日本とアメリカの株式市場の違いとは?それぞれの特徴を解説!

日本とアメリカの株式市場の違いとは?それぞれの特徴を解説!|リビングコーポレーション

最近は、株式投資を考える際に日本株だけでなく、米国株への投資を検討する人も増えています。
同じ株式取引でも、国が異なることで市場のルールなど様々な点で違いがあります。
今回は日本とアメリカの株式市場の違いや特徴を解説いたします。

 

<取引所と指数について>


日本の株式市場の主な取引所は、東京証券取引所が挙げられます。
「東証」と呼ばれ、日本最大の証券取引所です。
日本の主な株価指数は、日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)です。

日経平均株価とは、日本経済新聞社が上場する企業の中から様々な要素から選んだ225銘柄の平均株価で、TOPIX(東証株価指数)は、東京証券取引所の第一部に上場する全銘柄を対象とし算出した株価指数です。

アメリカの株式市場には、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダックがあります。
アメリカの代表的な株価指数は、ニューヨーク・ダウ(ダウ・ジョーンズ工業株30種平均)、ナスダック総合指数、S&P500です。

ニューヨーク・ダウは、ダウ・ジョーンズ社が選んだ30銘柄で構成される株価指数です。
ナスダック総合指数は、ナスダック市場に上場している全銘柄を対象とし算出している株価指数で、S&P500は、アメリカの代表的な500社の株式で構成される指数です。


<取引時間の違い>


日本株の取引時間は、原則的に平日の9時から15時です。
9時から11時半を前場、休憩時間をはさみ12時半から15時までを後場と言います。
土日祝日と年末年始はお休みとなります。

米国株の取引時間は、現地時間の9時30分から16時です。休憩時間はありません。
日本時間では、23時30分から6時ですが、3月第2日曜日から11月第1日曜日まではサマータイムで、22時30分から5時までとなります。

この時間の取引に加え、現地時間の8時から9時30分のプレ・マーケット、16時から20時のアフター・マーケットと呼ばれる時間外取引があります。

 

<証券コードの違い>


日本株は銘柄を、証券コード番号という4桁の数字で識別しています。
例えば、トヨタ自動車の証券コード番号は7203、ソニーグループは6758、NTT 9432、三菱UFJフィナンシャル・グループ 8306など、業種によって4桁の数字が変わってきます。

米国株は銘柄をティッカーシンボルという1文字から4文字程度のアルファベットで表しています。
例えば、アップルはAAPL、マイクロソフトはMSFT、アマゾン・ドット・コムはAMZN、ゼネラルモーターズはGMなど、会社名にちなんだティッカーで銘柄を識別しています。


<購入単元の違い>


日本株と米国株の取引の違いのひとつに、購入単元の違いがあります。

日本株は、銘柄ごとに100株単位や1000株単位からの売買という単元株制度があります。
例外として単元株数に限らず、1株から購入できる制度もありますが、通常得られる議決権は得られません。

基本的には、最低100株単位からの取引となりますので、必要な資金は、株価×100株で数万円から値嵩株と呼ばれる株価が高い銘柄だと数百万円になる場合があります。

米国株は、すべての上場企業の株式を1株から取引ができます。
必要な資金は、数千円から数万円の銘柄が多くなっています。


<1日の値幅制限の違い>


日本の株式市場には、1日の値幅制限があります。
その銘柄の前日の終値、または気配値を基準に上限と下限が決められます。
上限まで値上がりするとストップ高、下限まで値下がりするとストップ安となります。
これは、一方的な暴騰や暴落から投資家を保護するために設けられた制度です。

米国株にはこのようなストップ高、ストップ安の制度がありません。
アメリカの証券市場には、一方的な価格変動を防ぐサーキットブレーカー(CB)という制度があります。
サーキットブレーカーは、一定以上の下落が起きた場合に、取引所が一時的に取引を停止させる制度です。
一旦取引を停止させることにより、投資家の混乱を緩和する効果があると考えられます。


<株主優待について>


日本では株式投資の魅力のひとつに株主優待制度を挙げる人も多く、株主優待が手厚い企業の株価は比較的安定する傾向もあります。

株主優待とは、企業が株主に対して感謝の意味合いで自社製品やサービスなどの品物やサービスの割引を進呈する制度です。
最近ではお米や肉類などの食料品、カタログギフトの優待なども人気になっています。

企業側にとって、株主優待制度を活用することで、長期間の安定した株主の獲得に繋がるメリットも考えられます。
利回りを計算する際も、配当利回りと株主優待を含めた利回りで算出されている場合もあります。

一方アメリカには、このような株主優待の制度はありません。
株主優待制度は、日本株の持つ独自の制度と言えます。


<決算時期の違い>


日本は3月に本決算、9月に中間決算の発表を行う会社が多くなっています。
これは日本独自の年度という考え方が大きく、1年の初めは元旦ですが、年度の始まりは4月1日という考え方があるからだと思われます。

一方アメリカは、12月に決算を行う企業がほとんどです。
例外として小売業は、12月が繁忙期となるため、1月に決算を行う企業もあります。


<配当の考え方について>


日本では年間で1回から2回の配当を行う企業が多いです。
3月の本決算、9月の中間決算時の株主に配当金が支払われる場合が多くなっています。

アメリカでは、年間4回の配当を行う企業が多くなっています。
4半期の決算毎に株主に対して配当金を支払う考え方が一般化しています。

米国株は高配当銘柄が多いことも特徴です。
会社の利益を株主へ還元するため配当金を増やそうという考え方があり、その結果、配当が高くなり、配当利回りも高くなります。

利益に対しての配当の割合を配当性向と言いますが、この配当性向の考え方も日米で差があります。
これは、日本人投資家は値上がり益(キャピタルゲイン)を重視し取引を行う傾向が強く、アメリカ人は配当益(インカムゲイン)を重視する傾向があることに関係するという説もあります。

 

このように日本株と米国株には様々な違いや特徴があります。
税法上での違いもあり、両国の投資に対しての考え方も異なっています。

どちらの株式投資にもそれぞれ魅力がありますが、最近は米国株の人気が高まっています。
アメリカは今後も人口増加が予測され、ますます経済発展するという予測があります。
世界的に有名で好業績な企業に投資できるメリットもあります。

一方で日本株も、安定した好業績で株主優待や増配に積極的に取り組む優良企業も多くあります。
日本国内に居住し株式投資する場合、日本企業に対しての情報の得やすさは日本株に優位性があると思います。

最近は、主な証券会社で米国株を含む外国株式口座が簡単に開設できるようになってきました。
手数料も以前に比べ、安くなっている印象もあります。
外国株式は値上がり益や配当収益とは別に、為替による収益も期待できる場合があり、これも魅力のひとつだと言えます。

米国株は小額から株式を購入できる銘柄も多くあり、語学力も必要がなく取引できる場合が多いです。
株式投資は日本株のみが当たり前の時代は過ぎ、世界各国の株式市場に気軽に投資できるようになってきましたので、この機会に日本株以外の選択肢を検討してみてはいかがでしょう?