何に投資をするかによっても、投資の確実性に変化が現れることがあります。債券投資なども日本では安定性の高いことで人気がある投資方法ですが、ここでは、債券投資に関心がある投資家のために、債券投資の概要や魅力について、詳しく紹介します。
債券投資とはどのようなものか？
債券投資とは債券を購入することにより投資をおこなう方法です。債券には利息がつけられているのが一般的なので、債券を所有しているだけで、毎年決められた額の利息を取得できるのがメリットです。
日本でも非常に人気の高い投資の方法ですが、人気が高いのは他の投資方法と比較して、利益を獲得しやすいことが理由になっています。株式に投資をする場合には、購入した時よりも株価が上昇するとは限らないため、状況によっては損失が発生する場合がありますが、そうした危険性を回避して投資できるのが債券の魅力です。
債券を発行した企業が倒産などをしないかぎり、約定された利息は毎年確実に支払われるので、投資をしたことがない人にも向いている投資方法と言われています。
債券には大きく分けて2つの種類があり、一般企業が発行しているのが民間債です。それに対して、国や市町村などの公的機関が発行しているものを、公社債と呼んでいます。どちらも債券を発行することにより、投資家から資金を集めていることでは共通しています。
国や地方公共団体でも大規模なプロジェクトをおこなう際には多額の資金が必要となるため、債券を発行することにより、一般予算に頼らなくても事業を始めることが可能になっています。
公社債の方が民間債よりも安定性が高いと評価されることが多く、国や地方公共団体は破産する可能性が非常に低いので、確実に収益を獲得できる投資として人気があります。
債券投資のさまざまな魅力
債券投資には、他の投資方法にはない数多くの魅力があります。その中でも多くの投資家から支持されている理由となっているのが、確実に利益を獲得しやすいことです。
どのような投資をおこなう場合でも、お金を支払うことによるリスクはつきものですが、他の投資方法と比較しても、安定した利益を獲得しやすいことが、債券投資の最大の魅力になっています。
獲得できる収益の金額があらかじめ決まっていることも債券投資ならではの魅力で、予想外の大幅な利益を獲得できる可能性は低いですが、定められた利息は確実に収益として受け取れます。
元本に対する利率はあらかじめ決められているので、債券を購入すればどのくらいの収入を得られるのか簡単に計算できるため、毎年一定の収入を確保したい場合にも最適な投資方法です。
損をする危険性が少ないことも、債券投資の大きな魅力です。購入した債券は基本的に企業や公共団体の借金に該当するので、満期が来れば償還してもらえます。国や地方公共団体が発行している債券ならば、満期が到来するまでに財政破綻をするような可能性は極めて低いので、満期まで安心して債券を保有しながら、利息を受け取れるのが魅力です。急にお金が必要になったら売却できることも債券投資の魅力で、債券の価格が購入時より上昇している場合には、売却により利益を獲得できることもあります。
債券投資で重要になる利回り
債券投資をする場合に確認しておいた方が良いのが利回りです。利回りとは購入した債券の価格に対する、毎年獲得できる収入の割合のことです。債券の購入価格が低く、毎年の収入額が多い方が、利回りも大きくなります。
利回りは1年単位で計算されるのが一般的で、1年あたりどのくらいの利益を獲得できるのか計算したい場合にも、便利な方法です。利回りの計算は大きく分けて2つの方法がありますが、計算の方法が簡単なのが直接利回りです。
これは毎年獲得できる収益の割合を計算するにあたって、利息収入のみを計算に入れる方法です。例えば、元本に対して毎年2パーセントの利息が支払われる債券ならば、債券の額面金額の2パーセントが直接利回りの計算で使用されます。
直接利回りよりも計算の方法が複雑になるのが、もう1つの最終利回りという計算方法です。この方法でも、毎年受け取れる利息を収入に加算することは共通していますが、直接利回りと異なっているのは、償還時の利益も計算上考慮することです。
償還価格から購入価格を差し引いた金額が利益として計算され、この差額を償還期日までの期間で割った金額が利息に加算されます。償還差益が考慮される分、最終利回りの方が直接利回りよりも割合が高くなることが多く、償還時まで債券を保有する予定がある場合には、必ず確認しておいた方が良い割合です。
米国などの海外で発行された債券
債券投資をする場合には、どこの国で発行された債券を購入するかによっても、獲得できる利益の額が変化することがあります。他の投資方法と比較して、安定性が高い分大きな利益を期待できないのが債券投資の特徴ですが、債券が発行されている国を選んで購入することで、通常よりも、大きな利益を獲得できる場合があります。
日本で発行されている債券は安定性が高い分、利率なども低いことが多いので大幅な収益を獲得したい場合にはあまり向いていませんが、海外に目を向ければより効率的な投資が期待できる債券を見つけられる場合も多いです。
債券投資を中心におこなっている投資家に注目されることが多いのが、米国で発行された債券です。米国の債券は日本の債券よりも利回りが高く設定されているものが珍しくないため、確実性があってなおかつ高額の収益が期待できる投資を望む投資家には、一定の人気があります。
米国以外の国でも債券を販売していますが、日本人の間で米国債券の人気が高いのは、購入しやすいことも大きな理由になっています。外国で発行された債券は日本人の一般投資家が簡単に購入できない場合も多いので、高額の収益を獲得できる債券でも投資には向かないことがあります。
しかし、米国債券ならば日本人の一般投資家でも比較的購入しやすいため、国内発行の債券の代わりとして、多くの投資家が購入しています。
債券投資をする場合に気を付けるべきデメリット
債券に投資をする場合には、債券投資に特有のデメリットに気を付ける必要があります。債券投資のデメリットの一つとしてあげられるのが、購入した債券の価値がなくなってしまう可能性があることです。
特に一般企業の発行した債券を購入する時には、このリスクをしっかりと考慮する必要があり、財政状態が不安定な企業が発行した債券を購入した場合、債券が償還できなくなる可能性もあります。倒産にまでは至らなくても、経営状態が悪化することにより、約定された利息が受け取れなくなることもあります。
どのような企業の債券を購入する場合でも、こうした不安を完全になくすことはできませんが、できるだけ財政状態が安定した企業の債券を購入することで、リスクを最小限にできます。どうしても破産が不安な人の場合には、収益の額が少なくなることを覚悟して、国債や地方債に投資する方法もあります。
債券投資のデメリットとしてあげられるもう一つのポイントが、一度購入してしまうと、簡単には売却できない場合が多いことです。急にお金が必要になったので所有している債券を売ろうと思っても、手続きに時間がかかることも多いので非常に面倒です。
債券の時価によっては売却損が発生する可能性があることも債券投資のデメリットになっていて、どうしても損失を出したくない場合には、満期まで債券を保有するしか方法がなくなります。
安定性が高いことが魅力の債券投資
債券投資について一通り解説してきましたが、他の投資方法と比較して安定性が高いのが、債券投資の魅力になっています。投資に関する知識がない人でもわかりやすい投資の方法なので、これから本格的に投資を始めたいと考えている人にも向いている投資方法です。
