投資信託による資産運用に興味を持ったときにしばしばNISAが注目されています。NISAについて聞いたことがあるけれど、詳細をよく知らないという人もいるでしょう。この記事ではNISAについて紹介し、投資信託との関連性を解説します。
投資信託による資産運用に興味を持ったときにしばしばNISAが注目されています。NISAについて聞いたことがあるけれど、詳細をよく知らないという人もいるでしょう。この記事ではNISAについて紹介し、投資信託との関連性を解説します。
- 投資信託で使えるNISAとは
- 投資信託で使えるNISAの種類と違い
- 初心者はNISAを使って投資信託をしよう
- NISAで投資信託をするメリットとデメリット
- 投資信託でNISAと他の口座は併用できる
- NISAを使って投資信託を始めよう
投資信託で使えるNISAとは
投資信託をしようとしたときには口座を開設する必要がありますが、その際にNISAを目にすることが多くなりました。
NISAとは少額投資非課税制度のことで、Nippon Individual Savings Accountの略称です。名称の通り、少額投資のときに非課税になる制度です。一般的に投資によって得られた利益は所得税が課されることになります。
投資の種類によって税金の取り扱いには違いがありますが、NISAの口座を作って取引をすれば、少額投資として認められる範囲内の利益に対する税金がかからなくなります。そのため、少額資金を運用するときの利益を大きくしやすいという点でよく注目されている制度です。
NISAは一人一つしか口座を作れませんが、その口座で運用するだけで非課税になるので簡単に制度を適用できます。
特に投資信託をするときにNISAが注目されているのは、投資信託が少額投資に向いているからです。何十万円や何百万円という単位で資金がないと取り組めない投資もたくさんあります。
しかし、一般的に投資信託では1万円程度から始められるようになっています。種類によっては100円や1000円くらいの資金で投資を始められるため、余剰資金があまりないけれど将来に向けて投資をしたいという人でも利用可能です。
その利益をできるだけ大きくするのに適していることから、投資信託をするときにはNISAを一度は考えてみると良いと言われています。
投資信託で使えるNISAの種類と違い
NISAを投資信託で使うときには種類を選ぶ必要があります。NISAには一般NISAとつみたてNISAの二種類があり、それぞれで非課税のあり方やできる投資の内容が異なっています。
一般NISAは新規投資額で毎年120万円までが投資に使える上限額になっていて、最長で5年間の運用ができることから非課税投資枠が最大で600万円です。2014年に開始された制度で、2023年までの運用に対して適用されます。
つみたてNISAの場合には一般NISAとは違い、長期の積立投資をすることを想定した制度になっています。新規投資額で毎年40万円までが非課税になる上限ですが、最長で20年間まで運用できるので非課税投資枠は合計すると最大で800万円です。期間としては2018年から2037年と設定されています。
一般NISAとつみたてNISAでは投資できる対象にも違いがあります。つみたてNISAでは長期の積立・分散投資に適した投資信託のみが対象となり、他の投資を選ぶことはできません。
しかし、一般NISAの場合には株式や上場投資信託、国内や海外のリートなどを候補にして投資を進めることが可能です。また、一般NISAの終了時期が近づいている影響で、NISAの新しい制度についても検討が進められて骨子がほぼ固まってきました。
二段階式で積み立てを基本とする制度になる予定になっているのが特徴です。これから投資信託を始めたいと思っている人はどのような制度になるかに注意しておきましょう。
初心者はNISAを使って投資信託をしよう
投資の初心者は何から始めたら良いかと悩んでしまうことがよくあります。迷ったときにはNISAを使って投資信託をしてみるのが無難な考え方です。
NISAは国が個人による投資を促進するために整備している制度なので、利用するのにコストがかかるようなことはありません。一人一口座しか持つことができず、成人でなければ利用できないというくらいしか制限がないため、利用するメリットが大きいと言えます。
また、投資信託は初心者に向いている投資として昔からよく着目されています。少額でも分散投資をすることができるメリットがあるからです。
例えば、株式から一つだけ銘柄を選んで投資をすると、その投資先企業の活動内容や景気の変動によって大損をするリスクも高くなります。複数の投資先を選んで資金を分散させるとリスクが低減されますが、多数の投資先を選び出すのは大変になりがちです。
初心者のうちにはまだ銘柄選定にも慣れていなくて多大な労力がかかるでしょう。その負担を軽減し、プロが選んだバランスの良い投資先に資金を分散させられるのが投資信託の魅力です。
そして、投資先に応じてどのくらいの資金を配分すべきか、今買ったり売ったりした方が良いかといった判断もプロに任せられます。売買にかかる負担が軽減されることからも初心者に向いているのが投資信託です。
NISAで投資信託をするメリットとデメリット
NISAで投資信託をするのは初心者にとって取り組みやすく、安全性が比較的高いのがメリットです。NISAで投資できる銘柄は厳選されていて、安定性を重視したラインナップになっています。
中長期的に安定して利益を得られる可能性が高い銘柄が多く、大きな値下がりを起こすリスクも低いものが大半を占めています。投資できる対象が限定されてしまうのはデメリットではあるものの、安心して投資を始められる点で優れているのがNISAを使う投資信託です。
ラインナップが少なめなのは初心者にとっては比較すべき商品の数が少なくて負担が軽減されるという見方をするとメリットにもなります。
また、NISAを使うと非課税になるので利益を生み出しやすいのもメリットです。投資信託をするときには信託報酬や売買手数料などがかかるため、投資の利益があまり大きくならない場合もあります。NISAなら税金がかからないので少額の利益でも納得できる結果が得られたと実感できる場合が多くなるでしょう。
しかし、NISAを使うときには運用できる金額に上限があるのがデメリットになります。余剰資金がたくさんある場合には何百万円もまとめて投資したいと考えるかもしれません。
一般NISAでも年間120万円までしか新規投資額として認められていないため、多額の投資をするのにはNISAは向いていないのです。もともと少額投資をする個人投資家のために整備された制度なので仕方ない点でしょう。
投資信託でNISAと他の口座は併用できる
NISA口座だけでは運用できる資金に限界があるのはデメリットですが、NISA口座は他の口座とも併用できます。投資信託に使える資金が潤沢にあるのなら、特定口座や一般口座も設けて投資をするのも良い方法です。
一般NISAでもつみたてNISAでも、他の口座を使って投資をしているかどうかにかかわらず非課税になります。同じ証券会社で口座を設けなければならないといったルールもありません。
証券会社によって取り扱っている投資信託にも違いがあるので、NISA口座と他の口座で違うところを選ぶのも賢い方法です。ただ、証券会社を一つにまとめた方が資金管理をしやすい面もあるため、メリットとデメリットを比較して決めるようにしましょう。
NISAと他の口座は併用できますが、損益通算はできないので注意しましょう。同じ特定口座の中で2つの投資信託を運用したときに、一方は利益を生み出したけれど、もう一方は損失を生んだというケースがしばしばあります。
この際には利益と損失を合算して税額を考えることが可能です。しかし、NISA口座で選んだ投資信託で損失が出たときに、他の口座で運用している投資信託による利益を相殺して節税することはできません。
非課税になる特別な取り扱いを受けているのがNISAなので、損益通算をすることが認められていないのです。他の口座と併用するときには念頭に置いておく必要があります。
NISAを使って投資信託を始めよう
NISAを使うと非課税になるので投資信託による利益を得やすくなります。信託報酬などの手数料がかかるのが悩みだと思っている人も投資を始めやすくなるので、一般NISAとつみたてNISAから好きな方を選んで投資信託を始めてみましょう。