不動産投資において、土地の買い時売り時の見極めは大きなポイントです。今回は土地価格の調べ方や今後の推移について解説していきます。
- <「売りたい」「買いたい」土地価格の調べ方を教えます>
- <東京の土地価格の推移、今後はどうなる?>
- <千葉の土地価格の推移、今後はどうなる?>
- <茨城の土地価格の推移、今後はどうなる?>
- <買い時はいつ?今後の土地価格の推移を予測>
- <まとめ>
<「売りたい」「買いたい」土地価格の調べ方を教えます>
不動産投資をする前に知っておくべきなのが土地の適正価格です。一般的に、1つの土地には「固定資産税評価額」「路線価」「公示地価」「実勢価格」の4種類の異なる価格が存在すると言われており、それぞれ国土交通省や国税庁の定めるルールによって算出、公開されています。
この4種類すべてを知っておく必要はありませんが、これから土地を買いたい場合、既に所有している土地を売りたい場合など、取引の状況に応じて向き不向きがあることも知っておくと便利です。
最も簡単な方法として、国土交通省や国税庁が作成しWEB上で公開しているシステムを利用することです。国土交通省の「土地総合情報システム」では都道府県単位はもちろんのこと、調査対象や調査年度、用途区分などを指定して抽出検索することで、全国の公示地価や実勢価格について調べることができます。
また、路線価については国税庁の「財産評価基準書路線価図・評価倍率表」が活用できます。トップページの全国地図から対象都道府県をクリックすることでかなり細かく調べることができます。また、過去6年に遡って推移を見ることも可能です。
自分で調べただけでは多少の不安が残る場合もありますので、そのような場合はプロを頼るのも良いことです。不動産の売買を行う際は不動産会社を介することがほとんどですので、これと決めた会社につながりを作るよいきっかけにもなります。希望の土地の価格相場だけでなく、人気がある土地のタイプや上物の有無、主な取引の価格帯などについても、実際の取引に基づいた色々な情報を入手できるので早めに確認することをオススメします。
<東京の土地価格の推移、今後はどうなる?>
今回のコロナウィルス騒動が大きく影響し、不動産取引市場を含めた経済活動が危機的状況になると予測する専門家の意見が多く聞かれます。不動産市場では過去30年間に1990年の平成バブル崩壊と2008年のリーマンショックの際に2度の大きな危機を経験しましたが、この際、首都圏の地価がプラスにかわるまでに、バブル崩壊後で15年、リーマンショック後で5年ほど要しました。
では、今回のコロナウィルス騒動の後はどうなるのでしょうか?コロナウィルス騒動が収束し経済状況が通常に戻れば不動産市場も早期回復するのはもちろんですが、東京都心の高額物件はもともと投資目的でのニーズが高いため販売価格が下がらないという事情があるようです。
都心勤務で通勤利便性を重視する若年層の共働き夫婦が増加し、超低金利の住宅ローンも相まって高額物件の購買を支えているという統計データもあるのです。逆にコロナウィルス騒動に端を発した在宅勤務によるテレワーク化が、人々の通勤利便性を不要とする動きにつながり、郊外の物件や駅から距離のある物件の価値も高まる可能性が大きくなってきました。
これまで「二極化」が指摘されてきた市場が複雑化してきているのです。このように大まかに見ただけでも二律背反の状況ですので、地価の上昇、下落はエリアも時期もめまぐるしく変化することが予測されます。ハイリスク・ハイリターンよりもある程度安定した地価の土地を求めることが投資の将来性につながると言えます。
<千葉の土地価格の推移、今後はどうなる?>
駅チカの通勤利便性が良いマンションが人気であることは東京の地価でも触れましたが、千葉においてもその傾向は同様です。特に、アクアラインに近い君津市や木更津市以外の車でのアクセスが悪いエリアや、鉄道でも乗り換えを要するエリアでは、年々戸建もマンションも購入数が減少傾向にあるため地価の下落を免れません。
さらに、千葉県内の土地で注意が必要なのは商業地です。ららぽーとやイオン、高島屋などの名だたる大型商業施設を多く持つ千葉県ですが、コロナウィルス騒動の影響で施設自体が営業自粛をする動きの中で、テナント各店も休業せざるを得ない状況に陥っています。
こういったテナントは土日で売り上げのほとんどを稼ぎ出すため、コロナウィルス騒動が長期化すればするほど、売り上げがなくなり閉店を余儀なくされる店舗も増加して行くのです。
そしてこのような動きに呼応して、周辺の小売店やさらには観光施設などにも影響がおよび閉店が相次ぐことで過疎化するという悪循環になります。コロナウィルス騒動が長く収束しなければ、商業地の土地価格も下落が避けて通れない状況なのです。
<茨城の土地価格の推移、今後はどうなる?>
茨城県内では1997年頃から地価が下落しています。地価が最高値をつけたのは1992年前後ですが、その頃は県内の求人率も高く、給与も高い水準で推移していました。しかし、公共事業で大きな道路が作られ、2000年ごろから大型ショッピングモールが多くできたことにより、車さえあれば、どこに住んでも不自由がなくなったため、旧来からの古い住宅地に不動産を購入する必要がなくなりました。
また、茨城県では2007年頃より30代の人口が減少しており、この10年間では10万人近く減少したことも不動産購入の減少につながったため、各地域で地価の下落が起こっている状況です。
さらに、コロナウィルス騒動の影響で茨城県内の多くの工場で稼働が停止しており、所得減少や購買の低下など、経済への悪影響が懸念されているため、この騒動が長期化すれば、地価の下落につながる遠因となるでしょう。
ただ、つくばエクスプレスの通る2つの駅(守谷駅、つくば駅)周辺においては駅周辺の限られた土地に人気があつまることで地価が上昇しています。鉄道のアクセスがよい駅チカのエリアが上昇する傾向は茨城でも同様なのです。また、ひたち野うしく駅周辺は新しく開発が進んだことにより、若い子育て世代に人気が集まることで地価が上昇傾向にあります。
<買い時はいつ?今後の土地価格の推移を予測>
今回のコロナウィルス騒動が大きく影響し、不動産取引市場を含めた経済活動が危機的状況になると予測する専門家の意見が多く聞かれます。不動産市場では過去30年間に1990年の平成バブル崩壊と2008年のリーマンショックの際に2度の大きな危機を経験しましたが、この際、首都圏の地価がプラスにかわるまでに、バブル崩壊後で15年、リーマンショック後で5年ほど要しました。
しかし、不動産取引の時機を伺うのに大事なもうひとつの要素が、住宅ローンの金利です。2013年に日銀が実施した「異次元緩和」と称する金融緩和により、国内の住宅ローン金利は最低水準で推移しています。
この低金利は東京オリンピックの前後で上昇するのでは?という予測がささやかれていましたが、今回のコロナウィルス騒動により大きく落ち込んだ、国民の経済活動や購買意欲をさらに大きく損なうことはないと思われます。従って、住宅ローン金利が急上昇する可能性が低い今、月々の返済負担が軽い今が不動産を購入するチャンスと言えるでしょう。
「都心部の駅チカの地価は上昇」「郊外の古くからの住宅地は空き家問題で下落」「2022年生産緑地大量売出しによる都市部の下落」などとさまざまな要素が絡み合う不動産売買市場はより複雑化し、今後は上昇も下落もエリアも時期もめまぐるしく変化することが予測されます。ハイリスク・ハイリターンの土地よりも数年にわたってある程度安定した地価を示している土地を慎重に見極めることが投資の将来性につながると言えます。
<まとめ>
不動産投資において、不動産物件などの建物の価値は年々下がっていき0に近づく方で土地の価格は変動はあれど0になることはありません。不動産物件を選ぶ際は建物だけではなく土地に注目することも成功のコツと言えるでしょう。