政策投資銀行を徹底解説!日本に欠かせない金融機関

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長期的な事業資金のスムーズな提供を運営の目的としている金融機関に、政策投資銀行があります。財務省が管轄する特殊会社で、コロナ禍では民間からも注目されています。政策投資銀行の実績や働く人の年収、インターンについてなどを見ていきましょう。

 

日本政策投資銀行についての基本情報に関してはこちらの記事も参考にしてみてください。

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政策投資銀行の基本業務と実績

政策投資銀行は、正式には株式会社日本政策投資銀行という名称です。略称はDBJで、財務省が管轄しながらも株式会社という法人スタイルをとっています。そもそも政策がらみの融資や投資を基本業務とする金融機関ですが、大規模な災害発生時などにも資金供給をおこなっていることが広く一般に知られるようになっています。

 

たとえば、2011年に発生した東日本大震災や2016年の熊本地震でも相談窓口を設け、一般的な金融機関での資金提供より長期間に渡る融資を速やかにおこなえるように動いてきたのが政策投資銀行の働きです。

 

お金を借りたいときには、政策投資銀行以外の金融機関に相談する方法もあります。しかし、災害に遭って困っているからといってどこでもすぐにお金を貸してくれるとは限りません。融資が決まるまでに時間がかかったり、必要な額の融資を受けられないといったケースはよくあります。

 

その点、政策投資銀行は国の指定金融機関として有事にすばやく動ける特徴を持っています。政府からの出資は日本政策金融公庫で策定・実施されますが、政策投資銀行は日本政策金融公庫と協定を結んでいるため民間への融資がスムーズなのです。

 

日本政策金融公庫と協定を結んでいる指定金融機関は他にもありますが、政策投資銀行はリーマン・ショックや東日本大震災での危機対応業務に取り組んだ実績が評価されたことで国から同業務が義務づけられるようになりました。

 

日本政策金融公庫に関してはこちらの記事を参考にしてみてください。不動産投資の歴史や仕組みについて詳しくご紹介しています。

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政策投資銀行の平均年収

日本政策投資銀行にも、様々な職種があります。職種によってもキャリアによっても年収は個々に異なりますが、平均的には日本政策投資銀行に勤務する正社員の年収は高めのようです。厳密なデータが公表されているわけではありませんが、口コミ集計では800万円弱から1,000万円全後が平均という説もあります。

 

もともと日本開発銀行という政府の金融機関が民営化された会社で、エリート中のエリートが集う組織だっただけに高給待遇のイメージは定着化。かつては、エリート学生が狙う就職先として有名だったというエピソードもあります。

 

日本政策投資銀行が手がけている業務は、融資だけではありません。投資にも関わっている銀行ですから、証券会社のような位置づけもされています。

 

民間企業の中でも特に大きな事業をおこなっているところに投資や融資をしているため、お金が戻ってくる規模の予測も大きめです。メガバンクで大規模な事業に携わっている社員に似たレベルの年収を目安にすると、わかりやすいでしょう。

 

ただし、完全な民間企業が実績への評価を年収に反映するところも多いのに対して、日本政策投資銀行では年功序列の傾向が高めのようです。この点は、政府系という立場が影響している可能性があります。

 

年次での昇給に合わせて、調査役や役職に就くことで1,000万円以上の年収になる人もいます。残業代が反映されて、平均より年収が上回るケースもあるようです。

 

投資信託銀行のランキングはこちらの記事にまとめてあるので参考にしてみてください。平均年収や平均勤続年数などでランク付けをしました。

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政策投資銀行の新型コロナウイルス関連対応

日本政策投資銀行は、数々の大規模な災害等で危機業務対応をしています。新型コロナウイルス感染拡大による様々な経済的影響についても調査研究をおこない、対応に備えているようです。

 

国からはすでに事業者への大規模な支援拡充が発表され、中小企業から中堅・大企業に至るまで資金繰り対応の予算が大幅にアップしています。事業者の現況や融資相談に対しての相談窓口として設置されている金融機関の1つが、日本政策投資銀行です。

 

実態把握はきめ細かくおこない、適切かつスピーディーに資金繰り支援をすることが決められていますので、コロナ禍の影響で事業の継続が困難になっている場合は些細なことでも日本政策投資銀行の窓口に相談してみてはいかがでしょうか。

 

新型コロナウイルス関連の相談窓口は、日本政策金融公庫などの政府が指定した金融機関でも設置しています。

 

事業の種類や規模などによっても受付可能な窓口が異なり、日本政策投資銀行で受け付けているのは主に中堅・大企業からの相談です。創業して間もない企業や個人企業・小規模企業からの相談は、日本政策金融公庫で受け付けています。

 

農林漁業者にも専用の窓口が設けられていますので、問合せがスムーズです。中堅企業からの相談は他指定機関にも窓口がありますが、つながりにくい可能性もあるため複数の金融機関窓口にアクセスできると便利です。いずれも、フリーダイヤルとなっています。

 

日本政策投資銀行によるJALへの融資支援

日本を代表する航空会社の1つに、JAL(日本航空)があります。jalのメインバンクが、日本政策投資銀行です。過去には、JALの経済危機に大規模な貸付をおこなってきた実績があります。

 

たとえば、2009年に日本政策投資銀行がJALに貸し付けた融資金額は670億円です。この決定に至るまでには、日本航空の破綻・再生が関係しています。

 

国際的な問題も影響して経営の建て直しが難しくなったJALを再生させるために、国土交通省では専門家らを招いて資産査定・再生計画策定・実行部を設置。jalの債務超過額は9,592億円と報告され、日本政策投資銀行や企業再生支援機構に再生支援が申請されたものの結局は2010年に債権が放棄されました。

 

その後、再上場を果たしたJALですが、再び日本政策投資銀行をはじめとする主要な取引先銀行に融資要請を検討していると発表されたのが2020年春のことです。コロナ禍による大幅な減便が続き、当面の運転資金として融資を要請したようです。

 

総額数千億円にもおよぶ大規模な資金調達を検討せざるを得ない状況に陥ったJALですが、検討の行方は明かされておらず、今後の経営についても見通しを立てにくい状況かもしれません。

 

本件については、日本政策投資銀行ら5行が劣後ローンにて4,000億円規模の融資対応をする方針と2020年10月に報告されています。返済の優先順位が低いローンです。

 

日本政策投資銀行のインターンシップ募集

日本開発銀行時代にも、エリート学生に人気の就職先だったという日本政策投資銀行。民営化されてからも就職先として注目されていますが、例年数十名の採用枠しか設けない狭き門。一部の名門大学で枠が埋まってしまい、東京大学・京都大学・一橋大学・早稲田大学・慶応大学からの採用が目立っています。

 

採用実績は2019年度で52名、2018年度で47名、2017年度で34名と発表されています。ただしこれは総合職の場合で、一般職では派遣社員などの採用もおこなっているようです。

 

正社員としては新卒採用か中途採用を目指す道がありますが、日本政策投資銀行では中途採用枠も極少です。

 

そこで注視しておきたいのが、インターンの募集。2020年にも夏季と秋季にインターンの募集があり、2021年のはじめには冬季募集がありました。2021年冬季のプログラムは、わずか2~3日という短期間。基本は対面方式で、日程ごとに30~40名程度のインターンが受け入れられます。

 

都心で開催されるため、対象の大学生・大学院生は東京の会場に来られないと参加できません。プログラムはオリエンテーションに始まり、企業分析に関する事例や投資プロジェクトのグループワークなどを通してプレゼンテーションをおこなう流れです。

 

適性検査に合格する必要があるインターンシップですが、参加した学生には日本政策投資銀行に認識されるチャンスがあります。狭き門をくぐりたい学生には、見逃せない機会です。

 

日本政策投資銀行は日本経済に欠かせない金融機関

大規模な災害や世界的な不況などにより経済が悪化したとき、長期的な事業支援をおこなうのが日本政策投資銀行の役割です。融資だけでなく大プロジェクトへの投資などもおこなっており、規模の大きな仕事ができる就職先としても代表的な存在といえます。日本経済に欠かせない金融機関です。

 

不動産投資を行う際の融資に関してはこちらの記事を参考にしてみてください。サラリーマンの方は勤続年数や年収によって銀行から得られる融資が変わってきます。

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