や数ヶ月といった時間単位ではなく、数年から数十年という期間で考えて投資をします。老後の年金生活が不安だから若いうちから資産運用をしておきたいというときにはうってつけの方法です。
特に積立投資信託はリスクが低減されている分散投資なので、何十年という期間の積立投資をしやすいでしょう。積立投資で長期運用をするなら候補として検討してみる価値があります。
また、分散投資は資産運用を始めたら特に投資に大きな労力をかけたくない人にもおすすめです。積立投資は投資商品を決めたら、一定期間ごとに黙々と資金を投じていくだけで運用できます。
値動きについて日々気に掛ける必要はなく、大きな変動があったとしても長期的には価格が上がると考えられればそのまま運用していて問題ありません。今日買うべきか、明日買うべきかも特に気にせずに、ルールを決めて資金を投入していくだけです。
このようなシンプルなやり方なので資産運用の負担が少なく、初心者でも取り組みやすいのが積立投資の特徴です。
長期的な資産形成なら積立投資
積立投資は一定期間ごとに一定の金額を積み立てていくことで長期的な視野で資金形成をする投資方法です。時間的な資金分散ができるのでリスクを低減させられることに加え、複利効果も得られるのでうまく活用していきましょう。