不動産クラウドファンディングのファンドの選び方 ファンド概要編

不動産クラウドファンディングのファンドの選び方 ファンド概要編|リビングコーポレーション

不動産クラウドファンディングは、従来の不動産投資を小口化し、インターネットで少額から投資できる新しい投資商品です。

上場企業やそのグループ会社が運営する事業者も増え、投資家は色々なファンドから選んで投資する事ができるようになりました。

この記事では、不動産クラウドファンディングのファンドの選び方、ファンド概要の理解について解説していきます。



<ファンド概要の確認>

 

不動産クラウドファンディングの信頼できる事業者でも、ファンド内容はそれぞれ異なります。

投資するのは個別のファンドに対して投資しますので、ファンドをよく分析して投資判断することはとても重要です。

 

まずはファンド内容を確認することから始めていくと、理解がしやすいと思います。

ファンド概要には、募集金額、想定利回り(年利)、想定運用期間、募集期間、投資単位、投資のポイント、ファンドスキーム、リスクとリターンなどが記載されています。

項目ごとに解説をしていきます。



・募集金額

 

ファンドにより異なり、募集金額が数百万の小型案件から、数億円以上の大型案件まで様々です。

事業者やファンドにより、先着順方式と抽選方式があります。

先着順で募集金額が少ないと、人気の場合は投資できないことや、抽選の場合は落選により投資できない可能性があります。

 

募集金額が小さい場合は、投資対象が小型物件や区分マンションが多く、募集金額が大きい場合は、1棟レジデンスや大型のオフィスや施設の場合が多いです。

投資対象物件の情報と合わせて募集金額を確認することが重要です。



・想定利回り(年利)

 

ファンドが想定通りに運用された場合、投資家は分配金を得ることができます。

その分配率を年利換算した利率が表記してあります。

この分配率は確定していませんが、想定利回りがあることで、資金管理の目安にすることができます。

 

投資全般の認識として、リスクとリターンは比例します。

利回りが高いファンドは、その分だけリスクが存在すると考えられます。

 

不動産クラウドファンディングの想定利回りは、3%台から6%台のファンドが多いです。

この平均的な利回りを大きく乖離するような、高利回りのファンドに投資する場合は充分に注意が必要です。

 

例外として、事業者がサービスを開始する際やキャンペーンなどで、普段よりも高い利率のファンドを募集する場合もあります。



・想定運用期間

 

ファンドが運用される期間は、3か月未満の短期運用型から、1年以上の長期運用型まであります。

運用期間が長期になると、その期間分だけリスクは高くなりますが、安全性が高いファンドに投資できれば、長期間に渡り分配金を得られるメリットもあります。

短期運用型のファンドと、長期運用のファンドに分散投資する事も有効な投資手法です。

 

運用期間は確定したものではなく、売却などが決定した際は、早期償還され想定運用終了期間より早く終了する場合があります。

 

想定運用期間と想定利回りがわかれば、投資がうまくいった際に得られるリターンがわかります。

事前にシミュレーションすることにより、資金管理の面で役立ちます。

 

不動産クラウドファンディングは、投資後の管理の必要が無いため、運用期間終了まで待つだけの投資になります。

 

日々の価格変動も無いため、良いファンドを分析し投資判断できるようになれば、安定したリターンが期待できる投資商品と言えます。



・投資単位

 

1口当たりの投資単位が明記してあります。

事業者やファンドにより異なりますが、1口1万円から投資できるファンドが多くなっています。

 

従来の不動産投資は物件取得に大きな資金が必要で、富裕層など限られた層だけが実践できる投資と言えます。

不動産クラウドファンディングの大きな特徴は、不動産投資を小口化し、少額からでも投資できるようになったことです。

初心者のうちは、少額から始めてみることもでき、リスクの限定ができます。



・投資のポイント

 

事業者によりタイトルや内容は異なりますが、そのファンド内容の特徴や投資の目標が記載されています。

事業者やファンドによる、個別の条件やアピールポイントが明記されており、投資判断に活かせる内容が多いため、よく分析して理解することが大切です。

 

ファンドによっては、環境問題対策に繋がる社会性を持った案件もあります。

不動産クラウドファンディング投資は、より良い社会の実現に役立つ可能性もあり、投資の収益性への期待と社会性を持った投資商品とも言えます。



・ファンドスキーム

 

投資後の資金の流れや仕組みが図解されています。

自分が投資したお金がどのような仕組みで運用されるのか、よく理解したうえで投資することが重要です。

 

不動産を運用するファンドでも、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)の場合は、投資した資金は事業者を通じて、貸付先に融資される仕組みとなり、匿名性のため分かりにくいスキームもあり、この場合は注意が必要です。

 

不動産クラウドファンディングは、事業者が物件を取得し管理運営するため、スキームが単純で一目で分かりやすく、透明性が高い仕組みが採用されています。

また事業者の情報開示が明確で、信頼して投資できる事業者が多くあります。

 

投資全般に言えることですが、自分の投資した資金がどのような流れで、どういう用途で使われるかをしっかりと理解することが大切です。

 

・リスクとリターン

 

不動産クラウドファンディングは投資商品のため、元本保証ではありません。

そのため、事業者の倒産リスク、不動産の価格変動リスク、流動性リスクなど複数のリスク要因があります。

 

事業者のファンド募集ページにはこれらのリスクが明記してありますので、理解したうえで投資することが重要です。

 

リターンに関しては、年利はもちろん、分配日がいつなのかを確認することも必要です。

事業者により、毎月分配されるファンドや数か月に1回分配が行われるファンド、運用終了し償還時に一括分配されるファンドがあり、運用条件が異なります。

 

またリターンの種類はファンドによって違います。

投資対象物件の賃貸収益による分配(インカムゲイン)と、物件の売却による売買差益(キャピタルゲイン)による分配、またはその両方を組み合わせたファンドもあります。

 

投資するファンドがどうなればリターンが得られるのかを理解してから投資を行うことが大切です。

 

事業者やファンドによっては、投資家のリスクを軽減する仕組みが採用されている場合がありますので、投資判断する際には確認が必要です。

事業者が劣後出資している場合には、不動産価格の下落やファンド運用が想定通りにいかなくても一定の割合以内であれば、投資家の元本棄損が起こらなくなります。

 

また空室リスクに対して、マスターリース契約により、その間の賃料収入が保証される仕組みを採用しているファンドもあります。

 

これらは投資家のリスクを軽減し、ファンドの安全性を高める仕組みと言えますので、確認して投資することが重要です。



不動産クラウドファンディングのファンド概要には、色々な項目があるため、一見難しいように思えますが、慣れれば比較的投資判断しやすい商品です。

 

1万円から投資できるファンドも多くありますので、まずは不動産クラウドファンディング投資を体験してみてはいかがでしょう?