<リノベーションとリフォームとの違いとは>
リノベーションと似た言葉に「リフォーム」がありますが、2つは明確に異なるものです。リフォームとは、破損や経年劣化などで機能が低下した建物を改修し、元の状態に戻すこと、あるいはできる限り近づけることを言います。
一方、リノベーションは元の状態とは全く異なる状態に改装することを指します。
不動産投資の面から考えても、リフォームとリノベーションは大きく異なります。リフォームでほぼ元の状態まで近づけた建物は、元の状態の価値を上回ることはありません。しかし、リノベーションを施した場合、建物には元の状態にはない、新たな価値がつきます。
場合によっては、元の状態を超えるような魅力が生まれ、建物の価値が上がったり、入居者が増え人気の物件になったり、さまざまなプラス要素が発生する可能性もあります。
近年は、おしゃれな物件として、リノベーション物件を指す場合もあるので、不動産投資を行う時に、どのくらい価値をあげる可能性があるのか考慮に入れておくとよいでしょう。
- <リノベーションとリフォームとの違いとは>
- <リノベーション不動産で利回りをあげるコツとは?>
- <リノベするのに適した一戸建てはどんな物件?>
- <リノベーションを行うメリットとは?>
- <リノベーションを行うデメリットとは?>
- <最後に>
<リノベーション不動産で利回りをあげるコツとは?>
リノベーションした不動産で利回りをあげるためのポイントの1つは、立地の良い物件を選ぶことです。リノベーションで魅力的な建物に改装することは可能です。しかし、リノベーションであっても、物件の立地を変えることはできません。
駅から近い、生活に必要な施設が周辺に揃っているなど、好立地の物件は非常に人気があります。利回りをあげるには、家賃収入の確保が重要です。入居者がすぐ決まるような立地の良い物件を探しましょう。
また、部屋の広さや地域を考えて、駐車場が必要な地域なのか、小学校や中学校までが近い地域がいいのか、広い場合はどのような間取りがベストかなど、総合的に考慮し、判断すると良いでしょう。
また、物件の購入価格やリノベーション費用をできる限り安く抑えることも大切です。不動産投資にかける費用が大きいほど、利回りは悪くなります。そして、投資の中で最も高額なのが、物件の取得と改装にかかる費用なのです。
ただし、費用を抑えることばかり重視し、肝心の物件の仕上がりがイマイチでは、入居者は集まりません。コストパフォーマンスを意識し、より安い費用でより良いリノベーション物件を目指しましょう。
最近は、YouTubeなどをみながら、大家さんが自らDIY(※1)をし、リノベーションを行う場合もあるようです。自分でやると時間がかかってしまいますが、人件費を大幅をかっとできるので、壁紙の交換など簡単なリノベーションであれば、自分でやってしまうのもよいでしょう。
※1:DO IT YOURSELFの頭文字を取った略で、自分自身で棚や壁紙交換などの工事や作業を行うことを指します。
<リノベするのに適した一戸建てはどんな物件?>
リノベーションに適した一戸建てとしてまず挙げられるのが、耐震基準を満たしている物件です。具体的には現行の建築基準法の施行が2000年6月なので、それ以降に建てられた一戸建てということになります。
2000年5月以前に建てられた物件は旧基準が用いられているため、現行法の基準をクリアしていない可能性があります。耐震補強をすると、その分費用も多くかかるので、始めから基準を満たしている物件を選んだ方が得です。
ほかには、築20~30年ほど経過している戸建てもリノベーションに適しています。戸建ては築20~30年経過すると、建物の価値がほとんど0になります。つまり、ほぼ土地代のみで物件を購入することも不可能ではないということです。
ただし、あまりにも物件の劣化が激しいと立て直しレベルの手入れが必要になるケースもあり得ます。物件の状態をしっかり確認し、リノベーションが可能か、費用はどの程度になるかなどをリサーチしましょう。
そのためにも、自分だけ判断するのではなく、専門家の意見を聞くなど客観的に判断するのがおすすめです。
<リノベーションを行うメリットとは?>
リノベーション不動産の大きなメリットは、不動産を安く取得できることです。先に述べましたが、不動産投資において利回りをあげるには、物件の購入費用を安く抑えることは非常に大切です。
また、購入費用を抑えた分、リノベーション費用に回すこともできるでしょう。物件を安く購入しリノベーションを施すことで、より魅力的な物件に変えられることもメリットと言えます。
また、ある程度自分でできる部分は、大家さんが自ら取り組んでしまうのもおすすめです。工事費用を抑えることで、利回りを大きくすれば、その分だけ手元に残すお金を増やすことができます。
人気が見込める物件なら、家賃を高く設定しても入居者を集めることができ、多くの家賃収入が狙えます。
また、立地の良い物件を探しやすいこともメリットでしょう。物件は条件の良い立地から先に建てられていく傾向にあります。
つまり、これから新築する物件よりも既存の中古物件の方が、好立地の可能性があるということです。立地が良いことは、不動産投資を成功させるための重要な要因。投資に有利な物件を探しやすいことはかなり大きな利点です。
リノベーションを行う前提にすると、今まで対象外であった物件も選択肢の一つとなり、幅が広がるので、場所がよくリノベーションをしやすそうな物件が見つかった場合は、検討材料の一つにするのもよいでしょう。
また、リノベーション物件である程度費用が回収できてから、新築の物件に立て直してしまうのもいいでしょう。
<リノベーションを行うデメリットとは?>
リノベーション不動産のデメリットとしては、リノベ費用がかかるということが大きいでしょう。どの程度リノベーションをするのかにもよりますが、あまりにも破損や劣化が激しく、全面的な改装が必要になると、リノベ費用が大幅にかさみます。
リノベ費用がふくらんで、結局新築物件と変わらない費用がかかってしまったら、リノベーション不動産ならではの利点が減ってしまいます。購入前に物件をしっかり見極めることが大切です。
購入後に雨漏りが発生してしまったり、外壁にヒビがあると、一生懸命リノベーションを行ったとしても、結果として費用がかかってしまいます。
また、リノベーションが完了するまで時間がかかることもデメリットと言えます。リノベーション中は当然ながら入居者を入れることはできません。入居者がいないと家賃収入が発生しないため、少なくともリノベーションが完了するまでは経費のみがかかる状態が続きます。
家賃収入をあてにできないまま、経費を支払い続けるのは非常に大変です。リノベーション不動産で投資を行う場合は、これらのデメリットを十分理解しておきましょう。
そのためには、リノベーションのかかる費用だけでなく、本来人が入っていればどれだけ売り上げを立てることができたのか、という損失分もあらかじめ計算にいれておき、リノベーションの費用と合わせて回収計画に入れておくのがよいでしょう。
<最後に>
今回は、不動産投資におけるリノベーションについて書きました。経年劣化などのリスクはあるものの、不動産投資の幅を広げるための一つの選択肢として、重要な手法だということがわかりましたね。
ぜひリノベーションを活用して、不動産投資を行いたい場合は、こちらの記事を参考にしてみてください。